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ライア、9回目の世界チャンピオン
ライア・サンツが、2年連続、9回目の世界チャンピオンを獲得した。
9月12日、フランスのISOLA2000で開催された女子世界選手権第2戦。すでに、アンドラで開催された6月の開幕戦で1勝を挙げているライアは、この第2戦でも勝って2連勝。
女子世界選手権では、全3戦のうち成績の良い2戦を算出する有効得点制を用いている。2連勝したライアは、最終戦イタリア大会(TDNの週の金曜日)に参加しなくても、これを破るライダーが現れることなく、2年連続の世界王座に輝いた。
2007年はほんのひとつのミスでタイトルを逃したライアだが、それ以前に7回の世界王座に輝いていて、今回のタイトルは9回目となる。トライアル史上、7年連続チャンピオンはドギー・ランプキンと並び、9回の世界タイトルはライアただ一人だ。
今回の2位は、7月にスコルパからガスガスに戻ったイリス・クラマー。2007年にライアを破ったその人で、もちろんライアが登場する以前は圧倒的に強い女性王者だった。
イリスはアンドラではスイッチしたばかりのマシンとの不慣れがあったのか、4位と低迷。しかし今回は指定席たる2位の座に戻って、イギリスのクック・レベッカとの2位争いを繰り広げている。
今回の3位は、そのレベッカ。シェルコにマシンをスイッチして、さらに上を目指している最中のレベッカだが、今回は1ラップ2ラップともにイリスに1点差ずつつけられて3位に甘んじた。アンドラで2位にはいっているから、ランキングではいまだイリスを抑えて2位につける。
3位レベッカから5位エマ・ブリストウまではイギリス人。しかしマリア・コンウェイやフォックス・ドンナといった強者の姿がなく、4位に入ったジョアンヌ・コルスは去年から世界選手権に出場し始めたルーキー的存在。イギリスの女子トライアルは、才能あふれるライダーが確実に育っているようだ。
6位にドイツのナンバー2たるロシータ・レオッタ。7位にアルフレッド・ゴメスの妹であるサンドラ・ゴメス。スペイン人としてはライアについでの2番目のポジション。8位がドイツ人のイナ・ワイルド、9位がスペインノミレイア・コンデと、スペイン、ドイツ、イギリスが3人ずつ並んだ上位9名。今年のTDNもこの3チームの熾烈な戦いが期待できそうだ。
2004年にTDNで勝利したフランスはようやく10位にマリリーン・ジョルネが入った程度。2004年にそのフランスと接戦を繰り広げた日本は誰も出場していなというなさけない状況だ。
低位置ではあるが、オーストラリアからの遠征組が、16位、19位、失格と3人並んでいる。彼らはTDNに照準を合わせて、その1週間前のフランス大会に参加をしたものだ。こういう国際的活動ができない日本の国情(MFJもライダー個々も、チームもメーカーも雑誌屋も、すべてがなさけない)が残念。