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北海道のオープンNAクラス
7月20日、北海道の全日本選手権には、オープントロフィーNAクラスというカテゴリーが併設されていて、4名の選手が参加した。
その名の通り、NAライセンスを持つライダーに参加資格がある。
ここ数年、エキジビジョン125ccクラスが全日本選手権に併催されて、近い将来全日本選手権を目指す若者が挑戦するシーンを見かけるようになっていたが、いかんせん、毎回の参加者が1名か2名で、まったく盛り上がりに欠けていた。世界選手権の125ccクラスが一部の国では盛大に盛り上がっているのに比べて、将来がちょっと不安になったものだが、そこには日本のトライアルのシステムやら大会の枠組みやらの関係もあるのだと思う。
125ccクラスは、IBもしくはNAライセンスを持つ20歳未満のライダーが全日本のIBクラスを走るもので、選手権ポイントなどはもちろん与えられない。そもそもIBクラスなら ふつうにIBクラスに出ればいいわけで、このクラスの存在意義は若いNAライダーを鍛えるためにあるものとなるはず。でも125ccを持っていなかったり、開催地が遠かったりすると、これにでなきゃうまくならないわけでもあるまいと思ってしまうのが現実ではないだろうか。IBクラスでポイント獲得相当の成績を残したら、その場で一発でIB昇格できる、みたいなニンジンがあればがんばるライダーも現れると思うけど、こういうニンジンは民間商店の大売り出しならいざしらず、MFJとトライアル委員会というなかばお役所のシステムではいろいろむずかしいんですね。残念。
さて話がすっかりそれました。今年、近畿ではじめて開催されたオープントロフィークラスは、現役を引退したIA選手にIBセクションの門を開いたクラスで、2名の選手が参加した。これはこれで、将来への広がりを感じさせるクラスだったが、北海道にはそもそもIAライダーがほとんどいない。それでNA選手がIBセクションを走れるチャンスという今回のクラス設定になったのだった。
ただしセクション設定中に、NAにはやっぱりむずかしい、ということになって、今回のセクションには、IBゲートがそこここに登場することになった。オープンNAはゲートを通過せず、IBはそのゲートを通過することが条件となる。なので125ccやオープントロフィークラスでは、その減点数をIBクラスでの結果表と照らし合わせることができるが、今回は独立した結果となっている。
参加ライダーは北海道から2名、猪股将太と内田尚志。中部から京藤一栄、東北から佐々木淳子と、併催クラスには珍しいにぎやかな顔ぶれとなった。京塚は2014年トライアル・デ・ナシオン日本代表が決まっていて、佐々木は2013年のTDN代表だった。
結果は、別途結果表をご覧の通り。最終結果はともかく、1ラップ目はなかなかの接戦で、彼らの戦いをずっと注目できたら、きっと楽しい観戦ができたのではないかと残念(トライアルは、すべてのライダーのすべての戦いを見ることができないから、もったいない)。
大会としては、参加者の掘り起こしが重要課題かもしれないが、参加者としても観戦者としても、こんなふうな楽しめるクラスは、これからも期待したい。でもやっぱり、若者掘り起こしクラスを、もうちょっと真剣にてこ入れしてほしいなぁ。