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世界選手権日本GPが中止に
世界的コロナ禍は、2021年になってもなかなかおさまらない。2020年に続いて、2021年の日本GPも中止が決まった。
新型コロナと呼ばれているけど、次々に新型が出てくるウイルスに「新型」なんて名前を付けて大丈夫かと思うけど、そういうことは関係ない。ちなみに新型コロナ以外の呼び方をすると、病名でいえばCOVID-19、ウイルス名でいうとSARS-CoV-2というんだそうだ。
COVID-19の19は、2019年の意ということで、2019年からこの世に存在したということらしい。2020年に感染拡大が本格化し、2021年の今になってもいまだおさまらず、というところだ。
ツインリンクもてぎでは、今年も冬の間から、5月の世界選手権開催に向けて、セクションづくりなどが行われていた。いつものとおり、成田匠がアウトラインを決めて、セクションづくりに長けた業者さんたちが岩を動かしたり積んだりしていた。毎年のことだが、去年はきっちり完成させた末に中止になった。今年、ツインリンクに開催の確信があったとは思えないけど、開催の可能性がある以上、準備をしないわけにはいかない。おそらく今の時点では、おおかたの設営は完了したのではないかと思われるが、そのタイミングでの中止発表になった。
2020年の日本GPは、例年と異なり、開催クラスがGPとT2の2クラスのみとなっていた。海外との移動はどこの国も規制をしていて、往来はなかなかむずかしいが、中でもプロ意識の高いライダーばかりのこの2クラスなら、開催の可能性は高まるとしたものだろう。
大坂なおみが優勝したテニスの全豪オープンでは、来豪した選手が2週間ホテルで隔離生活を送らされたり、観客席が厳密にゾーニングされ、万が一感染者が出た場合の追跡を容易かつ確実にするなどの方法がとられていたが、今しばらくは、イベントの運営にはこういった対策が必要なのだろう。もっとも、トライアルの観客席をゾーニングして、あなたは5セクションだけ、あなたは10セクションだけ、なんてわけにもいかないから、この件はそのまままねできそうにない。
ともあれ、世界選手権日本GPは中止となった。開催については、もてぎ側、日本側の懸念もあるのだろうが、ほとんどの参加選手がヨーロッパ在住ということで、日本への渡航の困難さが開催見送りの大きな理由と思われる。
ワクチンが出回り始めたから、あるいは秋口への開催延期という解決策もあったのだろうが、秋口にはXトライアルが延期開催の日程を組んでいるし、ヨーロッパの他の大会も、今発表になっている日程通りに開催できる保証はない。そんなこんなで、延期開催も困難で中止やむなし。2年連続開催中止はなんとも残念。トライアルファン、関係者はもちろん、なにより開催に向けて尽力してきたもてぎ関係者のみなさんの無念ははかりしれない。
まずは、2021世界選手権シリーズが、可能な限り当初の予定通りで開催されることを祈る。