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今年もGCは10代の天下
2014トライアル・グランドチャンピオン大会は10月9日、宮城県スポーツランドSUGOで開催された。GCクラスは昨年に続き、10代選手が大活躍。優勝は15歳の桒原佳朗が勝ち取った。10位までに入賞した選手は来年国際B級への昇格申請ができるので、全日本選手権での活躍も期待できる。
GC大会は、国内A級、国内B級の選抜選手によるGCクラスのほか、チーム対抗戦、レディースクラス、オーバー50の3クラスがあるが、やはりメインはこれからのライダーが一発昇格をかけて戦うGCクラスになる。通常、国際B級への昇格は、各地区の国内A級に参戦して所定の成績(ランキング)をおさめなければいけないのだが、このGC大会で10位以内に入賞すると、国内B級から国際B級へ飛び級で昇格できる。才能のあり余っている逸材が、1年時間を短縮して頂点に近づくことができるしくみになっている。
昨年、藤波貴久の甥っこである氏川優雅と、氏川の自転車時代からの好ライバル、久岡孝二の二人が1位2位を分け合って国際B級昇格切符を手にし、明けた今シーズン、ふたりが昇格1年目の国際B級で大活躍したのは記憶に新しいが、この二人以外にも、昨年のGCは多くのルーキーを輩出している。ランキング5位で国際A級入りを果たした泉祐大(GC大会では6位)、惜しくも後一歩で昇格は逃したが、国際B級1年目で表彰台に乗った山崎頌太(GC大会では3位だった)など、国内B級から3年目で国際A級となった若手を筆頭に、国際B級で活躍する同期は数多い。
中部地方では、チームミタニが中心となって若手の育成に熱心に取り組んでいる。昨年の氏川、久岡、そして今年の小倉はチームミタニのメンバーだ。ライダー個々の才能と努力もちろんのこと、環境作りが功を奏して、若手パワーがどんどん世に出てくるのはうれしい限りだ。
桒原は栃木県。関東では真壁トライアルランドをキーステーションに、若手ライダーが成長している。真壁にはチームトップドックスを率いる岡村将敏をはじめ、A級ライダーがよく出没する。またMFJのトライアル・アカデミーは、現在のところ真壁トライアルランドを舞台に開催されている。走る場所の確保には苦労がある関東地方だが、向上心のある若手にはそれをさしひいてもよい環境が構築されている。
GC大会では、国際B級への切符をかけたGCクラスと、国際B級の先輩たちによるチーム対抗戦が同じセクションを使って行われる。チーム対抗戦では、氏川、久岡、山森篤志の中部チームが優勝、倉持晃人、岡村祐樹(岡村は去年のGCで4位、そして岡村将敏ジュニアだ)、中村道貴の関東若手チームが2位、関東ベテランチームが3位となった。彼ら現役国際B級では、倉持、久岡、氏川の3人が10セクション2ラップをオールクリーン。岡村と山森もラップオールクリーンを達成している。参加した国際B級全員が、2ラップ目には一桁減点で回っているのも、さすが国際B級の貫録だった。
これに対しGCクラスでは、優勝した桒原が2ラップ目にラップオールクリーン、国際B級への昇格切符を得た上位10人は20点を切る減点で回っていて、ラップごとの減点は一桁が多い。現役国際B級(氏川、久岡はA級昇格を決めている)の貫録もさすがだが、来年国際B級にデビューしようというルーキーたちも、経験の少なさを考えると、けっしてひけをとっておらず、早くも来るシーズンの激戦が期待される。