© トライアル自然山通信 All rights reserved.

氏川政哉、ホンダに乗る
氏川政哉が、2021年はホンダに乗ることになった。チームは小川友幸の所属チームである、TEAM MITANI Hondaとなる。
氏川は2002年12月17生まれ、18歳になったばかりだ。2018年に国際A級スーパーに昇格し、2020年は3年目のシーズンだった。2018年ルーキーイヤーはランキング6位、2019年ランキング6位、2020年ランキング5位が現在までの成績だ。
実は氏川は、2019年シーズン前に突発性難聴を発症し、トライアルライダーにとって重要なバランス感覚に支障をきたしている。2019年にはトップ3に切り込んでいかんとした氏川にとって、これは大ハンディとなった。症状の劇的な改善はなく、それでも氏川はその逆境を可能な限り自分のものとして、ともに戦ってきた。そして2020年には、3戦中2戦で4位入賞を果たし、ランキング5位を獲得したのだった。
IAS昇格4年目の2021年、氏川が加入するのはTEAM MITANI Honda。TEAM MITANI Hondaは、2019年から活動しているチームで、本田技研のレース活動計画に唯一名を連ねているチームだ。TEAM MITANIと小川友幸の関係は小川がホンダに乗った2002年から続いているが、チームはHRCクラブMITANIだった。HRCクラブはHRCがサポートして全日本選手権を戦うチームだが、いわばアマチュアのレース活動をサポートするシステムで、本田技研が直轄でサポートするチームではない。
2019年、小川がチャンピオンを獲得し続けていく中、チーム名も変わり、名実ともにホンダのオフィシャルチームとなったわけだ。今回氏川が加わるのは、このホンダ・オフィシャルチームである。
これまで氏川が活動していたのはGASGAS with MITANIで、チーム三谷という点では変わらないが、体制面、マシン面では大きな変化が生じてくる。マシンは、Honda RTL300Rということで、小川友幸と同じ。これまではTEAM MITANI Hondaといえば小川友幸だったが、これからのTEAM MITANI Hondaは、小川と氏川の二人を擁するチーム、ということになる。氏川が具体的にどんな色の、どんなマシンになるのかは、もうちょっと先のお楽しみになりそうだ。
ちなみに氏川は、藤波貴久の甥(藤波の姉の次男)。アシスタントを務める氏川湧雅の実弟。この兄弟は、ともにバイクトライアル(自転車)の世界チャンピオンで、その後も国際B級をはじめ、数々のタイトルを獲得してきている。
氏川政哉のこれまでのチャンピオン履歴
2014年 UCIベンジャミンクラス 世界チャンピオン
2015年 国内B級 中部選手権チャンピオン
2015年 トライアルグランドチャンピオン
2016年 国際B級:シリーズチャンピオン
2017年 国際A級:シリーズチャンピオン
2018年 国際A級スーパー:ランキング6位
2019年 国際A級スーパー:ランキング6位
2020年 国際A級スーパー:ランキング5位
3年目のIAS参戦でランキング5位まで駒を進めた氏川。マシンを変えて、今度こそ一気にベテラン勢ばかりのトップ3に切り込んでいくことができるか。2021年、たいへんな注目株となった氏川だ。