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ヤマハ・ファクトリーRT発進
3月6日金曜日、東京外神田で、ヤマハモータースポーツ活動計画の発表会があった。
ヤマハのオフィシャルライダーとして契約された、ロードレース、モトクロス、トライアルの各選手が一堂に会し、ヤマハ発動機代表取締役副社長、木村隆昭らと間もなく始まるシーズンへの心意気を語った。
ここ何年か、ヤマハはファクトリーチームとしての参戦はなく、プライベートチームをバックアップする、いわゆるサポートチームとしての体制をとってきた。たとえば黒山健一なら「チーム黒山レーシングヤマハ」がチーム名で、活動母体はヤマハ本社ではなく黒山レーシングであることが名前から見てわかる。
ところが今年、発表されたチーム名はロード、モトクロス、トライアルともに「ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チーム」。ライダー個人の契約はともかくとして、ヤマハファクトリーの名を背負ったチームで黒山が走るのはこれが初めて。ヤマハのトライアルチームが正式なファクトリーチームとして参戦するのは、伊藤敦志がチャンピオンに君臨していた時代以来のことではないかという。
この日集まったライダーの中で、トライアルの黒山だけが、その翌々日に開幕戦を控えている。重要な一戦を控えてチームの発表会という忙しいスケジュールとなったわけだが、黒山は「トライアルは例年、他のジャンルに先がけて開幕戦が組まれている。ここ2年、開幕戦では失敗しているので、今年こそ開幕戦をうまく走って、ロードレースとモトクロスの仲間にどうだ!と言ってやりたい」とコメントした。
黒山のマシンは、去年まで乗っていたTYS250F。外観上は去年までのマシンとほとんど変わらない。ただし中身はまったく別ものに仕上がっているといい、その成果が実戦で発揮されるかどうかが多いに楽しみなところだ。
ヤマハ発動機のレース活動としては、唯一トライアルだけが販売する車両がないところでのレース活動となっている。それについては「現在は未来に向けての準備期間」としている。なんのための準備かといえば、それは次世代を担う人材の育成でもあり、ハードウェアの開発でもあると言う。人材とマシンと、どちらか一方ではレース活動は成立しないから、すぐにとはいかなくても、必ず、その両方を達成する方向で活動を続けていくということだ。
なおこの日、ロードレースとモトクロスでは、アジア選手権などに向けての意気込みも強く語られた。東南アジアのライダー育成を目的としたマシンが登場してきたことで、この活動が実現したという。次にはトライアルも、こういった活動が広がっていくはず。
なお、黒山以外のヤマハ関係のライダーについては、ヤマハ・ファクトリーとは別扱いの活動となるので、この日の発表はされていない。