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氏川が3勝目、ルーキーチャンピオン誕生か
今年国際A級に昇格したばかりのルーキー、氏川湧雅がぐんぐんと調子を上げている。九州大会で初優勝のあと、北海道大会で連勝を果たし、中国大会では勝利を逃したもののしっかりと2位入賞。そして今回、3勝目を挙げてポイントリードを広げてきた。
最終戦では大ベテラン岡村将敏に7ポイントのアドバンテージをもってチャンピオン獲得を目指して走ることになる。7ポイントのリードは、最終戦で岡村が勝利した場合、氏川が4位以上なら氏川のタイトルが決定する計算だ。
この日の氏川は、ライバルとは別格的な走りを見せた。結果的にはIA全員が5点という第2セクションでこそ5点だったが、7セクションまでを全部クリーン。このリードが、氏川の勝利を決定づけた。
反省点として氏川があげたのが、第8セクションでの5点。1ラップ目が1点だったのを、2ラップ目は足つきなしで最後まで走ったのだが、最後の最後でゲートマーカーを蹴飛ばして5点となったしまった。不注意な失点だったが、終わってみれば氏川と2位の武井誠也の間には24点の大差があった。
今回、氏川のチャンピオン争いのライバルである岡村は3位。岡村は昨年もランキング2位だったが、昨年は未勝利だった。今年は2勝をあげて、ルーキー氏川の最大の宿敵となっている。ただし氏川は、最終戦の目標を岡村との勝負よりも、勝利に置いているという。勝てばタイトルはついてくるが、氏川が目指すものは、勝利のための勝利だ。
氏川と岡村の間に入って、自身初の2位表彰台を獲得したのが、武井誠也だった。1ラップ目は、トップ氏川に8点差に迫っての2位。2ラップ目に大きく崩れて氏川のぶっちぎり勝利を許してしまったが、3位岡村に1点差で2位となった。2012年IBチャンピオンの武井、IA昇格3年目にして、いよいよ本領発揮か。次戦以降の武井にも注目していきたいところ。
中部大会のIAは、IASのあとからのスタート。IASは2ラップ終了後にSSが控えているため、こういうタイムスケジュールになっている。このスタート順により、いつもならIASよりも早いペースでセクションをこなしていくIA勢が、IAS軍団を抜けずにスローペースになっている傾向がある(抜けないことはないが、観客をひきつれた10名のトップライダーを抜いていくのはかなりの勇気がいる)。加えて今回は、スタート直後からIBの2ラップ目と重なってセクションのトライ待ち渋滞があった。悪天候でセクションの難度が増したため、セクションから抜け出るまでに時間がかかったライダーが多かったためもあるのだが、ちょっとお気の毒な事態だったようだ。