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MFJの決定ふたつ……
MFJのサイトにて、第一回トライアル委員会の報告がされている。このご時勢だから、けっして楽しい報告ではない。ひとつは5月に新型インフルエンザ流行(の兆し)を受けて中止になった全日本選手権近畿大会の代替大会について。もうひとつはこの秋イタリアで開催されるトライアル・デ・ナシオン参戦についての報告だ。
2009年の全日本選手権は、試合数の減少をなんとか食い止めようという関係者の必死さが伝わってくる。数年前までは、関東では関東大会の他、関東新潟大会と呼ばれる1戦が組み込まれていた。しかし会場の都合でこれが開催できなくなり、四国をのぞく(これもかつては開催されていた地方のひとつだ)各地方で1回ずつ開催ということになっていた。
ところが2009年のカレンダーが発表されてみると、九州大会がない。鹿児島大会は2年の約束で、約束の2年が過ぎた後、誰も開催に名乗りを上げる九州人がいなかったということだ。調整をしたが、結局大会を開催できるのは鹿児島県人以外になく、3年目の鹿児島大会となった。
これでようやく平年並みとなったところに、今回のインフルエンザ騒ぎ。近畿大会は参加者も多く、トライアル隆盛の一翼を担っていた大会だけに、中止は惜しい。そこで関係者は、日をずらして、延期という形で開催できないかと案を探った。しかしやはり調整は難航。ついに2009年は、近畿大会はなく、全6戦の全日本選手権ということに落ち着いてしまった。インフルエンザという突発的なアクシデントに起因するものといえ、わずか6戦の全日本となったのは、なんとも残念だ。
もうひとつ、こちらはインフルエンザとは関係ない。毎年、苦しいながら続けていたデ・ナシオンへの参戦を、今年は中止することになったという発表だ。
最大の理由は、参戦費用。自然山通信でもデ・ナシオン覇権のための募金活動などを行っているが、その1年分をまとめても一人分の渡航費にもならないのが現状。代表に選ばれたライダーは、大枚をはたいてヨーロッパに遠征するという、大きな負債の残るボランティア活動を強いられていた。
今回は、ヤマハ発動機がデ・ナシオンへの援助活動を断念せざるを得ない状況となり、よって、黒山健一、野崎史高の参戦は事実上不可能となった。世界の経済状況を考えると、これもやむを得ないところかもしれない。しかして今の全日本では、二人のヤマハ勢をのぞくと、スーパークラスの大半が同じチーム。費用負担をするにも、同じチームにどんと負担がのしかかるというのも問題。苦渋の決断で、2009年の参戦は中止となったわけだ。
2009年の参戦が中止ということで、今後の参戦をやめるということではない。しかし一度やめてしまうと、少なくとも優勝を狙うのはとてもむずかしくなる(スタート順が一番最初に回ってしまうから)。日本チームの夢が優勝だったなら、ここはなにがなんでも参戦を続けていなければいけなかったのだが、先立つものがなければしょうがない。
デ・ナシオン参戦については、男子、女子ともにいろんな参戦携帯が考えられてもいいのだが、優勝のチャンスのあるチームながら、やはり現地にいなければそのチャンスもないということだ。
なお、自然山通信では、2010年以降のデ・ナシオン参戦に向けて、引き続き募金活動をおこないます。もともと、MFJの支援がなくなったところで、このまま参戦をやめるのかどうかという岐路にたっての募金活動でしたので、本来なら、今回メーカーの支援がなくなったところで、さらに強力な募金体勢を作れればよかったのですが、残念ながら力及ばずでした。トライアルライダー、関係者(少なくともざっと1万人と推定)が、みんなひとり1,000円ずつ供出していただければ1000万円になりますから、参戦は充分可能なはずなのですが、これもたいへんに残念です。でも、来年以降に向けて、がんばります。がんばりましょう。