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モンテッサデュオ、復調のイギリス

1308イギリスの表彰台(土曜日)

 7月27日、28日、イギリスのカーライルで世界選手権イギリス大会が開催された。土曜日、日曜日ともにトニー・ボウが優勝。藤波貴久が、土曜日に2位に入り、アダム・ラガが3位。日曜日はラガが2位、ジェロニ・ファハルドが3位となった。藤波は4位だった。
 世界選手権はこの後8月31日〜9月1日に最終戦がフランスで開催され、今シーズンのすべての決着がつくことになる。

1308イギリスの藤波

■土曜日
 世界選手権は、今シーズンは8戦組まれているが、今回はその7戦目。土曜日・日曜日の2日制で開催されたのは日本大会とアメリカ大会、アンドラ大会、そして今回のイギリス大会と、最終戦のフランス大会の5戦。日曜日1日のみの大会が、スペイン、イタリア、チェコとなっている。土曜日、日曜日をそれぞれ1戦として数えると(ポイントは1日制でも2日制でも同じく与えられるから、それぞれを1戦と数えたほうがわかりやすい)、今回は第10戦と第11戦ということになる。
 前回チェコでラガが優勝し、ボウとラガは4勝ずつでタイ。ただし第2戦日本大会でボウが3位、ラガが4位となっていて、この点差がそのままふたりの点差になっていた。ここまで、ラガが優勝すればボウは2位だし、ボウが優勝すればラガは2位。ふたりとも勝たなかったのは藤波が勝った日本大会だけだったが、これもボウとラガの順位は隣り合わせだった。二人の接戦はずっと続いていたのだが、それが今回、藤波が2位に入ったことで均衡が破られた。ボウにすれば、藤波が2位に入ったおかげでポイント差は一気に5点リードすることになり、残りの戦いががぜん優位になった。その精神的優位が結果にも出たか、今回の2連勝でようやく勝ち星でもラガの4に対して6とリードをとることになったのだった。
 土曜日は、雨予想で作られたところに天気がもってしまったために、いささかやさしめのセクションとなっていた。ただし人工的に作られたセクションは、ちょっとしたミスで5点になれるものばかり。うまくいけばオールクリーンができる設定だから、ライダーの緊張感は並々ならぬものとなった。
 序盤から好調だったのはボウだった。1ラップ目は3点がひとつだけ、2ラップ目は1点がひとつだけ、2ラップ合わせて4点は、ぶっちぎりのトップだった。2ラップ目までの2位は、藤波の20点だった。ラガとカベスタニーが24点で続いているが、誰が勝利をつかむかについては、この時点で疑う余地はほとんどなかった。問題は、誰が2位になるかだった。
 しかし3ラップ目、ボウが2セクションで5点、8セクションで5点と、一気に減点してしまった。まだまだ点差は余裕だが、クリーン勝負の今回、ボウにも少し危機感が見える。対して藤波は、会長にクリーンの山を築いていく。仮に藤波が3ラップ目をオールクリーンして、ボウがもうひとつの5点とひとつふたつの小さなミスをしたら、優勝争いもひっくり返る。追われる身として、トップにいながらもなかなかたいへんだ。

1308イギリスのボウ

 結果、ボウの減点は5点ふたつだけで、対して藤波は第2セクションで1点を取ってしまっていたから、優勝戦線に異状が出ることはなかった。しかし藤波とボウの点差は7点、2位藤波と3位ラガの点差は24点だったから、藤波の3ラップ目の追い上げ劇がいかに見事だったかということだ。
 藤波のランキング3位争いのライバルであるアルベルト・カベスタニーは5位。これで藤波はランキング3位を取り戻したばかりか、そのリードを5点とすることができた。
 終盤戦に入って、チャンピオン争いにとってもランキング3位争いにとっても、今回の結果は大きな意味があるものとなった。

1308UK_result1.jpg

全ライダーのリザルトPDFがリンクされています
1308UK_result1t.jpg

■日曜日
 明けて日曜日は、朝から雨模様となった。雨が降ればセクションは少し難易度を低めて設定しなおされるところだが、土曜日の難易度が低かったため、日曜日もほぼそのまま、場所によっては難易度を高める変更がされたという。
 さすがに雨が降ると、減点は多くなる。ボウも第2セクションで早くも5点となった。それでも1ラップ目のボウの減点は11点。2位がカベスタニーの21点だから、前日同様ぶっちぎりにはちがいない。

1308イギリスの藤波

 前の日に藤波に間にはいられて、ボウ追撃に黄色信号が灯っているラガは、ここで勝利すれば被害を最小限にとどめられるし、せめて2位にはいっていなければいけない。1ラップ目のラガは、ファハルドと同点で3位タイ。藤波は27点で5位につけた。1ラップ目の10セクションから2ラップ目の第2セクションまで5セクション連続で5点というのが痛い。
 2ラップ目。雨は降ったり止んだりだが、雨によってグリップが極端に悪くなるというコンディションではなかったので、コンディションには大きな変化はなかった。減点数にも大きな変化がない。神経戦なのは、先日同様となった。
 ボウの2ラップ目は14点。2ラップを終えた時点で25点。ライバルにほぼダブルスコアの差をつけている。2ラップ目に少し調子を上げたのがファハルドで、ボウに18点差ながら2位に浮上。ラガが3位、藤波は5位で、このままではせっかく引き離したカベスタニーとの点差を縮められてしまうばかりか、ファハルドにもランキング争いを逆転される恐れがある。
 そして3ラップ目。ボウにアクシデントが発生。第8セクションで失敗したときに、脇腹のあたりを強打。相手はマシンの一部だったかもしれないし、岩だったかもしれない。肌を切ってしまったようで出血が多い。
 この時点で、残り4セクションをすべて5点としても、ボウの勝利は確定していた。なので申告エスケープで優勝するという選択肢もあったのだが、ボウは応急処置を施して試合を続けた。そしてトップライダーの多くが抜けられなかった最終セクションを1点で抜けて、ぶっちぎりの勝利を得てしまった。負傷自体は簡単な縫合処置を受けて、事無きを得ているという。
 ボウに続いて好調だったのは藤波だった。1ラップ2ラップの27点から、一気に減点を15点に縮めてきた。これで最終セクションをクリーンしていれば(1点でもよかった)2位にはいっていたところだったのだが、残念。4位で試合を終えている。

1308イギリスのラガ

 ラガは3ラップ目に巻き返して、きっちり2位の座を獲得した。しかしボウに2連勝を許したことで、チャンピオン争いでは10点差と、かなり厳しい状況になってしまった。残り2戦で、10点差をひっくりかえすには、ボウが3位や4位にならなければいけない計算になる。
 3位はファハルドが入った。ファハルドはこれで藤波に肉薄して、ランキング3位の希望も出てきた。しかしいまだ、ランキング3位争いは藤波がリードしていて、7点差でカベスタニー、8点差でファハルドという並びになっている。
 最終戦は8月31日と9月1日、フランスのイソラ2000というスキー場で開催される。これも土曜・日曜の2日制だ。

1308UK_result2.jpg

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