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黒山健一、全日本五連覇
全日本トライアル選手権第7戦中部大会
10月10日(日)/坂内バイクランド
タイトルを決定した
全日本選手権も終盤戦。世界選手権はすでに終幕し、デ・ナシオンも終わった。ヨーロッパでの世界的行事はほぼ終了しているが、全日本は今回を含めて残り2戦。
今回の注目は、全日本に今年初出場となる野崎史高。序盤の負傷があったものの、最終的にはランキング12位を得た野崎は、世界戦のスケジュールを終了し、全日本2戦に出場する(世界チャンピオン藤波貴久は、世界戦のスケジュールは終わっているが、来シーズン用のニューマシンのテストなどヨーロッパでの仕事が多いうえ、スペインをベースとする藤波のマシンは日本には1台もなく、全日本で勝利する体制が整わないということで、今シーズンの全日本は不参加となっている)。もうひとつの注目は、黒山健一のタイトルの行方だ。第7戦が終了した時点で、ランキング2位の小川とのポイント差は25点。小川が今大会で黒山とのポイント差を5点以上縮められなければ、黒山のタイトルが決定する。
台風が日本を襲い、同じ日に開催された鈴鹿のF1は土曜日の予選が中止になる異常事態。しかしトライアルは、どこ吹く風でスケジュール通りに日程が進行する。坂内の会場はパドックが河川敷であり、トライアルのセクションは天候の影響を受けやすいので、台風との戦いは関係者には大きな試練だったが、トライアルのたくましさの一環ともいえる。
良好な天候に恵まれた日曜日、小川は今シーズン一番のパフォーマンスを発揮した。1ラップめの第8での5点は痛かったが、今回はこれで崩れることなく、後半の難セクションもスムーズに消化した。さらに2ラップめには、難セクション群の11〜15をたった1点で通過した。2ラップめの減点は3点。この日のベストスコアだ。
しかし黒山も、今シーズン最も好調なトライを続けていた。2ラップめの終盤は減点を増やすも、黒山の場合は1ラップめにベストスコアの3点をたたき出している。本人も「全日本ではかつてないほどの好調。世界選手権のペースで走れた」と自己評価している。
好不調の波はあれど、黒山が調子を落としたときには小川も調子を落とし、小川が調子がいいときには黒山も調子がいいという巡り合わせで、結局黒山は今シーズン6勝をあげた。小川とのポイント差は3点増えて28点。これで黒山は、最終戦に無得点(今のIASの状況では、完走すればポイントがつく)でもチャンピオンということになった。
野崎は1ラップめに小川をしのぐ好減点をたたき出したが、小川の2ラップめの追い上げに2位を譲ることになった。しかし世界のトップランカーとしての存在感はたっぷりだ。
渋谷勲は、田中太一に1点差で4位を得たが、初勝利目前といわれ続けているここ数戦の勢いは見られず、田中も第2戦での勝利以降、勢いを落としている感があるのは残念だ。
国際A級は白神孝之が今シーズン2勝目。シーズン3勝をあげている田中善弘にランキングポイントで8点差をつけた。白神は、最終戦で4位以内に入れば、チャンピオン決定となる。
国際B級は表彰台の常連でありながら勝利のなかった本田洋晴が待望の初勝利。川村義仁は今シーズン2敗目を喫したが、今回3位の野本佳章にランキングポイントで20点差を付け、こちらも最終戦を前にタイトルを決定した。
トライアル全日本選手権第7戦中部大会結果(10月10日)
1位 黒山健一 11点
2位 小川友幸 18点
3位 野崎史高 22点
4位 渋谷 勲 34点
5位 田中太一 42点
6位 小川毅士 56点
○全日本選手権シリーズポイントランキング
1-黒山 健一 137/2-小川 友幸 109/3-渋谷 勲 103/4-田中 太一 102/5 小川 毅士 70-/6- 成田 匠 68/7- 井内 将太郎 67/8- 佃 大輔 54/9- 三谷 英明 30/10- 野崎史高 15