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日本のニュース

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小川友幸快勝、タイトルに王手の中部大会

全日本選手権第6戦は中部大会。愛知県岡崎市のキョウセイドライバーランドでの開催だ。このところおなじみの会場だが、ここでの全日本は全日本シリーズの中でも出色。昨年は渋滞がひどかったが、今年はそこに新機軸を導入して、150台近い参加者を受け入れた。観客サービスもなかなか。全日本のすべての大会がこのレベルのイベントになれば、もうちょっと安心して観戦初心者を連れて行けるだろうと、未来が楽しみになる。

天気予報は土曜日まで雨だったが、雨は土曜日の午前中には上がって、大会当日には暑いくらいの日差しで路面は急速に乾いていった。セクションは全体的にクリーンの狙えるものが多くなっていった。

2017全日本中部の小川友幸

第3戦以降4連勝、黒山健一とのポイントリードを12点に広げて、まず今年のタイトル獲得はまちがいないところとなった小川友幸。しかし試合後の小川は、少々の不満を語った。

2位に9点差、この日のセクションコンディションを考えると、まず独走といっていい点差だったが、小川の自己評価は厳しい。それほど調子もよくなかった上に、オールクリーンができなかったのが不満という。

遅咲きといわれた小川も、今年タイトルを獲得すれば5連覇7回目のチャンピオン獲得。黒山健一の11回のチャンピオンには及ばないが、存在感という点では、すでに歴代で日本の頂点に立つべきライダーになっている。その小川がほしいのが、オールクリーン達成の勲章だ。

オールクリーンは誰にとってもむずかしいもので、それがIASの難セクションで、しかも重要なのはオールクリーンすることではなく勝利することとなれば、それはますますむずかしくなる。オールクリーンをすれば勝利もついてくるが、オールクリーンを狙って1点で済むところをがまんして5点にでもなれば、勝負にも影響が出る。

だからこそ、オールクリーンは敷居が高い目標となるのだが、今回は1ラップ目に1点の1回の失点があり、2ラップ目に2点と3点の2回の失点があった。1ラップ目の1点は第8セクション、2ラップ目の失点は第3と第4だから、オールクリーンをする実力は充分だったのだが、できそうでできないのがオールクリーンというやつだ。

1ラップ目、小川の唯一の失点は、第8セクションでの1点。ラインのない急斜面の登りが鬼門で、もっともここをうまく走らせたのは柴田暁だったが、柴田は難所の先のトラバースでフロントを滑らせてあわや滑落の1点となっていた。小川の1点は、柴田と並ぶ1ラップ目の最小減点だったのだが、これで1ラップ目のオールクリーンはなくなった。しかしここで足つきをがまんしていたら、クリーンはできたかもしれないが、1点以上の失点になったかもしれない。

しかし小川は、この1回の失点がくやしかった。2ラップ目こそ、オールクリーンに挑みたい。ところが2ラップ目は、それが裏目に出た。1ラップ目にきっちりクリーンしている第3、第4での失点。「守りに入ってしまった」と小川は言う。2ラップ目の小川にとって、オールクリーンは挑戦の対象ではなく、失敗がないようにきっちり走れば得られるものだった。それが逆に、小川の気持ちを小さくしてしまっていた。

2017全日本中部の小川友幸

3つの失点をして、トップの座も野崎に奪われた小川だったが、今度は第8セクションを華麗にクリーン。野崎はここで5点となって、小川に再逆転を許してしまうのだった。

最後のSSでも、小川は1点を失った。フロントを釣ったままブロックに落とすべきところでのちょっとした失敗だったが、優勝が決まっていて失うものがないところでのこの失敗は、美しい走りが身上の小川とすれば不本意なところだろう。圧勝の結果を前に、今日はそれほど調子がよくなかったと感想を語るのは、小川が、より高いものを求めているからではなかっただろうか。

2017全日本中部の野崎

小川に次いで2位を得たのは野崎史高だった。今シーズン、初めての2位だから、ようやくこのポジションまで戻ってきたことになる。それでも、試合内容を見れば充分勝機はあったから、その点は残念でもある。

小川との点差は9点。第8セクションで計6点、SSで5点、小川に点差を明けられている。26セクションのうち、ほんの3つか4つのミス。小川でさえも、2つ、3つのミスはあった。わずかな差が、勝利と2位を分けることになった。

開幕戦で4位、前戦北海道で5位と、小川と黒山のランキングトップ争いからは水をあけられている。野崎の最終戦でのミッションは、小川毅士の追撃を振り切ってランキング3位を死守することだ。毅士とのポイント差は4点。よほどのことがない限りは逆転はむずかしいポイント差ではあるが、SUGOでの野崎は、より高い目標を見据えている。SUGOは野崎のラッキーラウンドだから。

2017全日本中部の黒山

黒山健一の不調は、試合が始まってすぐ、その兆しがあった。クリーンセクションの第1セクション、黒山は出口でぽろりと1回足をついた。トップライダーでもありうる、ちょっとしたミスだったかもしれないし、それがこの日の波乱の幕開けだったのかもしれない。

第2セクションをクリーンしたあとの第3セクション、黒山は最後のポイントの岩を越えられなかった。小川はこの日の戦いを、オールクリーンのタイム勝負と読んでいた。その読みからすれば、序盤3セクションにして6点を失った黒山は、この時点で早々と勝利の権利を失ってしまったかにも思える。

致命的なのは第3での5点で、ほかは細かいミスの積み重ねだったが、1ラップ目の黒山の減点は12点にもなった。毅士が最終セクションで5点になったので、かろうじて毅士を逆転したものの、1ラップ目のほとんどを5位で戦うというのは、なんとも黒山らしくない。

黒山の今回のマシンは北海道まで乗っていたものとは別のマシンだ。シーズンの半分を戦い終えたマシンは勇退して、補修を受けてヨーロッパへ送られ、トライアル・デ・ナシオン(TDN)を戦った。黒山が今回乗ったのは、アシスタント号としてじっくり慣らしを受けたもので、これを実戦用にセットアップして後半戦に臨んでいる。

TDNでの黒山は、初めてヨーロッパを走るFIエンジンの鼓動を楽しんでいるように見えた。ところが今回の黒山はちょっと苦しげだった。

2017全日本中部の黒山

こちらは、このまま転倒して転げ落ちてもおかしくない状況から、1点で切り抜けた1ラップ目の第11セクション。数行前に、小さなミスが積み重なって、と書いたけれど、この日の黒山の小さなミスは、ほとんどすべて5点をぎりぎりで回避したものだったのかもしれない。唯一、回避できなかったのが、1ラップ目の第3セクションだった。

2ラップ目に入ると、もはや黒山のエンジンが機嫌よく動いていないのが、誰の目にも明らかになってしまった。FIエンジンになってから、エンジンの安定性は格段に増していたのだが、トラブルはどんな完璧な機械にも起こりえる。SS第2、誰よりも美しく最後のコンクリートブロックまでやってきた黒山だったが、ブロックにはじき返された黒山は、苦笑ぎみに首を横に振って、試合を終えた。

毅士と柴田が自爆していったため、3位表彰台を確保できたのは黒山にとってラッキーだった。今回は地元ということもあり、ヤマハの仲間がずいぶん応援に来ていてくれたから、表彰台に乗れるかどうかは小さな差ではなかったはずだ。

ただしタイトル争いという点では、小川に敗北した時点で大差のない結果になっていた。最終戦を前にポイント差は12点差。逆転チャンピオンの可能性は、計算上、わずかに残っているだけとなった。FIエンジンの登場で4連勝を飾った黒山だったが、シーズンの流れは、その後4連勝で巻き返した小川にすっかり乗っ取られてしまった。11回のチャンピオン、黒山健一は、果たしてどんな復活劇を見せてくれるのだろうか。

2017全日本中部の小川毅士

練習中のアクシデントで右足の筋肉を損傷している小川毅士は、当初から苦戦が予想されていた。難度の低めのセクションを相手に、それでも5点は一つもなく1ラップ目を戦った毅士は、黒山にはリードを守って4位を走っていた。

つまずきは1ラップ目最終セクションの5点から。2ラップ目には、1ラップ目に減点したところは5点に、1ラップ目にクリーンしたところでも5点で、4つの5点で順位を落としていった。

最後のSS、170cm超えのブロックを越えた数少ないひとりとなったのが、この日の毅士のハイライトだった。終わってみれば、柴田の脱落で4位となったのは、毅士にはラッキーだった。いつも4位の毅士だが、今回の4位は、貴重だった。

2017全日本中部の柴田

北海道で、自身初めての2位となった柴田は、今回は勝利もつかめそうな勢いだった。第7セクションで2点を失ったのはちょっと失敗だったが、今回の中では難関セクションの一つ、第8の登りを華麗なクリーンを予想させる走りで切り抜けたのは見事だった。その後、フロントを滑らせて滑落、なんとか1点でこらえたのは、柴田につきがあるように思えた。

1ラップ目、トップの小川に5点差、2位の野崎に1点差の3位は、2ラップ目の追い上げに期待ができるものだったし、この日の黒山と毅士の不調を思うと、このまま連続表彰台獲得は濃厚ではないかと思われたのだが……。

2ラップ目、悪夢は第6セクションから始まった。ヒルクライムで失敗、マシンが落ちてしまった。この際、エンジン内部を痛めていたのを特定できないまま、クラッチの不調をかかえてその後のセクションをトライ、第7セクションこそクリーンしたものの、第6以降、なんと6個の5点を献上することになった。そしてこの6個の5点が、2ラップ目の柴田の減点のすべてだった。

それでも柴田は、4位の毅士に3点差、SSの結果次第では、かろうじて4位を獲得できるポジションにはいた。SSの柴田は、実力をきっちり発揮することが多い。マシンも修復している。ところがそのSS、柴田は3点と5点というスコア。今回は前半の好調ぶりと、トラブルが発生してからの脱落と、両極端を披露した柴田となった。トップライダーに飛躍するための、教訓となるにちがいない。

2017全日本中部の野本

表彰台の最後の一席にのったのは、野本佳章だった。ここまで、ランキング6位争いのリードを齊藤晶夫に奪われていたのだが、ここで6位を獲得して、再び齊藤と同点でランキング6位を取り戻している。この争いは、最終戦SUGOで、どちらが上位でゴールするかで決着する。

この野本に5点差まで迫ったのが、IASルーキーの藤原慎也。9月に自身のデモンストレーションイベントを成功させて、モチベーションも高まっている。今回の7位は自己最高位だが、この勢いなら、さらに上も望めそうだ。

野本のランキング争いのライバル齊藤は、今回はどうにも調子に乗れず、藤原にさらに5点差の8位に甘んじた。これが不調だとみんなが納得しているということは、本来の実力がもっと上にあるということを、本人も周囲も、わかっているからにまちがいない。

ルーキーながら、今シーズンかかさずSSに進出している久岡孝二は、今回も9位を得た。そろそろ、さらに上位を期待してしまいたいところだ。

10位はアシスタントなしの一匹狼、成田亮。つかんでくれる人がいないから確実に抜けるというより、より高い集中力で難関に挑んでいる。成田の走りは、一見の価値がある。

その成田と同点同クリーン、1点も2点も3点も5点も同じでSS進出を逃したのが吉良祐也だった。足を負傷して1戦を欠場してから、吉良の戦績はなかなか上向かない。流れを変える必要がありそうだ。

2017全日本中部のIAS表彰台

■国際A級

第6戦にして、今シーズン6人目の勝利者が出た。開幕戦の本多元治以降、初優勝が続いていたが、今回ふたたびベテランの勝利。永久保恭平は、1年前の中部大会以来、1年ぶりの勝利だった。

2017全日本中部の永久保

この日も好調だったのは氏川政哉。第2戦以外は確実に表彰台に乗って、ランキング2位以降をじりじりと引き離している。1ラップ目、氏川の減点は3点。2位につけたのが12点の永久保だった。

その差9点。今日の氏川の調子を見ると、逆転はまず不多能に思える点差だった。それでも2ラップ目の永久保は、なかなか好調。1ラップ目の氏川の3点には及ばなかったが、4点をマークした。

その一方、2ラップ目の氏川は、思わぬ苦戦を強いられていた。1ラップ目に快調にクリーンしていたセクションで、5点を連発した。3個の5点で、2ラップ目の氏川のスコアは15点。トータルすると、勝利は2点差で永久保のものになっていた。氏川の3つの5点のうち、どれかひとつがクリーン、いや3点で抜けられていれば、勝利は氏川のものになっていたのだが、勝負とはこういうものかもしれない。

2017全日本中部の氏川

氏川はランキング2位平田貴裕とのポイント差を11点に広げて最終戦に臨むことになるが、勝利は第3戦九州大会のみ。最終戦では勝利して有終の美を飾りたいところだ。

今回勝利した永久保は、ランキング5位に浮上している。

2017全日本中部のIA表彰

■レディースクラス

前日の下見を終えた時点では、むずかしくてたいへんそうだと覚悟を決めていた西村亜弥だったが、しかし当日は天気がよくコンディションが好転、神経戦となってこれはこれでむずかしい戦いとなった。もちろんそれでも勝利は西村。13点差と、ダブルスコア以上の点差をつけて圧勝となった。

2017全日本中部の西村

しかし第2セクションでの1点、第9セクションでの2点、さらに第10セクションでのバック5点と、点数は少ないながら、本人としては不満の残る戦いっぷりとなったようだ。

今回は、仙台の佐々木淳子が今シーズン初めて参加、山中玲美と宮本美奈が初参加してきた。新たなメンバーの参加で、これまで参加を続けてきたメンバーにも緊張感を与えることになったようで、結果はともかくとして、やはり参加者増は新しい流れを生んでくれそうだ。

今シーズン、開幕戦からずっと続いている小玉絵里加と小谷芙佐子の2位争いは、3戦連続で小玉絵里加が勝利し、ランキングポイントで同点となった。この勝負は最終戦で決着をつけることになる。

2017全日本中部の女子表彰台

ルーキー山中は4位に入った。山中はセクションでのパンチミスがあって(オブザーバーが誤って別のセクションにパンチ穴を開けてしまい、ライダーがそれに気がつかず次のセクションを走ってしまうと、気の毒だがそのセクションでは不通過の10点となってしまう)少なくとも減点が5点上乗せされてしまった。この5点を引くと、3位との点差は10点。初出場にして上出来の結果だった。パンチミス見過ごしは残念だったが、昇格勝負のかかっている中部選手権でなくてよかった、よい教訓となったと前向きに受け止めている山中だった。

5位争いは数点をめぐる戦いとなったが、1ラップ目は寺田智恵子、2ラップ目は宮本が好スコアをマークした。ルーキーの活躍と、ずっとこのシリーズへの参戦を続けている寺田の成長があらためて確認できたことが7名の参加者でにぎわった今大会の収穫だった。

2017全日本中部の小玉 2017全日本中部の小谷芙佐子 2017全日本中部の山中玲美

2017全日本中部の佐々木 2017全日本中部の宮本 2017全日本中部の寺田

■国際B級

6戦目にして、6人目の初勝利者が誕生した。磯谷郁。IAS磯谷玲の弟で、兄がIAを走っていた頃は、小学生ながらにアシスタントを務めていた。現在は兄ライダー、父アシスタントでIASを戦っているため、中学生の弟はアシスタントなしでIBを戦っている。IB挑戦2年目にしての初勝利だった。

2017全日本中部の磯谷郁

1ラップ目のトップは、和田弘行だった。南海の荒法師と呼ばれていたのは何年前だったろう、山本昌也の黄金期だったから、30年以上前のことだったが、その和田が、30年後の今もIBのトップを走る。今年は近畿大会に続いて2度目の参戦。勝ちに来たのだが、今大会はセクションがやさしいから、こういうときには勝つのはむずかしいと言いながらトライ、その結果が、1ラップ目3点でのトップだった。

同点クリーン数差で2位が、独走でランキングトップを行く山中悟史、3位に磯谷が7点で続いていた。和田が言うように、この日のセクションはやさしめ。磯谷にしてみると、1ラップ目の4点差をひっくり返すのはなかなかむずかしいものだった。

勝ちはなくても、しっかり走ろうと2ラップ目に出ていったところ、1点二つの2点で12セクションを回ってこれてしまった。これで結果を待ったところが、和田、山中のトップ二人が、ともに2ラップ目に減点を増やしていた。山中がトータル12点、和田が14点。これに対して磯谷は9点で、堂々初勝利となった。

残すは1戦、ランキングトップの山中は18点リードで最終戦を迎える。磯谷か倉持晃人が優勝して、山中が無得点に近い順位となった場合に限り、タイトル争いに逆転劇が生まれる。だから山中のタイトル獲得はまずまちがいない。

山中、磯谷、倉持のランキングトップ3はIA昇格が確定、4位以下、坂井柚稀66点、濵邉伶63点、小倉功太郎52点の3名が、IA昇格のふたつの席を争うことになる。

2017全日本中部の山中

2017全日本中部の和田 2017全日本中部の濱邊 2017全日本中部の小倉

2017全日本中部の倉持 2017全日本中部の坂井

2017全日本中部のIB表彰台

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