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TRSの輸入元はエトスデザインに
TRSがアダム・ラガと契約。その後、ジョルディ・タレスの自宅ガレージ施設とその周辺でラガによるニューマシンの公開テストが行われた。その模様を、近藤博志さんが送ってくれた。
近藤さんは、この度TRSの輸入元となったエトスデザイン代表(4回の全日本チャンピオンでもある)。
テストライディングをしているのは、まもなく生産が開始されるTRS ONEのプロトタイプ。ラガは今週末に開催されるトライアル・デ・ナシオンにTRSで出場することになっていて、今回のマシンもラガ用のスペシャル仕様かと思われるが、いずれにしても、生産車が姿を現すのはあと少し先のことになりそうだ。
ラガによると、パフォーマンスに不満はなく、マシンの成熟度は充分という。65kgの圧倒的軽量を実現しながら、必要な肉厚はしっかり確保するなど、耐久性も増していて、ラガの過酷なテストでも壊れることがない、というのがナンバーワンライダーのインプレッションだった。
TRS ONEのエンジンには、ダブルスパークなる新機構が採用されている。エンジンの低回転時にスパークを2度飛ばして、燃焼ガスをより完全燃焼させるシステムらしい。
JTGの開発にもかかわったタレスだが、TRS ONEはJTGの改良版ではなく、異なるニューマシンだとしている。そこには、新しいテクノロジーに対する探求心とともに、自身の作品とJTGを愛車とする多くのトライアルファンへの思いが感じられる。
JTGはインジェクション吸気でもなく、リヤショックはセンターにマウントされていて、いたって標準的なスペックの組み合わせで構成されている。軽量化を実現しながら、とにかく信頼性を高めたいという設計ポリシーが、こんなところに現れているのかもしれない。
まずは、週末のトライアル・デ・ナシオンでのラガの走りに注目が集まることになるだろう。TDNは世界選手権に比べてやや難度は低いものの、いつもより多くのセクションを走る特別な舞台だ。通常、ライダーの移籍は年が変わるのを待たなければいけないが、ラガの場合、元の契約主が現状実体を失っているわけなので、新たな契約をするのには問題がない、ということになる。少しでも早い移籍とその発表は、ひと足早い期待をいだかせると同時に、なによりラガとTRSの準備に余裕ができることになる。
生産の予定や日本での市販時期、価格などはまだ未定。早い段階での発表と市販実現が待たれるところだ。