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チスパに乗った
新たなトライアルマシン、チスパが日本上陸。その最初の1台に試乗することができた。乗ったのは250ccモデル。チスパには125、250、280の3種類の排気量があるが、輸入初年度の2009年は125ccと250ccに絞って日本に紹介される。今回は、まずは250ccが一足先に空輸で日本に到着した。つや消しブラックは、実物を見てもシックな印象だ。
2ストロークエンジンを積んだチスパ(Xispaと表記。スペイン語らしい綴りだ)は、いたって一般的なパッケージで構成されている。全体的には、シェルコにいたってよく似ている。開発コンセプトとしては、2ストロークの先輩格であるガスガスとシェルコのいいところどりということだが、実際に見てみれば、そこここにシェルコのイメージが漂っている。
とはいえ、リヤショックはシェルコのリンクサスに対して、こちらはリンクレス。チスパのオリジナリティが発揮されている部分である。
ちょっとばっかり踏力の必要な、古きよき感じのキックを踏みおろしてエンジンを始動する。ガスガスのようにこつがいるわけではないが、ちょっと重たい。ケッチンに気をつけた方がいいのも、いまどきはなつかしい感じ。
ミッションは5速。このあたりはシェルコと共通するスペック。シフトタッチは短めで小気味よい。これも、ちょっとシェルコに似ている。ハンドル切れ角は少なめ。フレームにはフロントフォークの逃げがつくられているが、それでもベータなどの恐ろしいほどき切れ角と比べると、だいぶ少なめ。ただしこれも、シェルコの切れ角の少なさと共通している。
エンジンは、ピックアップも元気でパワフル。低速で元気のいい2ストロークマシンが少なくなっている昨今、このマシン性格は貴重。フロントフォークはチスパオリジナル(パイオリ製と構造は似ているという)だが、リヤショックや前後ブレーキは実績あるものを使っていて、操縦性もいたって素直。まったくのニューマシンだが、違和感は感じられない。素直なトライアルマシンに仕上がっている。
性能に問題ない部分はコストダウンされたパーツが使われていて、商品価値を絶妙に保っている。パイオリ製のリヤショックは、ベータREV-3と同じものが使われている。けっして安くないユニットだから、お金をかけるところには投資をしているとも言える。
つやのないタンクやフレーム、バフ仕上げをしていないスイングアームなど、仕上がりデザインには賛否のあるところだと思うが、全体的にはけっして派手なイメージではなく、シックな印象。乗り味的にも、これと共通するものを感じる。
長期間のライディングによる信頼性が実証されるのはまだこれからだが、ストレスのないライディングフィールそのまま、機構的にもストレスなければ、本質的なところでは丈夫なマシンに仕上がっている期待は大きい。
なお、自然山通信2月号に、モニター価格が誤って掲載された。正しくはこちら。お値段がお安いのも、チスパの大きな魅力だ。
X125R ¥619,500 – ( 保安部品無・税込 )
X125R ¥661,500 – ( 保安部品有・税込 )
X250R ¥640,500 – ( 保安部品無・税込 )
X250R ¥682,500 – ( 保安部品有・税込 )