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ベータ4T世界戦デビュー
ベータモーター(イタリア)とスペインのベータ代理店トルーバーは、2007年の世界選手権に4ストロークマシンを走らせるとの発表をした。ライダーはジョルディ・パスケット。パスケットの起用は、マシン開発面などの能力を評価されてのものだと思われる。
いよいよ、世界選手権トライアルも、4ストローク化の波が一気に押し寄せてきたかのようだ。
ベータがオフィシャルライダーとして契約したパスケットは27歳で1998年のヨーロッパチャンピオン。世界のトップを狙うライダーとしては賞味期限をすぎてしまった感もあるが、トラックの運転手からスクールの先生まで、なにからなにまでこなすライダーとして(ついでに、実は手も早い)その能力は現役ライダーの中でもずば抜けたものを持っている。そしてライダーとしても、意外な走破力を見せることがしばしば。マインダーを連れず、そのへんにいる別のライダーのマインダーにお願いして、そのマインダーのご主人様より好成績を挙げることだってあった。
今年、ベータにはジェローニ・ファハルドとタデウス・ブラズシアクがチーム入りをし、さらにマルク・フレイシャもいたわけなのだが、04年ランキング3位のフレイシャを放出してパスケットを走らせるベータの選択に、パスケットが高い評価を受けていることがわかる。
今後のマシン開発は、ドナト・ミリオに指揮のもと、パスケットが実戦を走らせながら進むことになる。今はまだ、どの程度のポテンシャルを持っているか皆目不明の4ストロークマシンだが、もう間もなくすると、そのパフォーマンスが世界中にお披露目されることになる。パスケットは、スペイン選手権と世界選手権の大半に出場の予定だ。
ミラノショーでのデビューから2ヶ月、意外に早い実戦デビューは、イタリア人のてきぱきとした仕事の現れといったところだろうか(もちろん、イタリア人にはもう一面の、てきぱきとしていない面だってあるけど)。
パスケットは「ベータとのコンビネーションによる4ストロークマシンの開発は、とてもやりがいのある仕事で、わくわくしている。これでスペイン選手権と世界選手権に出場するのが、今から楽しみだ」と語っている。