© トライアル自然山通信 All rights reserved.
女子世界選手権間もなく
9月26日金曜日、今日は女子世界選手権最終戦。すでに2008年チャンピオンはライア・サンツで決定しているが、ランキング2位争いは熾烈。もちろん世界の女子ライダーは、自分の精一杯をリザルトに残そうと意欲満々。
さて日本女子の二人、高橋真耶と長谷山ちえみのふたりは、23日と24日にそれぞれスペイン・バルセロナ経由でアンドラに入った。高橋はモンテッサ、長谷山はシェルコをレンタルしての参戦となる。
高橋のマシンは、25日の朝には現地でライダーに渡された。かつては現地に来てみたはいいが、マシンがないという悲劇に見舞われたこともあるが(スペイン・イタリアと八方手を尽くしてなんとかした)、それから考えると夢のようだ。ただしあちこちのねじが緩んでいたりブレーキがすっぽ抜けていたり、要整備だったのはご愛嬌だ。
お気の毒なのは長谷山で、初めての海外トライアル、しかも初めての海外旅行だというのに、マシンが来ない。24日に現地で受け取る約束をしているというが、相手がスペイン人だからなかなかそううまくはいかないのは想定内のことだけど、25日の夕方になっても現れないとは思わなかった。
モンテッサ、イタリアチーム、スペインチーム、スコルパ、ガスガスと次々にやってくるなか、シェルコだけが来ない。結局シェルコのトラックが現れたのは、世界選手権前日の午後6時頃だった。しかも渡されたのはまっさらの新車で、でっかいヘッドライトがついているわ、日本仕様にはないいろんなものがついているわ、一番悲しいのは、ブレーキもきかないしサスペンションも動かないということだ。
ハンドルを交換して、最低限の整備をしてから試し乗りに出かけたが、プラクティスゾーンはもう真っ暗だった。
シェルコからマシンをレンタルするライダーは少なからずいる。日本と同じ、遠い島国からやってきたオーストラリアの面々もそうなのたが、彼女たちは女子世界選手権第2戦のあったスペイン大会から渡欧していて、バンにマシンを積み込んで2週間のスペイン合宿を続けている。なのでシェルコのトラックが少々遅れてきても、大きな問題にはならない。シェルコの遅刻で被害を被ったのは、長谷山ひとりだった。
ちょうど、でっかいモーターホームを自ら運転して到着した(いつもはマインダーのジョセップが運転してくる)藤波貴久にも工具を貸してもらったりして、日本チームの作業が終わったのは午後9時頃だった。周りはもうすっかり真っ暗。
さて、女子世界選手権は、このあと間もなく、10時半頃からスタートになる。最終ライダーのライア・サンツ(前回優勝)が11時スタート。前戦の順位順にスタート順が決まり、実績のない日本勢は、長谷山が10時27分で一番スタート。高橋が10時半で4番目のスタートとなる。彼女たちのゴールは午後3時半頃。ライアのゴールは16時ちょうどとなっている。
セクションは、アンドラという土地柄、ここ最近の女子セクションでは、ちょっと異常なほどに高低差があり、厳しく、むずかしく、あぶない。

初夏の風とともに自然山通信2022年5月号電子版をどうぞ
自然山通信5月号PDF版をお届けします。ご購入、ダウンロードして、お手元の電子機器(パソコン、タブレット、スマホ、あるいはテレビなど)でお楽…