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FIM、2016年シーズンに向けた改革を発表
FIMが、2016年に向けて、世界選手権トライアルの改革を発表している。とはいえ、みなさんが気にしているノーストップルールがどうなるか、というような話ではなくて、ある意味ではもっと大きな、大会の枠組みの問題だ。
改革は男子世界選手権だけでなく、女子の世界選手権やトライアル・デ・ナシオンにも及んでいる。
まずカテゴリー名がこれまでと変わる。
■カテゴリー名
「ワールド・プロ」 -> 「トライアルGP」
「ワールドカップ」 -> 「トライアル2」
「125ccクラス」 -> 「トライアル125」
世界選手権はトライアルGPクラスで、他の2クラスはFIMカップとなる。
■125cc
FIMトライアルカップ125ccでは、参加資格がこれまでとは異なっている。従来は16歳以上のライダーしか参加が認められていなかったが、14歳から18歳が参加できることになった(その年に19歳にならない年齢までのライダーが参加できる)。加えて、公道を使う大会の場合は、該当する運転免許を持っていることが条件となる。たとえば日本GPの場合は、14歳以下でも参加できることになる。
■電動バイク
電動バイクについては「eクラス」をインターナショナルクラスの内部門として、すべてのイベントで新設するとなっている。インターナショナルクラスというのは「トライアル2」クラスということなのだろうか。ともあれ、電動バイクがフルサイズのトライアル現場を走り始めて数年を経て、ようやくFIMがその存在を認めたことになる。
■選手権ポイントの計算方法
これまで、ワールドプロクラスは全戦のポイントを集計し、ワールドカップや125cc、女子世界選手権は有効得点制となっていたが、これについても、若干の改革が施されている。
「トライアルGP」-> 全大会の得点を集計
「トライアル2」 -> 成績のよくない2大会の得点を引いて集計
「トライアル125」-> 成績のよくない4大会の得点を引いて集計
「女子世界選手権」-> 成績のよくない1大会の得点を引いて集計
■トライアル・デ・ナシオン
トライアル・デ・ナシオンのチーム構成についても詳細が決められている。概略として、これまではライダーとマインダーによる各チームが集まってナショナルチームを構成するという感じだったが、今後は男女ともひとつのチームで戦いなさい、ということのようだ。
○チーム構成員は10名
男子チームは3名(従来より1名少なくなっている)
女子チームも3名(これは従来通り)
アシスタントは男女共通で2名
チームマネージャーは1名
代表者が1名
これまで男子4名+アシスタント4名、女子3名+アシスタント3名、マネージャーと代表者(監督)という、最大16名のチームだったが、試合に参加できるメンバーが制限されて、日本のように遠方からの参加がしやすくなったといえる(公式の参加メンバーでないお手伝いがあちこちにいて、地元に近い国ほど有利なのは変わらないとは思うけど。このへんをきっちり規制できるのは、おそらく日本だけだろう)。
■タイムテーブル
各大会には、ウォーミングアップ、ライダー・ミーティング、オブザーバー・ミーティング、サイン会、表彰式が組まれることとなっている。
6月11〜12日のアンドラ大会では、テストケースとして「パルクフェルメ(車両保管)」が実施される。
■アシスタント
ライダーは安全上の配慮から、1名のアシスタント(赤ゼッケン着用)を随行させることができる。従来より、アシスタントは1名なのか2名なのか、ノーストップで時間がないところで1名のアシスタントでは安全が担保できない、いやいや、アシスタントを複数用意できないライダーもいるので不公平だと、アシスタントについては議論の的だったが、1名と明文化することで、ずるずると複数のアシスタントがセクションの中に入ることを制限しているものと思われる。
■ラップ数
女子は2ラップ、男子は3ラップとするとのこと。
■イエローカード
チーフオブザーバーが減点を確認したあとも、ライダーやアシスタントが異議を申し立てたり、マシンからおりてセクションを歩き回ったりするのはイエローカードの対象であることが明記されている
■マシン規則
リヤブレーキの穴の保護は2016年は奨励で、2017年は必須となる。
■意見交換
Facebookページやスマホアプリなどで意見交換ができる。