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新生ガスガスと今後の展望
12月1日に、ガスガスがニュースリリースを発表した。
新たなオーナーとなったTorrot社による今後の新生ガスガスの所信表明でもある。
そして日本のトライアル・インポーターは、ひきつづき株式会社マーチが担当することが決定した。
Torrot社のCEO、Ivan Contrerasはインタビューに答えて、いくつかの決意を表明している。
まずは、トライアル市場のリーダーシップを取り戻すことだ。
2016年には2,000台のトライアルマシンを生産し、2018年には年間生産をトライアルとエンデューロで4,000台としたいとしている。
エンデューロは2017年モデルより、より競争力のあるモデルを登場させ、長期計画的には電動バイクに進出。Torrotの先進技術を使ったGASGAS初のElectricオフロードバイクを生産したいということだが、長期計画については、まだ具体的な動きには至っていないようだ。
ジローナにあるガスガスの工場は再開の準備を整えつつある。再び従業員が集い、部品調達のためにパーツサプライヤーとの連絡に奔走し、そして世界のインポーターからはすでに注文が入ってきている。
Torrot社としては、電動バイクの生産工場をすでに持っているが、こちらはモーターサイクルの工場としては手狭なので、研究や開発部門のみを担当することになるだろうということだ。
2018年には、トライアルバイクの生産台数を4,000台まで伸ばし、トライアル市場のリーダーの地位を確保したいということだ。エンデューロも同様に生産をおこなっていくが、ただしエンデューロの場合、直近のガスガス・ブランドのエンデューロマシンは成功を収めていたとはいえないので、より市場競争力の高いエンデューロマシンの開発のためのチームが活動を開始することになる。
Torrot社の軽量化技術、電動発動機技術との融合による、未来のトライアルバイクの登場にも期待が持てるが、それはもう少し先のお楽しみとなりそうだ。ただし、ガスガスのブランドオーナーは、いまや電動マシンのTorrot社だから、そちらのアクションもあまり悠長にかまえているとは考えにくい。
Torrot社は、3年間で1,300万ユーロ以上を投資してGASGASを再起させるということで、その骨子のひとつは、少人数の仲間による生産コントロールとその品質の保証があげられている。
骨子の二つ目は、トライアル競技やプロレーサーの育成に尽力し、競技界でのリーダーであり続けていくこと。そしてそのレベルを市場に還元していくこと。
骨子三つ目は、以前からの従業員55名の雇用を守り、さらに30名を雇用するという。
日本のガスガスファンにとって重要なことは、この新生ガスガスは、引き続き株式会社マーチによって輸入され、日本のユーザーにとって届けられるということだ。
新生ガスガスの入荷時期は、世界選手権日本大会に間に合うよう、2016年3月から4月になるということで、ちょっと待ち遠しいことになりそうだが、新たな動きが始まったのは確かなことで、うれしいニュースとして心待ちとしたい。
ツインリンクもてぎでの世界選手権日本大会には、10名ほどのガスガスライダーが来日する予定ということだ。