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グビアンがジュニアチャンピオン

日本でのグビアン

 世界選手権は残り1戦を残して、ポルトガル大会までが終了した。ここまでの試合数(日本大会とアメリカ大会は2日制だった)は11。有効得点制をとっているジュニアカップとユースカップでは、それぞれ2008年のチャンピオンが決定している。今年のチャンピオンは、ジュニアがロリス・グビアン(フランス・シェルコ)、ユースがジャック・チャロナー(イギリス・ベータ)となった。


 ロリス・グビアンは、息の長い選手で、TY-S125Fのデビュー当時に、このマシンでフランス選手権に参加、優勝したことがある。その頃からうまさでは注目されていたが、常に地味な存在でタイトルには縁がなかった。
 世界へのデビューは2005年で、そのときにはシェルコ125を駆って、ユースカップに出場。このシーズンはダニエル・オリベラス(スペイン・ガスガス/現在はシェルコ)に破れてランキング2位。翌2006年、再度ユースカップでタイトルを狙うが、アレックス・ウイグに破れて再びランキング2位。このときはウイグが日本大会を欠席しながらチャンピオンとなった。有効得点制ゆえにこういうことが起こりえる。2007年はジュニアカップにステップアップするが(このクラス選択は、年齢条件で問答無用)負傷もあって後半を欠席、2位2回を得ただけでランキング6位にとどまった。
 今シーズンも、序盤は5位4位と低迷し、流れは変わらないかに見えたが、アメリカ大会で突然威力を発揮して両日を制覇。続く日本でも土曜日に勝利し、さらにフランス、イタリア、スウェーデン、ポルトガルと制覇して最後は完璧にウイグを振り切って勝利をおさめた。

日本の表彰式でのグビアン

 有効得点制とは、たとえば今年の世界選手権は全10戦で12試合が組まれている。藤波貴久らの戦う世界選手権は、この12試合がすべてランキングポイントに計上されるが、ジュニアとユースでは、各選手のよい成績から10戦分がカウントされる。この仕組みが、有効得点制だ。ポルトガル大会は11戦めの試合となるから、11戦すべてに参加したライダーのポイントは、すべてを足し算するのではなく、上位10戦を加算することになる。
 具体的には、11戦すべてのポイント合計から一番下位のポイントを引き算することになる。グビアンの最下位は開幕戦の5位で、このポイントが11点。するとグビアンのトータルポイントは183点となる。一方ライバルのウイグは、チェコ大会で6位となっているから10点を引き算して165点。その差は18点。
 18点差なら、ウイグが優勝してグビアンが無得点ならタイトルはウイグのものとなりそうなものだが、有効得点制ではそうはいかない。グビアンが無得点なら183点はそのままだが、ウイグが優勝した場合は、20点をそのまま加算できるわけではなく、二番めに下位だったポイントを減算しなければいけない。ウイグがチェコの次に悪かった成績はアメリカ大会の5位で11ポイント。つまりウイグは優勝しても、9点しか加算できないわけだ。というわけで、18点差は挽回不可能ということで、グビアンの2008年ジュニアチャンピオンが決定だ。
 ウイグは、昨年は年齢的な問題で125ccでジュニアカップに参加していたが(年齢的にはユースクラスに参戦できるのだが、チャンピオンとなったのでジュニアにステップアップしていた)マイケル・ブラウンに破れてランキング2位。今、ユースやジュニアでは、よいライバルに恵まれて、若手がよい戦いをしている。グビアンが4年めにして大きな栄冠を勝ち得たのも、そんな環境から生まれたものだ。

日本でのチャロナー

 一方ユースカップは、ポルトガル大会の前戦スウェーデンで、ジャック・チャロナーのタイトルが決まっている。チャロナーはベータに乗るイギリス人。イギリス人はドギー・ランプキンの影響があるのか、ベータが好きだ。イギリスのベータインポーター、ジョン・ランプキン(ドギーのいとこ)の功績も大きいと思われる。イギリスは、日本ほどではないが、島国だから世界選手権参戦は敷居が高い。そのため最近では、イタリアチームに籍を置いて世界を戦う図式が増えてきた。ちょうど、小川毅士がやったような参戦形態だ。
 ジェイムス・ダビル(2005年)、マイケル・ブラウン(2007年)と、歴代のジュニアカップ勝利者は、イタリアのベータチーム、トップトライアルチームに籍を置いたイギリス人。ジャック・チャロナーも、そのわだちを追いかけている。ちなみにトップトライアルチームは、ベータがジョルディ・タレスを擁していた時代のチーフメカニックが立ち上げたもので、現在はその息子が運営に尽力している。息子ミケーレ・ボシはライダーとしてはたいした成長はできなかったが、チームをまわすや、なかなかの才能を発揮している。

チャロナー日本の表彰式

 2008年のチャロナーの場合は、10戦中4勝で、この3戦は6位と3位2回と勢いが衰えていたが、直接のライバルも浮き沈みが激しいタイプだった。スウェーデンの時点で、チャロナーの得点は171点。ランキング2位のフランチェスコ・モレット(スペイン・ガスガス)がスウェーデン大会で4位となり、ここまでのトータルポイントが139点。残り2戦にして32点差は、そのまま計算すると逆転可能だが、先ほどの計算のように、有効得点制で計算すると、もはや逆転不可能なポイント差となるのだった。
 チャロナーはユースカップでタイトルを決めて、ポルトガル大会からはジュニアカップに参戦。ポルトガル大会では8位に入った。早くも、来年のシーズンのことを想定して、戦いを進めている。2009年、トップトライアルチームとしての3人めのジュニアチャンピオンとなれるか(来年の話をすると鬼が笑うし、チャロナーが来年もトップにいるかどうかもわからないわけだが)、イタリアとイギリスの共闘による世界制覇は、なかなか興味深いものがある。

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