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日本のニュース

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勝つべき北海道で小川友幸、ぎりぎり勝利

2018年7月15日。例年どおり、全日本選手権第4戦は、北の大地北海道へやってきた。さわやかなイメージの北海道だが、こと全日本に関しては強い日差しのいいお天気になるか、雨でつるつる泥々の素晴らしいトライアルコンディションになるかどっちかが多い。今年は、後者になった。

黒山健一がフランスGP出場で不在の全日本大会。勝利を守ったのは小川友幸。野崎史高がぎりぎりまでおいつめたものの、届かなかった。3位表彰台は柴田暁が入った。

国際A級はクリーン差で小野貴史が勝利。レディースは西村亜弥が2位に50点差の快勝。国際B級は沖縄の冨名腰慶亮が初優勝となった。

黒山健一のピットには、主のいないTYS250Fiと、黒山の等身大の立て看板が用意されて、ファンに全日本不在を報告していた。今回の欠場は、事実上全日本タイトル獲得を放棄する決断となる(計算上の可能性はまだ残っている)。となれば小川友幸の6連覇は確定的かと思いきや、前戦九州大会の勝利でがぜんタイトル争いに名乗りを上げてきたのが野崎史高だ。ここで勝利すればランキングトップは野崎のものとなり、シーズンの流れも大きく変わってくる。黒山不在の一戦が、2018年のタイトル争いの天王山となるかもしれない。

雨が降るのはいたしかたなしと、みんなが考えていた。天気予報も逃れようがない感じだったので、セクションも土曜日に雨設定に作り直され、土曜日の下見の時点では簡単すぎて見えるほどだった。しかし雨が降ったら、ここの土は手ごわく滑るのだ。

夜半から朝まで降った雨は、国際B級の最初のスタートの頃にはいったん止んだ。早いスタートで早いペースで回ったこのクラスの一部は、雨に降られず1ラップ目を走り終えている。それでも多くのライダーが地面をかきむしっていけば、グリップはぐんぐん落ちていく。最終ライダーがスタートする頃には雨は本格的になって、以後、降ったり止んだり。降れば泥が流れるのでコンディションの悪化はいくぶん止まる。どのタイミングでどのセクションを走るのかも、ライダーの作戦のうちになった。

前半セクションは、優勝争いをするにはクリーンが必須となった。大岩が鬼門の第4セクションや、頂点の土管が勝負どころとなる第5セクションも、今回はクリーンセクションだった。雨設定で難度を低くしたのが要因だが、それでも大半のライダーは失敗するのだから、トップ争いのレベルが高いということだ。

このクリーン合戦からいきなり脱落したのが小川毅士。第1セクションでタイムオーバーの5点となった。第1は14名中6名がクリーン、5点は3名だけだったから、これは痛い出だしとなった。結果的には、柴田暁との3位争いに3点差で敗れているから、ここを1点で抑えていれば、3位を得ていたことになる。

第4では、その柴田が5点となった。セクションの流れは例年と同じだが、難セクションがクリーンセクション化している中での5点。すぐ次の第5では小川毅士が5点。3位争いの両名が5点を取りあう中、小川友幸はここまでオールクリーン、野崎史高は第5で1点を失うも、ほかはすべてクリーン。優勝争いと3位争いの差が開いていく。

セクションは、第8以降、急速に難度を増した。とにかく滑る。いつもは水に濡れて滑ることで難セクションとされている第7が、今回は乾いたセクションに見えてしまっている。ここまでオールクリーンだった小川友幸も、第8で初めて足が出た。3点。しかし他のすべてのライダーがここで5点となっているから、小川のこの3点は渾身のトライでもあった。野崎はここでの5点でトータル6点。小川は3点だから、リードは3点。ところが小川はこのあと、第9、第10とたてつづけに5点となって、野崎に隙を見せてしまうことになった。

第9も第10も、滑る泥が乗った状態の岩をどう攻略するかが肝になった。第9では、大岩に乗るところまではうまくいったかに見えた小川だったが、そこから転落するように落ちていって5点となった。第10では入口からばたばたとなり、最後の大ブロックにはじき返されて5点。小川のみが抜けられる印象の強かった最終セクションが、この日の小川にとっては鬼門となっている。野崎は第9、第10を連続2点でまとめ、ここだけで3点差を逆転、逆に3点のリードを奪って逃げ切り体勢をつくった。

今回は、黒山の他、野本佳章と砂田真彦も参戦していない。野本は今シーズンを待たずに、いったんトライアル活動を休止することを発表しているが、その準備のために今回は参戦を見合わせた。砂田は日本GPで負った靱帯損傷で手術を受け、現在療養中だ。かわって、故障で戦列を離れていた成田亮と平田雅裕が戦列に復帰してきた。このメンバーの入れ替わりで、5位以降の順位も変動がありそうだ。第8セクション以降は滑りやすい土質と相まって難度を上げていたから、入賞争いをするには、第7セクションまでをいかに確実に抜け出るかにかかっていた。

結果、7位の藤原慎也以降は、第8から最終セクションまでがオール5点。最終セクションを2点で抜けた氏川政哉が5位となり、第8セクションを3点で抜けた齊藤晶夫が6位となった。藤原は1ラップ目には小川毅士に1点差に迫っていたが、2ラップ目に減点を大きく増やして7位となってしまった。

柴田と小川毅士の3位争いは、2ラップ目に入って柴田が第5で5点。これで毅士が追いつきかけているが、1ラップ目の8点差を逆転するのはなかなか至難だ。結局この二人の戦いは、2ラップ目に柴田が毅士より5点多く減点し、その差3点のまま、スペシャルセクションに突入することになった。

2018北海道のガッチコンディションは万全ではなかった小川友幸だが、しっかり勝利してランキングトップに出た。

そしてトップ争い。3点のアドバンテージを野崎が守りきれるか。小川友幸とすれば、とにかく減点を最小限にして野崎のミスを待つしかない。1ラップ目の実績からして、勝負は第8セクション以降だから、そこまでをとにかくオールクリーンで守るのが、まず必須事項だ。

ところが第2セクション。野崎が痛恨のミス。ひとつめのブロックにラインを乱しながらアプローチしてしまい、5点となった。これで小川がトップとなって、その点差は2点。まだ逆転可能な点差だが、流れが小川に傾きつつあった。

第5セクションで、野崎は1点を追加。ここは野崎にしても減点を最小限に抑えた結果だ。そして勝負は後半セクションにさしかかった。第8は小川、野崎ともに5点。2ラップ目にここを抜け出たライダーは、結局皆無だった。第9。1ラップ目に転倒だった小川がクリーン、野崎は1点だった。これで点差は4点に広がった。そして最終第10セクション。先にトライしたのは野崎。野崎は大ブロックにアンダーガードを着地させて登った。そこからマシンを出すのに、まず1回押し出してみたが、動かないと見るや、左足を出してマシンを押し出した。野崎は1点のつもりだったが、オブザーバーの判定は3点だった。押し出した際につま先がブロックに接地しているという判定だった。野崎とすれば不満はあるが、ステップに乗っている足がバランス修正をしたと判定されればそれは減点になる。

2018北海道の柴田3戦連続小川毅士を破った柴田暁。次は、上位陣との点差を縮めたい。

野崎の判定について待たされた小川が最後のトライ。今度の小川は、1ラップ目のような失敗はなく、スムーズに最後のポイントまでマシンを進めたのだが、やはり最後の大ブロックは登れず。2度続けて5点となった。これで10セクション2ラップが終了。2ラップをトータルして、両者の減点は、小川が23点、野崎が25点。もし野崎の主張どおり、最終セクションが1点なら、両者は同点となるはずだったが、現実は小川が2点のリードでSSを迎えることになった。

SSも、ほぼ例年通り。第1は出口が複雑なかたちをした岩登り。第2が最終第10を手直ししたもので、小川友幸が2度落ちたブロックはなくなり、代わりにホイールベースより間隔の広いU字ブロックを刃渡りしていく難所が後半に加わっている。

SS第1は、濡れた土の斜面からスタートして、はたして岩の頂点までマシンを運べるのか。SSを走る10人は、岡村将敏、平田貴裕(SS初出走になる)、吉良祐哉、藤原慎也、齊藤晶夫、氏川政哉、小川毅士、柴田暁、野崎史高、小川友幸。SSで逆転の可能性があるのは7位以下の4名と、5位争い、3位争い、そしてトップ争いの2名ずつだ。5位争いは6点差だが、3位争いは3点差、トップ争いは2点差と、逆転の可能性は大きい。

2018北海道の氏川氏川政哉、初の入賞は5位だった。氏川の成長は見ものだ。
SSまでの
順位
ライダー 2ラップ
トータル
減点
SS
第1
SS
第2
トップ争い
1 小川友幸 23 23 23
2 野崎史高 25 30 30
3位争い
3 柴田暁 40 45 50
4 小川毅士 43 48 52
5位争い
5 氏川政哉 58 60 65
6 齊藤晶夫 64 69 74
7位争い
7 藤原慎也 72 77 82
8 吉良祐哉 74 79 84
9 平田貴裕 76 79 84
10 岡村将敏 80 85 90
2018北海道の齊藤6位の齊藤晶夫。実力発揮にはちょっと届かない北海道大会だった。

SS第1は、最後の岩にマシンを引っかけるところまではなんとかいけそうで、今回が初めてのSS出場となった平田貴裕が、なんとかマシンを押し上げて抜け出ることに成功。ということは、最後にはもっと好スコアでここを走破するライダーが現れるかもしれない。

吉良がアクロバチックなライディングでマシンを岩の向こう側に放り投げ、藤原、齊藤が5点となった後、若いルーキーの氏川が3点で抜け出ている。ここまでは順位変動はなく、いよいよトップの4人のトライとなった。

3位争いとトップ争いは、どちらも先攻がクリーンで後攻が5点なら順位が入れ替わる際どい戦いだ。トップ4の最初のトライは小川毅士。毅士はここをきれいに走破して、クリーンした。お見事。これでがぜん窮地に立たされたのが柴田だ。3点でも同点となってしまう。リードを守るには、2点以内が条件になる。しかし柴田は一気にクリーンを狙い、これまた華麗にクリーンをした。柴田と毅士の3位争いは、3点差のままだ。

3位争いが決着せずで、次はトップ争いの野崎のトライ。毅士と柴田がクリーンなら、野崎も当然クリーンでここを抜けるだろうと期待されたが、なんと岩を越えたところで引っかかってテープの外にマシンが出てしまった。野崎の逆転勝利は、厳しいものになった。最後のトライとなった小川友幸は、柴田や毅士同様に華麗にクリーン。小川と野崎の点差は7点となったので、SS第2を待たずに小川の勝利は確定的となった。22セクションで戦う北海道大会は、結局SS第2で勝敗が決したことになる。

2018北海道の野崎2連勝なるかという勢いだったが、いくつかの不運で勝利を失った野崎史高

最終SS第2。決着がついていないのは7位争いの3人(岡村は10位が確定した)と3位争い。まず、7位争いの方は全員が5点となって順位は変わらず。決着がついた5位争いの二人も5点となった。やはり広いU字溝が鬼門だ。失敗すると向こう時期のコンクリートブロックに顔から着地しそうな恐怖がある。

そして小川毅士も、やはり最後のU字ブロックで5点となった。これで柴田の3位表彰台と毅士の4位が決まった。柴田はこれで楽になったが、それでもU字ブロックは厳しかった。

すでに勝負は決まっていて、2位が確定している野崎は、U字ブロックをきれいに飛び移ってクリーン。しかしこのクリーンは、すでに勝負には影響しない。3位柴田との点差を20点にまで広げて、トップ争いするライダーの意地を示しただけになった。

最後の小川友幸は、迷いに迷った。本来なら、ダニエルでぽんぽんとU字ブロックを飛んでいきたい。勝利が決まっているから、その点ではリスクを冒しても問題はない。しかし一方、優勝が決まったあとにかっこよく走ろうとしてケガでもしたら、それこそなにを言われることやらわかったものではない。そしてこのU字ブロックは、さしもの小川といえども万が一とともにケガを負うリスクを否定できないのだった。

結局小川は、野崎と同じく、U字ブロックを一つ一つ刻んで飛び移ることにした。そしてみごとクリーン。ぎりぎりながらも小川は勝利を得て、野崎と5点差のランキングトップに躍り出た。今回欠場の黒山は、小川に18点差のランキング3位となった。

2018北海道IAS表彰式黒山不在の北海道大会。表彰台はこの顔ぶれが並んだ。野崎史高、小川友幸、柴田暁(左から)。

■国際A級

2018北海道IA表彰式ベテラン勢が並んだ表彰台。左から2位寺澤慎也、優勝小野貴史、3位徳丸新伍。

国際A級はIAS以上にクリーン合戦だった。1ラップ目に好調だったのは宮崎から遠征の徳丸新伍で、減点5クリーン7。しかし小野貴史と寺澤慎也も減点6でこれに続いていた。

小野は、雨降りレーダーをスマホで見ながら、コンディションに変化がない雨が降り続いているときにトライするよう、アシスタントの竹屋健二(IAライダー)に指示を受けてラップを進めたという。2ラップ目、第8セクションで5点になったときには勝利を徳丸に持っていかれたと負けを覚悟していたが、終わってみれば徳丸は2ラップ目に細かいミスが多く、小野は寺澤と同点、クリーン数差で勝利していた。

北海道での小野の勝利は2009年以来。小野はこの勝利でランキング2位の永久保恭平に4点差のランキングトップに躍り出た。今回は1位から5位までがホンダRTLに乗るライダーで占められることになった。

2018北海道の小野

■レディース

2018北海道の西村第4セクションをクリーンする西村亜弥。

勝利は変わらずいつもの西村亜弥。レディースについては誰が勝つかは興味の対象ではなく、西村がどんな戦い方をするか、どれほどパーフェクトなトライアルをするか、そして2位は誰かが注目される。

2018北海道の佐々木今シーズン2回目の参加の佐々木淳子が2位となった

西村本人の評価によると、今回の走りっぷりは「まぁまぁ」だそうで、大失敗でも大満足でもなかった。失点したのは2ラップを通じて8セクション。2ラップを通じてクリーンができなかったのは第8セクションだけで、その他はどちらかのラップでクリーンをしている。だから第8セクション以外はすべてクリーンができるはずで、理想的にはあと14点減点を減らせた計算だ。

ミスをひとつもなく走りきるのは誰にとってもむずかしいが、それを求めるところに、西村のトライアルのむずかしさがある。今回の失敗のハイライトは、1ラップ目の最終セクションでコンクリートブロックにのぼったはいいが、バランスを崩して美しくテープの外に飛び降りてしまったことだそうだ。ちなみに2ラップ目はクリーンをしたが、これはレディースクラス唯一のクリーンだった。今回の西村は、2位に50点の大差をつける圧勝。50点差については、西村本人も満足しているようだった。

2018北海道の山中難関の最終セクションにトライする山中玲美

2位は佐々木淳子が入った。1ラップ目は佐々木が37点、山中玲美が36点、寺田知恵子が41点と、3人が5点以内におさまる接戦。最終的には5点差で佐々木が山中を破ることになった。

2018北海道の寺田寺田知恵子は走破力がずいぶんと上がった

ランキング2位を守る小玉絵里加は日本GPの負傷の療養中で今回は欠場。次回からは参加が可能とのことだった。小谷芙佐子はエントリーはしているが、今回もスタートはしていない。

2018北海道レディース表彰式左から、4位寺田知恵子、2位佐々木淳子、優勝西村亜弥、3位山中玲美。レディース表彰台。

■国際B級

2018北海道IB表彰式左から2位小野田、優勝の冨名腰、3位山森は不在で代理はIAの寺澤だった

国際A級同様、4戦目にして4人目の勝利者が出た。4人のうち、3人が初優勝だ。

4人目の勝利者は冨名腰慶亮。沖縄のトップライダーだが、チームMITANIのサポートを受けて、今シーズンは全戦参加。沖縄から三重県までやってきて、預けてある全日本用マシンと遠征トランポであらためて全国に転戦する遠征形態をとっている。たいへんな遠征だが、それでも沖縄から直接全日本にでかけるのに比べ、ずいぶんと楽になったという。

2018北海道の冨名腰沖縄から北海道まで遠征で初優勝の冨名腰慶亮

沖縄にはない土質、地形、そして全日本の舞台。慣れない環境の中、2回の表彰台を得ながらも、あと一歩が届かず勝利はできないでいた。特に滑りやすい地形が不慣れということもあって、ミスが出ていたという。全日本チャンピオンを擁すチーム入りをして、練習方法などについてもチームメイトからもアドバイスをもらうようになった。その結果が出た。2位と同点、同クリーン数。1点の数の勝利で得た初勝利だった。この勝利で、冨名腰はシリーズランキングのトップに出た。2位には9点のリードがある。

今回2位は小野田瑞樹。国際A級の小野田理智を父に持つヤングライダーだが、前回近畿大会ではセクション飛ばしに気がついて戻ったことでコース逆走により失格となっている。手痛い無得点になってしまったが、リベンジは一応できたようだ。小野田はランキング5位に浮上、国際A級昇格争いの圏内に入った。

2018北海道の和気トラブルを修復して5位に入った和気

前戦で勝利してランキングトップとなっていた和気聖司は、今回は5位。1ラップ目にセクションから脱出しようとアクセルを開け続けたところ、なんと焼き付いてしまったという。パドックまで押して戻って修復して戦線に戻り、それで得た5位。ランキングは2位となったが、その実力、たくましさはホンモノ。和気の北海道大会は初参戦だった。

3位となってランキングを3位に上げたのは山森篤志。4位の小倉功太郎は北海道の大学に進学、マシンは実家にあってまったく練習しないでの大会参戦でこの成績を得た。

開幕戦勝利の中村道貴は今回は8位だったが、ランキングは4位を守った。IA昇格レースも、そろそろ顔ぶれが決まってきて、後半戦に向けて興味深くなってきた。

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