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成田匠とオセアニア情報
独特なトライアル活動を展開する成田匠が、ニュージーランドで新境地を開拓しているというニュース。4月のお話だが、イーハトーブトライアル大会会長の万澤安央さんから届けられたレポート。
成田匠選手は4月11、12日にニュージーランド(NZ)ネルソン市で開催されたオセアニアトライアル選手権にスコルパTYS125で特別ゲストとして参加、Aグレード(日本の国際A級に相当)で並み居る250ccを抑えて見事優勝しました。大会終了後のデモンストレーションでも成田選手の華麗なフリーライドの技に観衆も大満足でした。
13日には主催者の要望で成田匠トライアルスクールも開催され、NZとオーストラリアのライダーたちが真剣に学んでいました。匠君の実力とキャラクターによって、現地でも匠人気は急上昇、子供たちも記念撮影をせがむほどでした。
今回の主催者であるオリバーファミリー(出光イーハトーブトライアルに参加でおなじみ)率いるノンストップアドベンチャーチームは、広大な牧場を20年契約で借受け、トライアル会場とする準備を数年がかりで進め、同時に主宰者のスティーブン・オリバーが若手ライダーを育成するスクールをひんぱんに行なうなど、これまでの努力が最高の形で実を結んだといえます。
実際、ある参加者からのお礼メールでは「この国で開かれたMCイベントで最高の出来だった」と述べていますし、「スクールに参加できなかったことが心残りだ」と残念がっていました。
このようにオリバーファミリーの努力に成田選手の大活躍が加わったことによって、将来はこの大会がパンパシフィック選手権になる可能性も出てきました。まさに成田選手がオセアニア選手権に新しい時代をもたらしたわけです。
目下のところ、NZのライダーは世界選手権で目立った活躍はしていませんが、その実力は相当なもので、とくにトライアルとエンデューロの境目がないライダーが多いことが特徴です。
今回もAグレードでエンデューロライダーが上位入賞していますし、スティーブン・オリバーも5回のNZチャンプ暦のうち一回はエンデューロチャンプで、実際、コース移動のスピードが非常に速く、しかも確実性が高い点は、SSDTを目指す日本のライダーにぜひ学んでほしいと思います。
今回の成田選手の大活躍とオセアニア選手権の大成功は、来年2月に開催される「タスマン・イーハトーブトライアル」の土台となったことはまちがいなく、早くもオーストラリアからの参加表明があったそうです。もちろん、純粋イーハトーブ育ちの成田選手も参加するので、またまた匠フィーバー再燃が楽しみですね。
(レポート 万澤安央)