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Xトライアル開幕。ボウはバルセロナ11連勝
2017年世界選手権シリーズが始まった。口火を切るのはXトライアル。いつものスケジュールとちょっとちがって、開幕戦は2月になってからのバルセロナ大会となった。伝統のバルセロナ大会は、今回で40回目の開催となるという。そしてトニー・ボウは、バルセロナ大会11連勝を飾った。
出場ライダーはノミネートされた8名。ランキング上位のライダーに加えて、ドイツ人の若いフランツ・カドレックが選ばれている。大会によっては主催者推薦のワイルドカードライダーが加わることもあるが、今回はこの8名のみでの戦いとなる。
1ラップ目(クォリファイ)は5セクションでおこなわれた。今回は第1セクションがむずかしめ。最初に対戦したブストとカドレックは両者とも5点。次の対戦のダビルとファハルドは、ダビルがクリーン(タイムオーバー1点)、ファハルドが1点と走破したが、しかしここを走破できたのはこの二人だけだった。カベスタニー、藤波、ラガ、ボウとトップ処も次々に5点。
トップ争いは、この第1セクションの5点のみで、ラガとボウが同点でトップ進出した。4つのファイナル進出の争いは、ファハルドが第4セクションで5点となって6点。カベスタニーが同じく第4セクションで3点となってトータル8点。ここまでがファイナルの進出権を得た。
ブストは、去年はインドアシリーズでは本領を発揮できずに終わっていたが、モンテッサファクトリー3年目の今年はさすがに場慣れ感が出てきた。第1と第4の5点でトータル10点。カベスタニーに2点差でファイナル進出を逃したが、トップとの差は確実に縮まっている。
藤波は第1、第4の他に第3でも2点を失って、ブストにさらに2点差、12点の6位で開幕戦を終えた。藤波はシーズンオフのトレーニング中に肩の靭帯を痛めていて(1年前のボウの負傷と同様だ)、これが藤波の走りにも影響していた模様。しかし仕上がりやライディングはこの数年になくよい状態という。開幕戦、伝統のバルセロナでの6位はちょっと残念だが、今シーズンも藤波の活躍は楽しみだ。
ガスガスに移籍、ノンタイトルのイギリス・シェフィールドでは3位に入ったダビルは藤波より5点多い17点で7位、ノミネートライダー初シーズンとなるカドレックが20点で8位となった。
ファイナルは8セクション。ダブルレーンでの勝負で、カベスタニー、ファハルド、ラガ、ボウの順でトライすることになった(クォリファイの順と同じだ)。クォリファイでは第1セクションで失敗して苦境に立たされたボウだったが、ファイナルでは面目躍如。全員が5点となった第3セクションでこそ5点に甘んじたが、ほかの7セクションは全セクションクリーン。10年連続インドアチャンピオンは、11連覇に向けて、幸先のいいスタートを切った。バルセロナ大会も、これで11連勝だ。
優勝のボウ以下、ラガ、ファハルド、カベスタニーの戦いは僅差だった。結果はクォリファイの順番の通り、2位がラガ、3位ファハルド、4位カベスタニーとなったが、ファハルドとカベスタニーは24点で同点、ラガは彼らより3点だけ好スコアをマークしての2位となった。ファハルドとカベスタニーはクリーンが2、ラガはクリーンが3つだった。
クリーンが7個もあるボウ。もてるテクニックの差が結果に反映されることの多いインドアシリーズではあるが、今回の結果はボウのハイテクニックぶりを如実に表すものとなった。
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