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スコルパ再建断念
スコルパが、いよいよ会社を清算することになったようだ。写真は、7月13日付けでスコルパ本社が発表したなりゆきについての説明。
日本のスコルパ代理店アルプスヴァンには本社からの直接の連絡がないとのことで、今後事実を確認して状況を発表するという。
今回の発表は、日本でいう会社更生法の適用を受けて再建をはかっていたが、再建案をニーム(スコルパのあるフランスの都市)の裁判所に再建案を却下されてのもの。
今後、会社やその保有財産、バックオーダーその他いろいろな未来が、今後どうなるかはすべて現時点では未定である。
スコルパは2009年1月16日以降、会社更生法の適用を受けた後、再建案を模索しながらスコルパとしての事業を継続して行ってきた。なのでこの半年間は、マシンのデリバリーもおこなっていて、日本にも新車が届いたりもしていた。
スコルパが提示した再建案はふたつだったという。ひとつはイタリアの出資家がスコルパの事業を継続して行うというもの。このイタリア人は実はスコルパのイタリア・インポーターで、彼とガスガスの共同出資でスコルパを切り盛りしていくというのが案だった。
もうひとつは、フランス人のマーク・テシエ氏による業務継続だ。ご存知、テシエさんはスコルパを創設したひとりで、この会社にも思い入れがあるにちがいない。現在はシェルコの代表者としてトライアル界をリードしている。
しかしこのいずれも、ニームの裁判所は再建案として充分ではないと認知。スコルパを清算に導くように宣告した模様だ。
清算となったスコルパは、今後裁判所の手続きにより保有財産を競売で処分することになると思われる。もしかすると、ここでスコルパのブランドを継続したいという意志をもつ者が現れ、スコルパをまるごと(安価で!)購入して事業を再開するかもしれない。しかしまた、建物や土地、あるいはパーツ類などをバラバラに処分されてしまうかもしれない。今後、スコルパとスコルパブランドがどうなるかは、まったく未知数だ。
なおスコルパ本社では7月までは生産業務をおこなっていて出荷もおこなっていたので、日本向けでもこれから日本に上陸する新車が存在する。現在も、フランスから日本に向かって何台かのスコルパが船に乗っているということで、8月までの入荷はあるということだ。