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ベルギーでボウ2連勝
世界選手権第5戦はベルギー大会。ベルギーでの世界選手権は、7年ぶりとなるそうだ。
泥々のベルギーらしいコンディションでの戦い、1ラップ目をリードしたのはラガだったが、2ラップ目にボウが素晴らしい走りを披露してラガを突き放し、今シーズン3勝目、ランキング争いも、ラガに4点差とした。
藤波は1ラップ目は8位と低迷していたが、2ラップ目以降に盛り返して4位に入った。
ベルギーは、ホンダRTL360で3年連続チャンピオンに輝いたエディ・ルジャーンの母国で、とにかく滑る地形が特徴だ。そしてこの会場も、やっぱり泥々で滑った。
雨は日曜日の、トップライダーが1ラップ目が終える頃まではなんとか降らずにいたのだが、雨が降らないからといって滑らないということではなく、むしろ雨が降ったほうがコンディションはよくなったりするらしい。
1ラップ目のボウは5点の失点が響いてラガにトップを許していたが、2ラップ目はお見事。ここで突き放して3ラップ目のラガの追い上げをかわして、前回イタリアに続いて2連勝を飾った。ここまで7試合戦って(1試合は全員失格となった)ボウの勝利は3つ目。圧倒的テクニックを誇るボウとしては、いささか勝ち星の少ない2014年シーズンとなっている。前回ランキングトップに浮上したので、ランキングトップはもちろん変わりないが、ラガとのポイント差はいまだたったの4点だ。
今シーズン、チャンピオン争いはこのふたりに絞られた感じ。現在ランキング3位は、今回も3位となったカベスタニーで、しかしポイントではラガに28点差をつけられている。タイトル争いにからんでいくにはちょっと気が遠い点差になってしまった。
このカベスタニーに僅差につけているのが藤波。開幕戦で勝利、日本大会で表彰台と、滑り出しは上々だった今シーズンの藤波だが、日本GPで再び足を痛めてしまったことと、マシンセッティングへの悩みがその後2連続6位という不本意な結果を招いてしまった。これで4試合連続表彰台のカベスタニーにランキング3位の座を奪われた状態だが、しかしその差はたったの5点。こちらは、これからどうなるか、まだまだわからない。
ランキング5位のファハルドは、藤波からさらに8点差。今シーズンのファハルドは、開幕戦で表彰台に乗って以来、精彩に書いた戦いに終始してしまっている。
今シーズンは、ホルヘ・カサレスを筆頭として、若手の台頭も著しい。まだまだ勝利にはほど遠いが、トップライダーもちょっと油断をすると、彼ら若手ライダーに順位を譲ったりしてしまう。ダビルも藤波もファハルドも、彼らにはやられたことがある。ルール由縁かもしれないが、油断できない戦いというのは結果を見ている限りはおもしろい。
次戦イギリス大会も、今回同様滑る地形が売り物だ。さて、2014年トライアル世界選手権は、どんな展開となっていくのだろうか。
ワールドカップクラスはドイツのフランツ・カドレックが2勝目。タイトル争いのリーダーであるジェイム・ブストが5位と低迷したので、両者のポイント差は8点に縮まっている。
125ccでは、ガエル・シャタヌが勝利。シャタヌはポイントリーダーの座も安泰で、すでに27点差をつけてチャンピオンへと突き進んでいる。この大会、16歳になったばかりのイギリス人、トーマス・ミンタが初登場して、なんといきなりの2位入賞。将来が楽しみな大型新人の登場となった。
次のイギリス大会は、すぐ翌週だ。