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ガスガスの行方、2015年冬の陣
会社まるごと競売にかかっているガスガスのその後。
まだ決定ではないものの、どうやら、近々なんらかのかたちで新生ガスガスが動きそうな気配となっている。
ガスガスの社名、商標などの権利と工場などの資産をまるごと買い上げてくれる出社を募ることで危機を脱しようという動きは、3件の出社が名乗りを上げたことで新たなる展開を迎えている。
出資候補は3件あって、もっとも高額の提示をしたのはTORROTという電気自転車メーカー(スペイン)。提示額は日本円で11億円という。次点は9億円を提示した投資家ということで、シェルコが3億円を提示していたということだ。
ただし金額の多少がそのまま結論となるわけではないらしい。それぞれのオーナー候補がガスガスを手に入れたあと、現在の従業員の処遇や今後のブランド使用計画をどう考えているかによっても決定が左右されるとのことだ。そういった点でも、TORROTの提示は可能性が大きい。
シェルコの提示した3億円は破格だが、おそらくシェルコがここに名を連ねたのは、誰も手を上げなかったときのすべり止めだったのではないかと思われる。シェルコとスコルパ、ふたつのブランドを所有するシェルコが、さらにガスガスも手に入れるとなると、トライアル界の多くの部分をシェルコが一手に握ることになって、それもまた(他人事ながら)たいへん極まりそうだ。
いずれにしても、新オーナーが名乗りを上げたことで、新生ガスガスは再スタートに向けて大きく舵を切った。オーナーが決まる、事業計画が採択され生産が再開する、各地に向けて出荷される、というのが今後の青写真だ。その際、新しいオーナーの元でのインポーターはまだ白紙ということになるが、現在のインポーターである(株)マーチでは、ひきつづきインポーターとして活動ができるよう、新オーナーに向けて折衝していくという。