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2016年のレディーストライアルへの期待
2016年から、レディースの全日本選手権が開催されることが決まっている。
発表された全日本選手権のスケジュールでは、全7戦のすべてでレディースクラスが組まれている。
2016年からは、年間で4人のチャンピオンが誕生する全日本選手権となる。
未来を牽引するレディースクラスへの期待がふくらんでいる。
レディースクラスは、2015年にテストケースとして何戦かの全日本選手権に組み込まれて開催された。全日本選手権には、これまでも125ccクラス、オープントロフィーIAクラスなどが併催されていたが、これはあくまで併催の承認大会であり、2016年からはタイトルを争うシリーズ戦として開催されることになる。
オープントロフィーでのレディースクラスは、国内A級ライセンスを所持しているライダーが参加した。セクションは全日本選手権のセクションの、テープ内を自由に走行できるというきまりとなった。つまり2016年から、全日本選手権のセクションにはIAS、IA、IBの3つのゲートマーカーが設けられることになる。
レディース選手権と他とのちがいは、レディースでは有効得点制となっていることだ。有効得点制とは、全戦のポイントを足し算してポイントを競うのではなく、低い順位のポイントを削除して集計するシステム。世界選手権でも、125ccとオープンクラス、女子クラスではこの有効得点制が使われている。たとえば全7戦の場合、とあるライダーが2勝し、2位1回、3位2回、4位と5位が1回ずつという成績を上げた場合、トータルポイントは111点になるが、有効得点制では4位と5位のポイントが計算されず、87点となる。全戦に参加しなくても、5戦に参加をして好成績を挙げれば、チャンピオンを獲得できる可能性もあるということだ。
全7戦の場合は5戦、6戦の場合は4戦、5戦の場合は3戦のポイントが集計され、4戦の場合は3戦、3戦以下の場合は有効得点制ではなく、全ポイントを集計することになる。カレンダーによると全7戦で開催されるのは決まっているが、この条文があるということは、参加者ゼロの場合を考慮しているということだ。トライアル大会では、4台以下の参加者では大会が成立しないきまりになっているが、IASとレディースは参加台数にかかわらず大会は成立する。つまりレディースは参加者1台でも大会成立することルなる。
それでも、1台の選手権ではさびしいから、トライアル関係者には、周囲の可能性あふれるレディースたちを支援して、初めての全日本レディースを盛り上げてほしいと思う。
心配なのは、NA以上のライセンスを持つレディースライダーが、それほどたくさんいるわけではないということだ。かつてNAライセンスを持っていたライダーを含めても、10人前後というのが現実のところ。
この心配は、レディース大会立ち上げの際にも憂慮されたことらしいが、NB以上のライセンスとすると事実上誰でも参加が可能になる。セクション内自由とはいえ、全日本選手権のセクションだから、参加ライダーの安全を考えると、誰でも参加できるとはいいがたい。世界選手権女子クラスは試行錯誤しながら、誰でも参加できる受け皿として参加者を増やしていったが、それを日本の枠組みで取り組むのはむずかしいのかもしれない(実際、世界選手権のセクションは誰でも参加ができるような者ではなかったし)。
規則書を見ると「トライアル委員会が特に認めた者」という一文が加えられているが、これはNBライセンスを持っている腕自慢がトライアル委員会に認められれば参加ができるということではなく、過去にIA、IB、NAのライセンスを持っていてしばらく公認大会からご無沙汰していたライダーが参加を希望した場合を考えた一文ということだ。
女性ライダーは確実に増えているが、これまでにIAはひとり、IBはふたり(2016年からは3人になるはず)、現役NAが6〜7人ほど。
とても個人的な意見では、NBライダーにも参加の窓を広げるか、レディース専門のライセンスを作ってなんらかの登竜門的ステップを設けられないのかしらと思うのだけど、きっとむずかしいのでしょう。
ともあれ、2016年のレディースシリーズ、2015年のオープントロフィークラスよりさらにスケールの大きな話題が提供されんことを願っています。