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フランス、ブストが連続表彰台
アンドラ大会のすぐ翌週、舞台はフランスのルルドに移った。この大会、ハイメ・ブストがアンドラに続いて2度目の表彰台。今度は3位だった。優勝はトニー・ボウ。やっぱりボウという感じではあるが、アンドラで3位になっていたから、王座を取り戻して一安心というところだ。2位はアダム・ラガ。藤波は時間に追われる中(みんなそうだったが)1ラップ目最終セクションで5点になったのがたたって表彰台を逃した。それでもジェロニ・ファハルドには勝利して、4位を獲得している。
ランキングはボウがトップ、2位がラガまでは安定しているが、3位にブスト、4位藤波が同点で並び、5位に1点差でファハルドが続いている。今回、予選で失敗をしたアルベルト・カベスタニーが順位を落としてランキング6位となっている。
土曜日、予選の日。ホルヘ・カサレスを不幸が襲った。今年は藤波を下して4位に入ったりして復調の兆しもあったが、出ばなをくじく災難だった。でも災難とはちがうかもしれない。それがルールなのだから。
試合前々日(前日は予選の日になっている)には、セクションの下見が可能だ。これまで、下見はけっこう自由にやっていた。ところが石を置いたりラインを作ったりという行為が横行するようになったからか、主催者側はセクションの改変に目を光らせるようになり、それが今年からは、ついに試合前にはセクションに入ってはいけない、ということになった。
横切るくらいはいいのではないかとか、外からではゲートマーカーの位置さえ確認できないではないかとか、いろいろ意見はあるものの、ともあれこれが規則で、違反をすると20点のペナルティだという。この適用を初めて受けてしまったのが、カサレスだった。20点のペナルティは絶望的だったが、カサレスはこつこつと15セクション2ラップを走り、最下位からは脱出、あと一歩でポイント獲得圏という16位で試合が終わった。
いま、トライアルはどんどん持ち時間が短くなっている。世界選手権だけでなく、日本のトライアルもそんな感じだから、それが世界の流れなのだろう。トライアルGPでは、このところ持ち時間がぎりぎりなのが選手に苦労を強いている。下見が長すぎるのだといわれればそれまでだが、前日にまともに下見ができていないのだから、選手ばかりを責めるのもお気の毒かもしれない。予選を失敗して(誰かが必ず失敗する)トップスタートとなったカベスタニーはタイムオーバーがないから、回り方さえ工夫すればタイムオーバーなしで済むのだろうが、その結果が6位だから、トップ争いをする面々の参考にはならない。
今回は、もっともタイムオーバー減点が多かったのがラガとプライスで8点、ダビルが7点、6点がボウ、ファハルド、カドレック、フェレール。5点がブスト、藤波、フェルレ。タイムオーバーなしで試合を終えたのは、カベスタニーを含めて4人しかいなかった。しかも1ラップ目後半には多くのライダーが申告5点でセクションを通過しているから、セクションで楽しみに待っていたギャラリーにも不満が募る。しかもそれが、毎回だ。なんとかしなければいけない問題だと思われる。
ともあれ、ボウはふたたび絶好調を取り戻した。1ラップ目は雨の影響があって減点が多めだが、2ラップ目にはコンディションが回復してどのライダーも減点を減らしてきた。しかしボウの減点の減らし方は尋常ではない。2ラップ目、ボウは減点知らずで15セクションを回ってきてしまった。
2ラップ目を一桁減点でまとめたのは3人。ラガと藤波が6点、ブストが7点だった。5位のファハルドが12点、6位のカベスタニーが22点だから、一桁減点は素晴らしい成績だったが、勝負は1ラップ目に付いていた。1ラップ目、25点のラガが2位、36点のブストが3位、41点の藤波が4位となった。
てきぱきとしたタイムスケジュールのトライアルGPを目指すプロモーター、流れるようなトライアルを理想とするFIMトライアル委員会。その主張にはそうかなと思えるふしもあるから、ノーストップルールを始め、今のルールのすべてがダメとも思えないが、トライアルが大地との勝負ではなく、オブザーバーや時間との対決になってきているとしたら、それはちょっとちがうのではないかという気がしないでもない。
なお今回のGPには、いつもの3クラスの他、トライアルEクラスが新たに設けられ、ガスガスTXTeに乗った1996年(藤波貴久デビューの年)世界チャンピオンのマルク・コロメが乗ってぶっちぎりの勝利を果たした。参加者は11名。ガスガス1台、エレクトリックモーション7台、メカテクノ2台、SoREVなる正体不明マシン(自作だという話あり)1台。2位はメカテクノで3位がEM、SoREVは5位に入っている。
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