© トライアル自然山通信 All rights reserved.

ブスト失速でボウ2連勝
2018年Xトライアル第2戦は、開幕戦同様にフランスでの開催となった。今回は南フランスのモンペリエ。勝利は開幕戦に続き絶対王者のトニー・ボウだったが、その勝ちっぷりも含めて、開幕戦とは少し様相がちがう戦いとなった。今シーズン初出場となった藤波貴久は、8位となっている。
参加メンバーは今回も9人。ただしその顔ぶれは変わっている。全戦参加となるのはトニー・ボウ、アダム・ラガ、ハイメ・ブスト、ジェロニ・ファハルド、ジェイムス・ダビル、ブノア・ビンカスの6人。これに今回、スペインの若手、ミキュル・ジャレバート、藤波貴久、アレックス・フェレールの3人が加わって9人となっている。
開幕戦にはヴェルティゴのライダーが2名参加していたが、今回は開幕戦にはいなかったシェルコのライダーが2名、そしてフランス人も2名の参加となった。Xトライアルは短期決戦が魅力だから、人数が多すぎるのは冗長になってよろしくない。とはいえ、人気ライダーは欠かせないし、メーカーのバランスや国籍のバランスも考えたい。人選には悩みが多いところだ。
大会システムは、今年から若干修正されたもので、最初に6セクションを走ってクォリファイとなる。これをXトライアルではラウンド1と呼んでいる。6つのセクションを一気に走って、その減点数で序列を決める。6セクションの走破タイムも記録されていて、同点の場合などにこのタイムの速い遅いが効いてくるしくみだ。
6セクションを走って、最も好スコアだったのはボウで1点、ラガが2点。最下位は、なんと開幕戦で2位に入り、次は優勝かとささやかれていたハイメ・ブストだった。ブストの減点は16点。そして藤波貴久が15点。しかし6位と7位は同点。ジャレバートとフェレールはともに14点で、5秒のタイム差でジャレバートの準決勝(ラウンド2)進出が決まった。ジャレバートのタイムが5分25秒、フェレールが5分34秒4。藤波はというと4分43秒7。セクション入口で5点になればタイムは節約できる、ということもあるが、フェレールと藤波は同じところで5点となっている。今回の藤波は、第1で2点、第2で3点の失点のうち、1点か2点をなんとかできれば、ラウンド2に進出できたということになる(結果論)。ちなみにクォリファイを一番速く走りきったのは、3つの5点があるブストだった。ブストはみんながクリーンしている最終第6で5点になっている。これがクリーンならクォリファイ5位だった。
ラウンド2では、ラガ、ジャレバート、ファハルドの3人と、ボウ、ダビル、ビンカス。3人ずつ2グループに分かれて対戦する。これも6セクションを一気に走って、走破タイムを同点の場合の決め手とする。
ここでは、ボウが思わぬ失点を重ねて12点と、トップをラガに奪われることになった。ボウは腕の故障をかかえながらの参戦だった。第3戦はすぐこの週末なので、ボウの治療は第3戦を終えてから集中的に行うことになりそうだ。
最終ラウンドはトップの二人だけで競われる。ラウンド2でスコアのよかったのはラガとボウで、3位以下はこのラウンド2のスコアで順位が決まる。3位はラガ11点、ボウ12点に続いてダビルの14点だった。これに続くは16点の二人、ビンカスとジャレバートだった。ビンカスの走破タイムは3分51秒4、ジャレバートは4分54秒。約1分の差で、4位はビンカスということになった。ビンカスはスコルパに乗るフランスのライダーで、まだこれといった戦績は残せていないが、今年のXトライアルはビンカスにとってのジャンピングボードになるかもしれない。
ラウンド2の最下位、18点はファハルド。開幕戦では好調を見せたガスガス勢が、第2戦ではラウンド1とラウンド2のそれぞれで最下位に落ち着いてしまった。
そしてファイナル。第1セクションを落としたボウとラガだったが、第2セクションではボウのみが1点で抜けて、これでほぼ勝負があった感じ。最終的には、ボウ8点、ラガ12点の差がついてモンペリエ大会は終了した。
ファイナルでの5点差も小さくないが、それ以上に大きいのはポイントランキングの点差だ。ラガは開幕戦で3位となっているため、2戦を終えたところでボウのリードは13点にもなっている。今年の台風の目になるのではないかとささやかれていたブストが今回最下位で、ボウとのポイント差は24点にもなった。ボウにとっては、23回目の世界タイトルに向けて、なんとも収穫の多い2018年序盤戦となっている。
https://www.shizenyama.com/wp-content/uploads/2018/01/02_X-TRIAL_Montpellier_2018_Results.pdf