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APEトライアル50/100デビュー?

APE三姉妹

手前、黄色いのが50、黒が今年型100
奥は去年型100

 昨年のイーハトーブ、ネリクラスに、APEトライアル100がデビューした。これはこれでとても好感触だったが、今回は弟分たるAPEトライアル50がデビュー、あわせて先代の100と、50と同じ仕様を持った100も登場して、赤、黒、黄色、3台のAPEトライアルがイーハトーブの森をかけた。
 市販に直結しているプロジェクトではないが、夢の広がるモーターサイクルとして、今後とも注目していきたい1台だが、順調に増殖しているところが、うれしい。


 このAPEトライアルは、12インチホイールを持ち、直立型4ストローク単気筒エンジンを持つかわいいマシン。昔々の言い方だと、ミニバイクということになる。50と100があって、クラッチと燃料タンクのついたモーターサイクルが人気薄の昨今にあっては、比較的人気の高い1台といえる。

アップ

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 このAPEをベースに、フロント19インチ、リヤ17インチのトライアルマシンっぽいスタイルに仕上げたもの。APEのシャーシ構造は、基本的にはCRF100(かつてXR100といった)と同様だから、このサイズへの仕様変更は、そんなにむずかしいものではない。
 製作したのは本田技研朝霞研究所にお勤めで、長年トライアルマシンのデザインを担当している丸山隆さん。名車TLR200RもRTLシリーズも、ホンダの歴代トライアルマシンはほとんどすべてが丸山さんの手になっている。誰にでも親しめるトライアルマシンを作りたいというコンセプトのもと、最初のAPE100は、なかなかにパワフルで、それなりにトライアルが楽しいマシンに仕上がっていた。19インチ/17インチというタイヤサイズは、トライアルタイヤの選択肢はないが、台湾製のトライアル風タイヤを装着し、トライアルマシンとしての形を作っている。台湾製チェンシンは、もちろんミシュランラジアルとは比較にならない庶民的性能しか発揮しないが、それでも充分にトライアルできる性能を発揮したのは意外な発見だった。

記念写真

3台のAPEを走らせたみなさん。左端が丸山さん
真ん中が水田さん、右が山本さん

 今回デビューしたのは、非力は覚悟の上の50cc。50ccトライアルマシンといえば、本格的シャーシに2ストロークエンジンを搭載したTLM50が名高く、これでトライアルを楽しむ人も多い。でも実は、本格的にトライアルを楽しもうとすると大きな排気量に改造するしかないのが現実。さらに4ストロークエンジンときては、トライアルを楽しむ性能をキープするのは絶望的と思われるが、入門用モーターサイクルとして、50ccは必要不可欠という思いの現れだったのだろう。今回のAPEトライアル50の登場となった。実は製作者の丸山さんも、この50ccがはたしてどれほどトライアルマシンとしての性能を持っているのか、大きな不安があったという。
 この50と、今回新たに作られたAPEトライアル100の2号機は、1号機に比べて、より市販車っぽい作りに成長していた。ヘルメットホルダーもついているし、この状態で、各種規制をクリアしているという。しかも、このマシンのために作られたパーツはシートだけで、ほかの部品はすべて現行(もしくは少し以前の)ラインナップのマシンから手に入るもの。仕上がりがあんまりにも市販車然としているし、あしたにでも新発売されそうな雰囲気でもある。

丸山さんの走り

APE50と丸山さんの雄姿

 さて、新しい仲間の50は、しかしどうして、つくった本人の丸山さんもびっくりの走りっぷりを披露して、ネリのセクションとコースを走り抜いた。ネリとブドリに参加していた人はご存知だろうけど、1ヶ所、コース上につるつるの登りがあって、渋滞の末にみんなで引っ張り合ってのぼっていった。ここをAPEトライアル50は、がしがしと登り切っていったのだった(もちろん楽勝ではなく、人車ともにぎりぎりの踏破だった模様だが)。今回のネリは、コースもセクションも例年よりも厳しかったから、いつものコースとセクションだったら、きっとこの50ccはるんるん気分で走り切ってしまうにちがいない。
 APEトライアルの性能そのものについては、その1号機に乗せてもらって報告したのと同様。シャーシまわりの寸法はトライアル仕様ではないので、ぎりぎりのタイトターンをしようとすると、マシンが倒れ込んでくるなどの不具合もないではない。でもこれは、日本にトライアルを画期的に広めたホンダの名車、TL125バイアルスと同じ仕様である。性能の高いマシンはライダーに幸せを呼ぶが、性能が完璧でなくても、仲間を増やすマシンは存在できるのだ。
 ネリのスタート現場で「トライアルをするかどうかはともかく、ふつうに走るのに1台ほしいな」という参加者の声は、丸山さんにはなによりうれしかったにちがいない。願わくば、そんな声がホンダのえらい人のところまで届いてほしいものである。

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