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ヤマハ4ストローク250公開近し
6月26日、世界選手権フランス大会で、スコルパSY250F(仮称)がデビューすることになった。
かねてよりうわさはあったものの、実体は姿を見せず、現状、このマシンを見た人は日本にはほとんどいないはず(野崎史高は、あるいはテストに参加しているかも知れない)。
これまでの情報を総合してのSY250Fのアウトラインはこんな感じ。
まず、エンジンはYZ250F、DOHCエンジン。ホンダはモトクロスマシンのCRF250Rのエンジンをベースとしながら、RTLに仕立て上げたときにクランクケース形状を含めてほぼ全面的な見直しを施したが、YZエンジンはこれに比べるとほぼそのまま使われているという。DOHCのシリンダヘッドは、トライアルマシンとしては大きいはずだが、YZのエンジンはとにかく軽量とのことで、重量的にはRTLエンジンよりも軽いのではないかと思われる。当然、カムなどの性能パーツについてはトライアル用のものが開発されたはずだが、クランクウェブなどはモトクロス用のものをそのまま使っている様子。ただし、YZエンジンには電装関係の内側にセル始動用のギヤが設けられていて、この部分にウェイトを積むことで、トライアルに必要なフライホイールマスを稼ぐ構造をとるらしい。
吸気はキャブレター。ボアストロークには変更はないはずだが、圧縮比やミッションレシオなどがどう変更を受けているのかは現時点では不明だ。
このエンジンを積むべきフレームは、やはり従来SY型ではおさまらない。メインフレームはスチール製のツインチューブということだ。おそらく大きなヘッドをおさめるためのフレームワークがされているはずだが、取り回しは不明。「SYと印象が変わらない」という情報もあれば「とてもよく作られているフレーム」という情報もある。材質はスチールとアルミのコンビネーションとのことだから、従来SYのようにリヤフレームがアルミ製なのか、あるいはメイン骨格の一部にもアルミ素材が使われるのかもしれない。
少しでも早くニューマシンを見たいという成田匠は、フランスGPに自費で観戦に行くことを決めた。「持って帰っていいというなら、かかえてでも持って帰りたい」とのことだから、日本でお披露目されるのも、そう遠くないことではなさそうだ。
フランスGPでは、実戦参加はなく、当日デモ走行のあるなしなども、現在のところは不明である。
なお、この記事のタイトルでは「ヤマハ4ストローク」と書きましたが、もちろん「ヤマハ4ストロークエンジンを使ったスコルパ」が正解です。念のため。