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エマ・ブリスト女王街道ばく進中
トライアル女子部門の世界チャンピオン、エマ・ブリスト(イギリス・シェルコ)が、エンデューロのインドア版であるスーパーエンデューロに出場、全4戦中3戦で勝利して、2年連続のチャンピオンに輝いた。
ライア・サンツの牙城は揺るぎないと思われていたが、この勢いでブリストが1年にふたつずつ(2015年のトライアルはまだこれからだが)タイトルを獲得していったら、タイトル数ではサンツに並ぶ日も来るのかもしれない。もちろんブリストの野望への挑戦はまだ始まったばかりだ。
2015年の女子スーパーエンデューロ世界選手権は全4戦。1月3日のドイツで2戦、2月1日のフィンランドで2戦というスケジュールだ。ドイツで2勝して2連覇に向けて幸先のよかったブリストは、敵なしの状況でフィンランドに乗り込んだのたが、やはりチャンピオン2連覇へのプレッシャーは大きかった。
まず第1レースでゴメスの力走に苦戦しながら勝利したエマは、開幕3連勝を飾り、まずタイトルを手中にしたかに見えた。ここまで2位は3戦ともにサンドラ・ゴメス(スペイン・ハスクバーナ)で、3位はドイツで2連続3位、フィンランドのレース1で4位となったジェーン・ダニエーレ(イギリス・ハスクバーナ)。エマ60点に対してゴメス51点、ダニエーレ43点と、安定リードは築いていた。しかし最後のレースでエマがポイントを失いでもしたら、まだゴメスにもチャンスがあるという状況だった。
最後のレース、ゴメスは好調だった。実はゴメスはドイツ大会のあと踵を負傷していて、ライディングトレーニングができていない状況だった。それなのにトップを快走していく。実はブリストがスタート直後の第1コーナーでゴメスと接触、転倒していたからなのだが、追い上げるブリストから必死で逃げるゴメスには、トップライダーとしての貫録も漂っていた。
それでも、スピードはブリストが勝っている。その差がぐんぐん縮まり、あと1周あれば逆転かと思われたところで、またもブリストがミス。これでその差が決定的となり、ゴメスの初優勝が決まった。
1位と2位、ブリストとゴメスは、ともにトライアルライダーである。ふたりはそれぞれの得意パターンを活かしてライバルに挑んでいたが、中には走るもままならないというライダーもいる。スーパーエンデューロのコースはちょっとしたトライアルセクションの連続だから、トライアル経験のないライダーが勝負に参加するのは至難に近いようだ。
2連覇を飾ったブリストは「連覇へ向けてのプレッシャーはあった。レースではそれが出てしまったようだ。でも今シーズンは昨シーズンよりはるかにトレーニングを積んできたし、それがうまくいくように望んでいた。でも今日のレース2みたいに、レースはなにがあるかわからない。追い上げているときには、時間はあっという間に過ぎてしまう。でもタイトルを獲得できて、今はとっても幸せ」と喜びを語った。
ランキング2位を獲得したゴメスは、兄のアルフレッド・ゴメスもジュニアクラスチャンピオンを獲得したトライアルライダーで、スーパーエンデューロライダーだ。ゴメスはまだまだこれから花開くライダーだから、これからが楽しみだ。
さて、彼女たちの次なるターゲットは、トライアルの世界タイトルになる。
Rank | Rider | Country | Total | 02 DEU | 02 DEU | 03 FIN | 03 FIN |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | Emma BRISTOW | GBR | 77 | 20 | 20 | 20 | 17 |
2 | Sandra GOMEZ | ESP | 71 | 17 | 17 | 17 | 20 |
3 | Jane DANIELS | GBR | 56 | 15 | 15 | 13 | 13 |
4 | Sanna KÄRKKÄINEN | FIN | 50 | 10 | 10 | 15 | 15 |
5 | Maria FRANKE | GER | 26 | 13 | 13 | ||
6 | Lexi PECHOUT | CAN | 22 | 11 | 11 |