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手負いのホンダデュオ、ラガは完勝
4月27日、トライアル世界選手権日本GP、その2日目。12セクション3ラップの戦いは、序盤はボウがリードをしたものの、中盤からラガのペースとなって、そのままラガが逃げ切った。
藤波貴久は4位。膝の痛みと戦いながらの戦いとなり、表彰台を逃してしまう結果となったのは残念だった。
日本人勢では小川友幸が大活躍。6位入賞を果たしている。野崎史高が9位、黒山健一が13位、小川毅士が15位。この4名が世界選手権ポイントを獲得した。
ワールドカップはハイム・ブストが両日を制覇、125クラスもガエル・チャタゴが両日を制覇。結局3クラスとも、土曜、日曜と同じライダーが勝利することになった。

ボウは肋骨と背中の痛みと戦いながら、藤波はさらに痛めてしまった膝の痛みと戦いながらのトライアルとなった。こんなときに本領を発揮すべきがカベスタニーやファハルドだ。しかしカベスタニーは1ラップ目後半の泥の上りのセクションで連続5点、さらに前日にトリッキーだった10セクションでの5点が響いて5位と出遅れてしまった。
1ラップ目に3位だったのはファハルドだったが、ファハルドは2ラップ目に5点4つで一歩後退。3位から5位までは、一瞬の油断で順位が揺れ動いていった。
藤波は、3セクションで3ラップとも5点になった他、土の上りの8セクション、9セクション、そして最終セクションをなかなか攻略できず、5点を増やしてしまった。膝のせいではないと本人は言うが、完全なコンディションで戦わせてあげたかったところだ。
ボウは、第3セクションで1点をマークしたのがきいて、1ラップ目はトップ。痛みと戦いながらも、優勝できるのではないかと思わせた好走だった。しかし2ラップ目、第7セクションで5点となると、続けて5点となってしまい、万事休す。2ラップ目の26点というスコアは、トップ5の中ではファハルドの2ラップ目と同点の最多減点となってしまった。
ただしここで終わらないのがボウの強さで、3ラップ目は8点と、ラガの7点に次ぐ最小減点をマークして2位を獲得。ボウとの点差は7点差だったから、中盤のスコアがもう少しよければ、別の展開となった可能性は大きい。
しかしやはり、強かったのはラガの走りだ。ラガは納得のいかない5点をもらったり(とはいえ、それがノーストップルールの怖さでもある)バランスを崩して危ないシーンも随所で見られたのだが、ボディアクションをふんだんに使ったリカバリーは天下一品。そのライディングを見れば、やはりこの日の勝者がラガ以外にはいないと思わせた。
ラガが日本GPでパーフェクト勝利をするのは、これが初めてだ。ただしランキングでは、それでもまだボウが1点差でトップにつける。ランキング3位は点差が離れはしたが、藤波が守っている。
小川友幸は、5位のファハルドに15点差ながら6位。難攻不落の第9セクションを2ラップに渡って3点で抜けたり、最終セクションをすべて3点で抜けていくなど、5点を最小限に抑えた走りが功を奏しての6位入賞となった。ちなみにガッチの5点の数は、ファハルドよりも少なく、藤波と同じ10個だった。小川は、今回の6位獲得で、これでランキング11位につけている。