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藤波inサンクスデイ
11月24日、ツインリンクもてぎで、毎年恒例の「エンジョイ・ホンダ」ホンダレーシングサンクスデイが開催された。ホンダ契約の(ほぼ)全ライダー・ドライバーが集結して、ファンとのふれあいを楽しむ一日。
04世界チャンピオン藤波貴久は、このイベントのビッグスターのひとり。握手してことばをかわすだけじゃなく、世界戦選手権と同じレベル、あるいはそれ以上の走りを披露してくれるなんてファンサービスは、トライアルを置いて他にない。
デモンストレーションは2回。会場はハローウッズの入り口。今年世界選手権のセクションとなったその場所で、セクション設定も、世界選手権、ほぼそのまま。デモは07全日本チャンピオン小川友幸と藤波とのガチンコ勝負という設定で始まった。司会進行盛り上げ役は小林直樹。いずれ劣らぬトライアルフリーク揃い。
ハローウッズのセクションでは、今年の世界選手権で藤波が4回中3回失敗した鬼門だったセクションが使われた。しかしデモではその鬼門ラインを楽しそうにするするとクリーン。トライアルはメンタルスポーツというが、楽しいデモを演じつつも、それゆえ実戦の厳しさをも感じさせる濃厚なデモンストレーションとなった。
今回のデモでは、セクション走破タイム競走もあり。足をついたら失格(インドアのダブルレーンよりルールが厳しい)、クリーンが最低条件で、しかもそのセクションが世界選手権で使われたものそのまんまときている。なんともハイレベルな競走になった。勝負の結果は藤波と小川が1勝1敗。ポイントに向かって体勢を整えるとき、ほんのわずかタイミングをとってしまったかどうかで勝敗が決するシビアな戦いとなった。シビアな戦いなれど、その戦いが笑いに包まれているのが、こういうファンサービスイベントのいいところだ。
予定時間を超過して飛びまくるフジガス。ハローウッズの広場には入れきれない(小林直樹計測によると6万人)お客さんが押し寄せて盛況。この日のイベントのメインステージはやはりグランドスタンドなので、このトライアル・スペシャルはロケーション的には脇役的存在だが、せっかく世界選手権で使ったセクションがあるのだから、トライアルを楽しむにはここがイチバン。きっとこのイベントから、トライアルに興味を持ってくれる人も現れてくれることだろう(実際、ここでトライアルを知って世界選手権に観戦にきたというファンは少なくない)。
フジガスは、毎年このイベントのためにスペインからこの時期帰国する(もしくはフジガスの帰国時期を狙ってこのイベントが開催される)。来年も、きっと大盛り上がりのショーになるにちがいない。トライアル見たことないお友だちがいたら、まずこのイベントにご招待しよう。