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ガスガスの2018年
ガスガスが2018年のファクトリーライダーの発表をし、すでにXトライアル開幕戦を戦っている。
これはガスガス本社から発表されたプレスリリース。ハイメ・ブストとジェロニ・ファハルドがガスガスと戦う2018年について、抱負を語っている。
ガスガスは、2016年シーズンからエレクトリック・バイクメーカーのTorrot(トロットと読むんだそうだ)の傘下となって再出発している。
2016年のエースはアルナウ・ファルレとマテオ・グラタローラ、2017年はこれにジェイムス・ダビルを加え、毎年戦力増強を計ってきた。
そして2018年、ライダーの入れ替えを含めて、チームの看板となるべきライダーをがらりと変えて、さらなる飛躍を目指すことになった。チームを率いるのは、世界チャンピオン経験のあるマルク・コロメだ。コロメは1994、1995、1996年と3年連続でインドアチャンピオンとなり、1996年にモンテッサ・コタ315Rがデビューすると同時にアウトドアで初タイトルを獲得した。ガスガスのリリースでは4回の世界チャンピオンとなっているが、コロメはつい昨年2017年、初めて開催された世界選手権、エレクトリック・クラスでタイトルを獲得しているから、5回の世界チャンピオンが正しいはずだ。
コロメは2001年からガスガス入り、途中、スコルパやオッサの開発チームに合流したことなどもあったが、新生ガスガスの再出発とともにチームに合流し、後進の育成や電動マシンの開発に尽力している。
ハイメ・ブストは説明の要はないだろう。2015年にモンテッサのファクトリーチーム入りをした2014年トライアル2(ジュニア)クラス・チャンピオン。2015、2016年とランキング6位をキープして、2017年に才能を開花、後半戦は表彰台の常連となってランキング3位を獲得した。いよいよ次は、世界の頂点に向かってのステップアップを期するタイミングだが、そこで出てきたのがこの移籍だった。
モンテッサはこれまで天才ブストを大事に育ててきたが、ガスガスはモンテッサ以上にこの才能を自分のチームに引き入れたかったのだろう。ここからはボウと藤波の弟分としての天才ライダーではなく、ボウの王座を奪うべきチャレンジャーとしての戦いとなる。
ジェロニ・ファハルドは、2006年以降2015年まで、毎年TDNのスペイン代表選手に選ばれている。つまり10年間スペインのトップ4をキープしていたということだ。もともとガスガスのライダーとして世界選手権に挑戦を始めたライダーだったが、いよいよ頭角を現した2007年にベータに移籍、その後、2011年にオッサに、2012年に再びベータに戻り、2016年からはヴェルティゴに乗って、世界トップを争っていた。ガスガスとファハルドのコンビネーションは、10年ぶりに復活ということになる。
ガスガスは2015年まで世界の頂点を争っていたチーム。ブストとファハルドの加入で、再びガスガスが世界頂点を目指して動き始める。
■マルク・コロメ監督
ブストとファハルドの加入は、トロットとガスガスが世界のトップを奪わんとする意欲の現れだ。彼らはともに優秀なライダーだが、ブストはとても有望な未来を持っているし、ファハルドは豊富な経験を持っている。彼らとともに、目標は世界チャンピオンに置いて活動していく。現実問題として、トニー・ボウの前に、チャンピオン獲得はむずかしいだろう。その点は我々も認めている。しかしそれはまた、より高いレベルの改善を求めるモチベーションにもなっている。
■ハイメ・ブスト
トロットが、大きなチャンスを与えてくれました。新しいチームはとても良い雰囲気を持っていて、また新しいバイクもとてもいい感触を得ています。このバイク、このチームで、Xトライアルのシーズンを戦い、5月からのアウトドアシリーズを戦うことが楽しみです。少しでもよい結果が出るよう、がんばります。
■ジェロニ・ファハルド
新しいシーズンを迎えて、とても高いモチベーションを感じています。新しいバイクと新しいチームで、目標はXトライアルとトライアルGPでさらに前進をすることです。ガスガス・トライアルGPはすばらしいバイクです。必ずや、XトライアルとトライアルGPの両方で表彰台を獲得できると信じています。ガスガスのファクトリーライダーとして、私を選んでくれたトロットに感謝です。