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きどやさん、ありがとう
きどやさんが、30年にも及ぶ歴史に幕を下ろして、閉店することになった。きどや宴会がないと1日が終わらず、トライアルも始まらない人も多いと思うが、木戸や宴会は定例会として、どこかで開催されるということだ。
きどやさんは、東京は飯田橋駅から歩いて30秒(赤信号だと2分30秒くらいかかることもある)の、小さな飲み屋さんだ。荷物を片づけたりぎゅうぎゅうに詰めて座って15人くらいで満員という大きさで、しかしここでは夜な夜なトライアル愛好者たちの場外トライアルが続いていた。
上の写真はJR飯田橋駅東口、水道橋側の改札を出れば、交差点をわたったところがきどやさんだ。地下鉄の入り口に隠れちゃってるけど、矢印の先に、そのお店はある。
ご主人の木戸さんは、もちろんトライアルライダー。お店に愛車がしまわれていたこともあるし、今もランドネのオーナーだ。でもお店が忙しいのと、ご両親の介護が忙しくて、ここんところはちっとも乗りにいけないのが悩みのタネだったという。
オープンしてまもない頃、トライアルジャーナルが東京に編集部を引っ越してきた。トライアルジャーナル編集部は当初、靖国神社のすぐ裏にあったので(今は当時編集部があった建物はあとかたもなくなって、大きなビルが建っている)きどやさんは毎日でも通えるロケーションにあった。トライアルジャーナルの編集部員に限らず、東京にお勤めのすべてのみなさんがきどやさんで一杯やってからおうちに帰るのを日課としていたもんだった。
2月10日は、一応、きどやさんの最後の営業ということで、きどやさんで人生やトライアルを語りあい、しかしトライアルはちっとも上手にならなかった面々が集まって、木戸さんの長らくのご苦労を讃えた。
きどやさんでトライアルライダーが席を予約すると、テーブルにはこんな予約席看板が置かれることになる。トライアルライダーたるもの、青いセクションマーカーにをテーブルに認めれば、気合いを入れて盃を傾けないわけにはいかない。
最後の営業日に集まったコアなきどや常連客一同は、トライアルライダーとして再出発する木戸さんに、トレックフィールドのウェストバックを贈呈。長年の功績をねぎらった。下の写真は、もらったウェストバックを腰に締めて大喜びの木戸さんだ。
しかしこのきどやさん、営業をやめても建物をすぐに壊しちゃうとか、そういうことはないので、お声がかかって特別営業をしている日がけっこうあるらしい。もしかしたら、3月初めくらいまでは営業してるかもしれないということだ。
そしてまた、その後は少なくとも月に1回は、別のお店を借りてきどや宴会を催すことになるという。木戸さんを含めて、みんな高齢になっているので、月に一度くらい会って生存確認をしないと不安でなるということと、創刊以来続けてきていただいた自然山通信の販売店としての役割を、そのまま続けていただく関係で、少なくとも月イチでみんなに会わないといけないということだ。
飯田橋で培ったトライアルのきずな。お店はなくなっちゃうけど、そのココロは、これからもずっと消え去ることはない。