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イギリス勝利の女子トライアル・デ・ナシオン

表彰台の3チーム。左からスペイン、イギリス、ドイツ。FIM会長がプレゼンター
Photo:FIM/Good Shoot
9月7日土曜日、トライアル・デ・ナシオン(TDN)初日は、女子世界選手権。
勝利したのはイギリス。スペインは2位で、3位にドイツがはいった。4位フランス、5位イタリアと続き、日本は10位だった。参加は11カ国。
スペインは、ミレイア・コンデ、サンドラ・ゴメスの連勝経験のあるライダーに、ソレラ・エリザベートを加えてチームを作ってきた。世界チャンピオンとなったライア・サンツがメンバーでないのは、選考の時期に負傷があって、TDN参加が流動的だったからではないかと思っていたのだが、なんと彼女は日曜日にはエンデューロの世界選手権に参戦していた。こちらでもしっかり勝利して2連破。トライアルで13回、エンデューロで2回の世界チャンピオンであるライア・サンツは、多忙のためTDNは欠席ということになる。

イギリスチームの3人。左からコルス、ブリスト、クック
イギリスはエマ・ブリストとレベッカ・クックにジョアンヌ・コルスのベストメンバー。コルスは世界選手権は最終戦にしか参加しなかったが、これもやはりベストメンバーだ。
はたしてサンツのいないスペインチームは苦戦。結局、イギリスにほぼダブルスコアに近い点差で連勝を逃した。しかしかつてはサンツだけが頼りで勝ったり負けたりのチームだったスペインが、サンツがいることで安定して勝てるチームとなり、さらに今、サンツがいない新時代のチームで2位にはいった。女子世界選手権全体的にも、サンツ一人が別格という状況から次のステップに進もうとしているかのようだ。
イギリスは、ランキング2位、3位を争ったブリストとクックのふたりがいるのだから、勝利も当然といえば当然。イギリスではノンストップルールで国内選手権をやっているので、新しいルールへの順応もばっちりだった。
イギリス16点、スペイン33点に続いて、40点で3位はドイツ。50点のフランスとともに、スペイン同様にそれぞれひとりずつ新人がはいっている。若手の育成が継続的に続けられている証しだ。

スタートしようという日本チーム。左から小玉、沖本、佐々木の3選手
さて日本チームは、前日に行われた個人世界選手権に出場した佐々木淳子(ガスガス)、沖本由香(ガスガス)、小玉絵里加(モンテッサ)の3人が参戦する。今年からFIMトライアル委員長となったティエリー・ミショーの母国であるフランスでのTDNとあって、FIM側から日本チームの参加が熱心に働きかけられていたものに応えたものだった。
切磋琢磨が続く世界の女子トライアルの舞台にあって、日本のNAライセンスを持つ3人がどれほどの戦いをしてくれるかが注目だったか、はたして実力は出しきれただろうか。15セクション2ラップのうち、3人が5点となったセクションが10セクションあった。クリーン(3人のうちふたりがクリーン)は4つ、全クリーン数は11だった。9位のニュージーランドとは8点差だから、あとちょっとというスコアではあったが、ただしニュージーランドはライダーが二人しかいないから、実力的にはまだ少しばかりの差がありそうだ。



左から、佐々木、沖本、小玉の日本勢3選手