© トライアル自然山通信 All rights reserved.

山崎頌太、優勝でチャンピオン決定
10月11日、2015年全日本チャンピオンの一番乗りは、国際B級山崎頌太だった。それもそのはず、山崎の2015年は連戦連勝。前回第6戦では連勝がストップしたものの、シーズンを通しての圧勝ぶりは変わらず。今回の勝利で山崎がランキング2位の岡村祐希に対して築いたポイントリードは28点となった。これで山崎は、最終戦を待たず(仮に最終戦を欠席したとしても)ランキングトップは揺るがず。2015年のチャンピオンを決定した。

勝利をしても、いつも控えめにその日のトライアルを語る15歳になったばかりの連勝男は、しかし今回はさすがにうれしそうだった。チームのみんなが山崎のチャンピオンTシャツを着て、先輩たちがみんなで若きチャンピオンを祝ってくれるのだから、今日はなにをおいても喜ぶべき日だ。
実は、記念撮影に持ち出されたチャンピオンマシンには、リヤフェンダーがついていなかった。この日の最終セクションである12セクションで失敗、リヤフェンダーを失ってきたのだという。
山崎は第1セクションでも丸太で滑って転倒、5点になっているから、この日の24セクションの最初と最後で5点を取っているわけだが、それでも2位には10点差をつけていた。
しかもこの日、国際B級も国際A級と同じく持ち時間がぎりぎり、というか持ち時間たらずだった。IASにはタイムオーバーはなかったがIASの持ち時間が余裕だったということよりも、IASは残り時間を計算してペースを調整する術に長けているということだろうか。そして山崎にも6点のタイムオーバー減点があった。2位との10点差は、このタイムオーバーを含んだものだ。
山崎は1ラップ目23点、2ラップ目25点と、2ラップとも20点台で回っている。2位の松本龍二は2ラップとも32点だ。1ラップを20点台で回ったのは山崎と、5位池田蓮、7位倉持晃人の3人のみ。ともに1ラップ目にマークしたもので、池田は27点、倉持は26点。ふたりとも、2ラップ目に減点を増やして順位を落としてしまっていて、倉持は山崎と同じく6点のタイムオーバーも記録してしまっていた。
2位松本は、中部選手権ですでにチャンピオンを決めていて、国際A級への昇格切符は手にしている。それでも全日本での昇格はまた別格。山崎はチャンピオンを決めたが、ランキング3位の松本もランキング3位以上を決定して、ランキング5位以内のIA昇格圏内につけている。
3位の小沼侑暉は、もてぎの世界選手権、125クラスで3位表彰台にのった経験があるが、全日本での表彰台はこれが初めて。この表彰台で、厳しいながらもIA昇格の可能性も出てきた。
ランキング2位の岡村は今回は4位。表彰台は逃したが、松本同様にIA昇格は確定した。今シーズンは全戦6位以上でポイントを獲得して、表彰台獲得も3回。来シーズンはいよいよ親子で国際A級を走ることになるが、最終戦で4回目の表彰台に乗れるかどうかが今年最後の挑戦となる。
この大会、優勝の山崎も6点のタイムオーバーがあったが、10点弱のタイムオーバー減点をとったライダーは少なくなかった。タイムオーバーは、以前は20分まで認められていたが、現在は10分まで。それを過ぎると失格となるのだが、今回は3名の失格者が出た。タイムキーピングはトライアルの重要な要素だから、時間内にゴールするのも戦略のうちだが、今回はタイムオーバー続出の大会となった。