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世界選手権開幕

いよいよ明日、世界選手権が開幕する。金曜日のパドックでは、モンテッサ・ホンダが投入した久々の新型ファクトリーマシンが注目だった。
ニューエンジンを積んだモンテッサのファクトリーマシンはツインプラグが装着されて、いかにもパワーアップされているのではないかという迫力。
ただしよく見ればクラッチの取り回しも変わっていて、シリンダーの配置が左右逆さまになっている。今回のエンジンはパワー特性とクラッチまわりの改変がなされている。

排気量は公表されていないが、車検時に申告された数字は313cc。以前は290ccとされていたから、若干排気量アップが図られたことになる。
ニューエンジンについて藤波は「以前のものより、走っていく印象。以前のエンジンもセッティングで走っていく傾向に仕上げていたが、今はインジェクションの設定で逆に走っていく傾向を抑えているほど」と語っている。
藤波は、ボウが参入した頃、エンジンの仕様で悩んでいたことがある。藤波のエンジンはどちらかというと走りたがらない傾向で(これはパワーがあるとかないという話ではないのだけれど、うまく伝わるかどうかは微妙。第一、藤波の話をちゃんと理解しているかどうかも微妙だ)、これが全開野郎フジガスのライディングとマッチしていた。しかしボウのチーム入り以降、そうでない仕様の方が結果が出るのでは、ということになって、それからは徐々に走っていくエンジンにセッティングを替えてきたといういきさつがある。
それが今回のエンジンは、セッティングではないところで味つけが変わっているというのだから、よっぽどの変貌にちがいない。チャンピオンをとっているのだからマシンの性能は充分にあるのだろうが、チャンピオン獲得のご褒美で、よりよいマシンを、という考え方もあるようで、トライアルマシンの開発には逆境が多い昨今似あって、今回はなかなか明るい話題を提供してくれたモンテッサ・ホンダ陣営である。

エンジンの外観は、よく見るとプラグが2本あるのだが、逆側にあるふたつのイグニッションコイルの方が一目でわかる。クラッチまわりのちがいは、よーく見てちがいに気がついてください。
左右とも、クランクケース幅はますます小さくなったように見える。ただしこれでも、クランクケース本体は従来のままという。クラッチ関係の配置は少し変わっているが、基本的なレイアウトは変わっておらず、腰上(クランクから上の部分)とクラッチが今回の変更点、ということだ。

これはおまけ。今回藤波がはく本番用のブーツ。横にでっかく名前が入ってるが、かかとの部分に小さくチームメイトの名前が入っている。
ほんとうならボウも同じように藤波の名前がかかとに入ったブーツを履くはずだったのだが、できてきたボウ用のブーツのサイズが合わず(それも、左右どちらかかたっ歩のサイズが合わなかったらしい)今回名前入りのブーツの登場は見送りとなった。

こちらはダニ・ペドロサのRC213V。土曜日、日曜日はHRCのブースの「またがってみましょう」コーナーに登場するのだが、ライダーのみなさんも興味津々。トニー・ボウ、アルベルト・カベスタニー、ポル・タレスほか、カベスタニーの父ちゃんとかカベスタニーのマインダーのガリャックとかがこのマシンについてなんだかんだと言ってます。
またがってみようコーナーでは、トニー・ボウのCOTA 4RTもあるので、こっちも忘れずにまたがってくださいね(またがらせてもらえるのは、残念ながらシングルプラグですが、ばりばりのワークスマシンです)。

さらにおまけはヤマハのパドックの職人技。ステアケースを失敗して前回りしているシーンではありません。フロントフォークを作動させてセンターが出てフォークの動作がスムーズな状態を出してアクスルを締めているOメカニックです。すばらしいー!
ではみなさん、明日、ごいしょっに楽しみましょう。