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全日本開幕戦は、延期に
2021年全日本選手権シリーズ、その開幕戦は3月21日に、愛知県岡崎市キョウセイドライバーランドでの開催予定だったが、延期が発表された。
2021年の全日本選手権スケジュールは、これまでと大きく変わって、中部大会が開幕となった。季節的にもよい選択と思われたが、コロナ禍おさまらぬ今、1月のこの時期に、早くも延期が決定となった。
この延期決定について、MFJでは次のように説明している。ちなみに、2021年から全日本選手権の主催はMFJの地方支部ではなく、MFJ本部によるものになっている(MFJ地方支部は、2021年度からは存在がなくなる)。
1.新型コロナの再拡大
2.選手、チーム、運営スタッフ、関係者、観客の安全のため
3.現在の医療体制ではケガなどをした場合に負荷をかけてしまう
4.全国からの移動によって感染を広げる可能性がある
5.中部大会は2年連続中止となっているため、できるだけ有観客での開催をしたい
6.1月に決断したのは、早めに判断して延期日を行政・トライアル部会と調整するため
7.セクション作りは最低1~2ヶ月前から始めるため、作業スタッフへの負担を考慮
1〜4については解説の必要がないと思われる。トライアル会場の現場には、それほど大きなリスクは存在しないとも考えられるが、世間の感情的には、この延期はいたしかたなし、になると思われる。
5については、この3年間の中部大会の、残念な歴史がある。2019年大会は台風の直撃の恐れで中止、2020年はコロナ禍で無観客試合となる決定がされたうえに、最終的には台風の直撃の恐れで中止。満を持しての開幕戦としての開催をもくろんだ2021年だった。中部大会は、全日本選手権シリーズの中では、群を抜いて観客サービスのよい大会として知られている。そんな中部大会が無観客試合というのも残念だし、さらに2年続けて開催されないというのは、中部の関係者のみならず、トライアル全体としても大きな痛手だった。今年こそ、少しでも完全に近い形で開催したいと願うのは、だれしもに共通の認識だろう。そのための判断が、今回の延期という決断につながっている。
3月の開催だから、もう少し決断を先延ばしにしても、という気もしないでもないが、決断を先送りにしてその後の対応がどたばたになるより、早めに延期を決定してその調整に全力を傾けたいという動きはたいへんに理解できる。やるかやらないかを悩むんでいるのは、意外にパワーを消費するものだから、早く結論を出せるなら、そのパワーを別のところに使ったほうがいい。
そしてこれも重要な点。3月の開催ということは、2月、あるいはすでに今のうちから、準備を始める必要がある。セクションづくりなどの外仕事はもうちょっと先かもしれないが、寒いこの時期、打ち合わせなどは屋内でやることになるだろうし、感染を危惧してスタッフの出席率が落ちるだろうリスクはある。
お客さんにもちゃんと楽しんでもらう、完全に近い中部大会という意味では、消極的理由でなく、積極的理由で延期が選択されたという見方もできる。3月の中部大会は、今までにない季節設定だけに、その空気感覚も楽しみだったのだが、さて、延期中部大会はいつになるのだろう。延期は残念だが、新たに日程設定される中部大会も、同じく楽しみな存在だ。
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