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ラガ3連勝、造反のコルシカ大会
5月24日、25日、イタリア沖の地中海に浮かぶコルシカ島で、世界選手権第3戦ヨーロッパ大会が開催された。ここはフランス領だが、フランス大会は別に開催が予定されていて、この大会はヨーロッパ大会ということになっている。
コルシカ島はフランス語読みではコルスと読む。ツール・ド・コルスというラリー競技でも知られている。
ところがこの大会では、なかなかたいへんなことが起こっていた。
土曜日、競技時間が足りないと訴える選手に対し、主催者・FIMは2時間で1ラップを回る当初の予定通りの競技を強行した。ライダーはスタートをしたものの、とうてい間に合わず、なんとワールドプロクラスの全員がタイムオーバー失格でリザルトなしという結果になった。
とはいえ、125クラスやワールドカップクラスでは無事に完走して結果も出ているから、どうやら全員失格はライダーの申し合わせで実現した、FIMに対する造反行為なのだが、表向きにはライダーがなぜか全員ゴール時間に間に合わなかったというだけの話だ。勝負にこだわっていろんな策を練るライダーが、こんなふうに一致団結することもあるのがおもしろいところだ。
これまでライダーは、スタート順、ノーストップルール、下見をさせない問題、マインダー人数の制限の問題など、いろんなところでFIM側と対立してきた。対立しながらも、結局はスタートを許してきたライダーだったが、今回はがまんの糸が切れたというところだろうか。これでヨーロッパ大会の土曜日は、ワールドカップクラスに関しては全員が無得点ということになった。
そして翌日、この日は20分のタイム延長が認められ、トップライダーも無事にスタートした。1ラップ目はボウが快調だったが、2ラップ目にボウが失敗。そこをラガが1点で通過して、このあたりで勝負の先は見えたような感じになってきた。
ラガは難所を確実に1点で抜けて、2ラップ目、3ラップ目はたった2点で走りきった。
日本GPの前に負ったという負傷は3ヶ所の肋骨のクラックだったというボウは、トレーニング不足がたたったか、なんとラガに3連敗。わずか2点差ながら、ランキングトップの座をラガに譲ってヨーロッパ大会は幕を閉じた。
3位はカベスタニー。今回は4位にホルヘ・カサレス、5位にマテオ・グラタローラと若手が上位につけて、藤波貴久は6位。しかし藤波は、カベスタニーに対して2点差でランキング3位を守った。
ジェイムス・ダビルが7位、ジェロニ・ファハルドが9位と、土曜日の波乱に続いて、日曜日のリザルトも波乱含みのものとなっている。