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Xトライアル、開幕戦はラガが勝利
2016年世界選手権シーズンが開幕した。皮切りはXトライアル。開幕戦はイギリス、シェフィールドだった。勝ったのは、TRSの実質世界選手権のデビュー戦となったアダム・ラガだった。
Xトライアルはインドアトライアル世界選手権のことで、ノミネートライダー7名に、今回はゲストとして地元イギリスのジェイムス・ダビルを加えた8名の戦いとなる。
最初に2名ずつのダブルレーンレースがあり、クォリファイの走行順を決める。といっても、ダブルレーンは序列1位と序列2位、序列3位と序列4位……という戦いになるので、ダブルレーンの結果で大きく走行順が変わることはない。今回はダビルがエディ・カールソンに勝ったので、第一走者がカールソンになった。
ダブルレーンで決定した走行順によって、クォリファイの6セクションがおこなわれる。これで上位に入った4名がファイナルに進出。5位以下は残念ながらここで試合が終わる。Xトライアルは世界選手権なので選手権ポイントが与えられるが、5位から最下位まではこのクォリファイの結果でポイントが与えられる。
セクションには1分半の時間制限があるが、時間制限を超えてもトライは続けることができて、30秒ごとに1点のタイムペナルティがつく。
今回の場合、カールソンから藤波までの4名は、想定の範囲内で並んだ。カールソンは6セクションをオール5点、ダビルが21点、フェレールが18点、藤波が14点という具合だ。
このあとの、鉄壁のスペイン勢はラガが素晴らしい走りを見せた。第5セクションで1点をついただけの1点。対してほかの3名、トニー・ボウ、アルベルト・カベスタニー、ジェロニ・ファハルド(今回がベルティゴのデビュー戦だ)はいずれも5点でクォリファイを終えた。ファハルドは2点が二つとタイムオーバーが1点、カベスタニーは1点と2点と、1点のタイムオーバーが2回、そしてボウは5点がひとつ。Xトライアルのルールでは、同点の場合はクリーン数ではなく、ダブルレーンでタイブレイクをすることになっている。この結果、ファハルドが2位、ボウが3位、カベスタニーが4位となった。この結果は、ファイナルでのダブルレーンの組み分けに反映される。
ファイナルは、これもまずダブルレーンのスピードレースから。クォリファイ3位のボウと4位のカベスタニーが対戦、この勝者であるボウが、クォリファイ2位のファハルドと対戦。この勝者のボウが、クォリファイ1位のラガと対戦して、ボウが勝利した。これで、ファイナルの走行順は、カベスタニー、ファハルド、ラガ、ボウの順となる。
第1セクションは全員クリーン。続く第2セクションが波乱だった。カベスタニーが2点、ファハルドとラガがクリーンをしたあと、なんとボウが5点となった。カベスタニーとファハルドは、第3セクション以降もいくつかの5点があって、結果ファハルド16点、カベスタニー13点とわずかな差で勝負が決まることになった。
ラガとボウの勝負は、第4セクション以降で細かい減点を取りあいながら、しかし第2セクションでのボウの5点は決定的だった。ボウ7点、ラガは1点二つ、タイムオーバーひとつの3点で6つのセクションを走りきった。
4戦で争われる短期決戦の今年のXトライアル。これまで盤石の構えでインドアを戦ってきたボウも、2016年はちょっと先行きの不安なスタートとなってしまった。イージーな設定でのちょっとしたミスによる敗北だったのかもしれないが、クォリファイ、ファイナルともにひとつの5点で戦況を苦しくしている。さて次戦以降、王者ボウの逆襲が始まるのか、あるいは新パッケージのTRSとラガがさらに調子を上げてくるのか。ベルティゴを走らせ始めたファハルドや、2年ぶりのXトライアルとなる藤波の復調など、冬のインドアシーズンは熱くなってきている。