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ガスガスのその後(2015年6月現在)
裁判所による財産管理などの手続きを進めているスペインのガスガスについて、その後の音沙汰などが少し届いてきた。前回お知らせした段階では、倒産したガスガスを買ってくれる人(次のオーナー)はすぐに現れるのではないかということだったが、少し時間がかかって今に至っている。さて、これからどうなっていくのか、ガスガスユーザーは、これからどうすればいいのか?
ガスガスの本社の再建については、まだ正式なアナウンスはなにもない模様だ。というより、正式アナウンスは契約書のようなものにサインがされて、その暁に発表されるものとなるから、明日サインがされようとも、それが来年になろうとも、それ以前には情報が発表されないのがふつうだ。
では実際にはどうなっているのかについては、ガスガスの内部に近い人から漏れてくる話に聞き耳を立てるしかない。そしてその筋(おそらく、ガスガス本社と昵懇の大手海外販売店などが、ガスガス社に残る(数少ない)スタッフから聞き出した情報だと思われる)からの情報によると、現在、数社の投資家や会社が、GASGAS本社の買い取りに動いている模様であるという。なぜ当初の予定通りに買い取りが行われていないかというと、やはり買い取り価格の交渉に時間がかかっているのだという。なにせ、会社丸ごとを売買するのだから、その金額も大きなものになる。おそらくは、時間を引っ張れば金額は安くなるのではないかという読みと、複数の時期オーナー候補のお互いの駆け引きが続いているのではないかと思われるが、この交渉が順調に進めば、今年の12月には新体制のもとで完成車の生産が再開されるのではないかと目されている。
本社が倒産した後の対応について、ガスガスの日本輸入元の株式会社マーチでは、まずはパーツの手配と供給には全力を尽くしているということだ。本社に在庫しているパーツは、財産管財人の管理のもとで出荷が続いている。管財人としても、売れるものは買っていただいたほうが、今後の流れを作るうえでも有利だと考えたにちがいない(当然のことだけど)。
ただし本社で在庫をしていないパーツもある。こういったパーツについては、マーチが各国のインポーターと連絡をとってわけてもらうなどして、極力ユーザーの不便がないように供給していきたいという。実際、パーツのバックオーダーについては、一時よりは少なくなっているから、まずは安心してもらいたいということだ。
問題は新車の完成車のほうだが、これについても、全部とはいかないものの、海外インポーターから回してもらって調達したりもしたということで、まるっきり完成車が届いていないということではないようだ(ただ今後、新オーナーの下で再生産が始まるまでの間は、新車の調達が苦しい状況には変わりはない)。
いずれにしても、ガスガスについて、いいニュースが一日でも早く届くのを待ちわびたいところだ。まずは12月までお待ちください、ということではないだろうか。
(冒頭の写真も、2001年のアダム・ラガ。当時のラガは、確かまだ未勝利の、これから頭角を現す若手だった。ラガとガスガスの関係は、ラガのデビュー以来、ずっと続いている)