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ボウは有終の美、そして藤波がランキング3位獲得!
キアンポでの世界選手権最終戦、その2日目。セクションはいくつか変更を受けたが、難セクション揃いなのは変わらない。藤波は手首の痛みに耐えながら、ランキング3位争いに旅立っていった。
この日、ボウは土曜日ほどの勢いがなかったものの、確実にラガとの点差を広げていき、最後まで勝利の座を譲ることなく、勝利を飾ってシーズンを終えた。
そしてレプソル・ホンダ・チームのほかの二人は、シーズンの争いがまだ残っている。
土曜日の藤波は、6位。序盤は表彰台争いをしていたものの、1ラップ目後半から終盤、調子を崩している。手首の痛みを和らげるために服用した痛み止めが、藤波の集中力をとぎれさせていた。
日曜日、薬を変えて挑んだのだが、今度は土曜日には感じなかった激しい痛みと戦うことになった。突然襲う激しい痛みは、しばらくすれば少しずつ和らいでいくものの、その瞬間にどう対処していいやら、という恐れとの戦いだった。
それでも藤波はがんばった。1ラップ目は表彰台に乗るチャンスがあるかという走りだったが、しかしこの日の藤波にとってもっとも重要なのは、ランキング3位争いのライバル、アルベルト・カベスタニーに11点差のポイントを逆転されないことだ。もしも藤波が10位になったとしても、カベスタニーが2位にならなければ藤波のランキング3位は安泰という計算。カベスタニーの表彰台がむずかしく、藤波が6位以上をほぼ確実にしている戦況では、ランキング3位獲得は計算上はそれほどむずかしくない。
しかし万が一、試合を続行できないほどの事態が起きたらと考えると、やはりゴールするまでは油断は大敵だった。12セクションを2点で走り終えた藤波からは、思わず雄叫びが出た。それも、いつまでも止まることがなかった。痛みを吹き飛ばしたくて、腹の底から声を振り絞っているような、最終セクション出口での藤波だった。
藤波のランキング3位は2011年以来。2014年、2015年は膝の故障で苦しみ、ようやく膝の状態が少し好転した2016年、順調にランキング3位獲得の道を歩んでいた藤波だったが、最後の最後に試練が待っていた。その試練に打ち勝っての、ランキング3位返り咲きだ。
おつかれさま。おめでとう。