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ストライダー日本グランプリDay2も藤波3位表彰台!
6月9日、ツインリンクもてぎでの世界選手権、その2日目。トニー・ボウが見事な勝利を飾り、藤波貴久は再び表彰台に上った。2位はアダム・ラガ、黒山健一13位、小川友幸14位、野崎史高15位だった。
お天気は土曜日よりは格段に良好。一時はけっこうな日差しもあった。午後に雨が降るという予報もあったが、結局雨は降らずで大会が進んだ。
セクションはやさしくなっていたりむずかしくなっていたり、若干の手直しを受けていたが、土曜日とはとにかくコンディションがちがう。泥々だったもてぎの大地はどんどん乾いていき、全体にセクションは1点を争う神経戦となっていった。どのクラスも、勝利者の1ラップの減点はおおむね一桁だった。
そんな中、GPクラスのトップライダーは、オールクリーン合戦だった。第1セクションで1点を失ってこの戦いから脱落したのがハイメ・ブスト。第2セクションでホルヘ・カサレスが1点を失い、第3でジェイムス・ダビルが1点減点、第4で藤波貴久が1点減点と、オールクリーン合戦のメンバーはちょっとずつ減っていったが、トニー・ボウ、アダム・ラガ、そしてなんと、ドイツ人のフランツ・カドレックがオールクリーンを続けていた。カドレックは10セクションまでをオールクリーン、ラガは11セクションまで全セクションをクリーンしていた。
ラガ、カドレックともに後半でちょっと走りが乱れたが、ボウだけは一糸乱れず。本人いわく、ミスも多かった、ということだが、結果だけを見ればオールクリーンを続け、1ラップ目をオールクリーンで走りきってしまった。
藤波はぽつぽつと減点をするものの、特に最終15セクションをクリーンしたことでラガを逆転、2位で1ラップを折り返した。しかしラガ、ダビル、カサレス、カドレックと、僅差で順位を争うライバルはいっぱいいて、これっぽっちも油断ができない。前日と打って変わって、この日は第10セクションまではオールクリーンができておかしくなかった。
2ラップ目、藤波が第4で5点。これで順位もがくんと落ちる。しかしカドレック、ダビルも5点があって、混戦模様はそのまま、第11以降の難セクション群に突入する。
2日制の大会の2日目のスタート順は1日目の成績に準じるという規則変更があって(予選システム導入以前はずっとこれだった)藤波は最後から3番目にスタート、トライ順もこれを守って行われていた。
手堅いカドレックが、第12以降で5点を連発し、まず表彰台争いから脱落、ラガが点数をまとめて単独2位に進出する。藤波、ダビル、カサレスあたりの3位争いが終盤の大きな焦点になった。
藤波は第13セクションで5点。しかし第14を執念でクリーン。カサレスは最終を3点、ダビルは1点で、この時点で藤波の3位表彰台が確定した。
最終セクションにトライした藤波は、芝生上にぎっしり集まったお客さんの前で見事なクリーンを見せ、2日間連続の3位表彰台に大きな華を添えたのだった。
藤波の2日間表彰台は2016年以来。2017年は3位/5位、2018年は3位/9位だったから、この両日3位がいかに光るリザルトかがわかる。
さて藤波が3位を確定したあとは、ラガとボウが最終セクションをトライするだけだ。まずラガがトライ、ラガも最終セクションをクリーン。ラガの2ラップ目の減点は2点という素晴らしいものだった。そしてボウ。ボウは第14までオールクリーン。最終セクションがこの日のオールクリーンのかかったトライとなった。
最終セクションは、この日の中では難度が高目のもので、1点2点を失っても不思議ではない。しかしすでに勝利を確定的にしていたボウは、つめかけたお客さんにアピールをしながらトライ。見事な見事なクリーンを決めて、自身2回目の大会オールクリーンを達成したのだった。
ボウ、藤波のレプソルHondaチームの二人が2日間ともに表彰台に上がったのは、藤波が両日表彰台に上がった2016年以来のことだが、このときのボウは2位と1位で、両日勝利は果たしていない。ボウが両日勝利をして、かつ藤波が2日間とも表彰台に上ったのは、2009年以来のことだった。
女子GPでは、エマ・ブリストが2日間のパーフェクト勝利。ベルタ・アベランが2位を獲得し、ネウス・マルシアが3位。西村亜弥は土曜日同様に9位に入っている。
トライアル2は、GPクラスからT2に籍を移したアレキサンドレ・フェレールが勝利。ガブリエル・マルセリが2位で、土曜日に勝利したマテオ・グラタローラは3位となった。日本勢は氏川政哉の14位が最上位、柴田暁が15位でポイント獲得。両日を通してポイントを獲得したのも、この二人だけだった。
トライアル125は、土曜日同様キエラン・トゥーリが連勝して、イタリアGPから3連勝。2位はアーチャー・ロバリー、3位ポウ・マルチネス。宮澤陽斗9位、磯谷郁10位、12位に濱邊伶、13位藤堂慎也という順位となった。
表彰式の最後に、黒山健一の世界選手権200戦記念セレモニー、トライアル・デ・ナシオン代表決定の壮行会がおこなわれた。これについてはまたゆっくりと。