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ショウタ勝って、ショウタの連勝はならず
ここまで2015年は全戦全勝、スーパーヤングの山崎頌太がはたして全勝を続けるのか。その連勝を止めるのは誰なのか。
去年に続き、原瀧山は雨に見舞われた。去年は2ラップ目あたりで路面も乾き始めていたが、今年、スタートの早いB級は、2ラップとも雨の中の戦いとなったようだ。
一番スタートの岡本勝太は、今回がリバイバル参戦だ。何年ぶりかと問えば、7〜8年ぶりではないかという。歴代の上位ランキングを見ると、岡本は2001年にランキング8位となっている。この年、ランキング7位は砂田真彦、6位に宮崎航と、その後IASに昇格し、今もそれぞれに活躍している名前が見える。
その後岡本はIAに昇格するも、ランキング上位には顔を出さないまま、しばらく第一線から遠ざかっていた。リバイバル参戦の場合、年間のランキング争いとは別に、1回優勝すると、一階級昇格ができるきまりになっている。今回も、勝てば国際A級への復帰となる。全日本復帰の岡本とすれば、ぜひここで勝利を飾りたいところだが、今年の国際B級には山崎頌太がいる。簡単に勝利を奪えるものではない。まして岡本は一番スタートだった。
トライアルの選手権では、そこまでの成績がいい者があとからスタートする。今回でいえばランキングトップの山崎頌太が一番最後にスタートとなる。実勢のなにもない岡本勝太が最初のスタートだ。最初にスタートすると、ラインはできていないし、悪い見本もいい見本も誰もいない。あとからスタートするほうが、有利ということになっている。ランキング上位があとからスタートするのではますます成績がよくなってしまいそうだが、だからとランキングトップを一番スタートとしたのが、数年前の世界選手権だった。これは結局体勢に影響がなく、今は元通りになっているから、トライアルにとっては意味がなかったのだろう。
ということで、いつもなら大きなハンディを背負ってのスタートとなった岡本だが、この日はちょっと様子がちがった。雨が降り、ときに激しく降り、そしていったん止んで、また雨が降る。雨が止んだ泥んこは前を走るライダーによってこね繰り回されて、たいへん手ごわい状況になっていく。いつものように、後からのスタートが無条件に有利とはいえない状況だった。
1ラップ目、トップの4人を見ると、1位と3位がランキング上位の常連組(比較的後ろからのスタート)の岡村祐希と松本龍二、2位と4位が早いスタートの岡本勝太と本田隆史だった。上位クラスではオール5点に近いスコアもあったが、国際B級はそれでも抜け出られるセクションが多かった。1ラップ目のトップ岡村のスコアを見ると、クリーン1、1点二つ、3点5つ。5点は4つしかなかった。しかし、クリーンゼロながらさらに安定してセクションを抜け出ていたのが、岡本だった。岡本の5点は、たった2個だった。
そして山崎はといえば、1ラップ目に10位に沈んでいた。2ラップ目に追い上げるも、2ラップ目もトップの岡本には3点差をつけられた。
「こんな日もあります」
と、静かに語った山崎だったが、5連勝はならず。ちなみに1ラップ目にはクリーンは1、5点は7個もあった。
優勝争いは、岡本と岡村。1ラップ目は同点だから、2ラップ目で勝負が決まる。岡村は第1、第2とクリーンするも、第4セクション以降がすべて5点だった。対する岡村は第5、第6と3点で抜けている。
「クリーンは一つしかなかったけど、3点で抜けられたセクションが多かったのが勝因」
と岡本は振り返った。
3位は中野禎彦、4位本田隆史と、スタートの早いライダーが入り(中野は過去にはポイントランカーとなったこともあるが、2012年以降は無得点だった)、5位に山崎頌太。ショウタの連勝を阻止したのは、年の差のあるショウタだった。