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ベータのカベスタニー、スペイン選手権にデビュー
トライアルGP世界ランキング7位、アルベルト・カベスタニーが、2018年用の愛車を引っさげてスペイン選手権の開幕戦に登場してきた。この開幕戦では、カベスタニーは優勝のトニー・ボウ、ジェロニ・ファハルドに次いで3位表彰台に上がっている。
この大会、優勝のボウは2ラップで29点、ファハルドが48点でカベスタニーは54点でこれに続いている。カベスタニーから2点差、56点でハイメ・ブスト、以下、ミケール・ジェラベルト64点、ホルヘ・カサレス73点と続いている。アダム・ラガは、今回はひじの手術を受けるために欠場していた。

カベスタニーは、2017年シーズンが終わったところで、チームの解散をアナウンスした。カベスタニーがシェルコ入りをしてたらずっとチームのボスとしていっしょに活動してきたマシン開発者のパチャウ博士が年齢的に引退、さらにその前のベータ時代からマインダーとライダーとしてコンビを組んでいたルイス・ガリャック(世界選手権で1勝の経験ありのトップライダーだった)も年齢的に引退。セカンドマインダーも自分の店を出すということで、それぞれが別の道を歩むことになったというカベスタニーの説明だった。
この時点で、カベスタニーは2018年はベータに乗るといううわさがあったものの、正式発表はなく、カベスタニーのチーム解散のアナウンスを見たファンや関係者は、カベスタニーも引退かと早とちりする人が多かったようだが、カベスタニーはちゃんと走り続けている。
カベスタニーは2018年、Xトライアルに参加していない。世界ランキング7位は、Xトライアルのノミネート基準には入らない。カベスタニーは2002年のインドア(Xトライアル)チャンピオンだが、Xトライアルへの不出場が、よりカベスタニーが消えた印象を強めていた。ベータに移籍という噂はあったが、ベータはジェイムス・ダビルとの契約を発表して、ダビルはXトライアルのノミネートライダーとして全戦参加を続けている(ダビルは世界ランキング6位だが、メーカーと国籍のバランスを考えた人選によってノミネートされている)。
そんなカベスタニーがベータ移籍を発表したのは1月1日。練習風景などはSNSで公開してきたが、公衆の面前に出てくる姿は確認できず、世界的にはこのスペイン選手権が最初のお披露目となった。
カベスタニーとベータは2004年までコンビネーションを組んで活動していた。世界選手権での初勝利もあり、またインドア世界チャンピオンも獲得した。シェルコでの13年間もまた栄光の日々だったが、ベータに乗るカベスタニーの姿を見るのは、2004年以来ということになる。
今年のカベスタニーは、イタリアのベータ本社ではなく、ベータのスペイン・インポーターとして知られているベータ・トゥルエバのサポートを受けて活動する模様だが、マシンはダビルと同様に本社のファクトリー仕様が供給されているようだ。
藤波貴久に次ぐ世界選手権のベテランライダー。カベスタニーの活動は、まだまだ元気に続きそう。しかしカベスタニーほどのビッグネームがXトライアルに一度も登場していないというのも、ちょっとさみしい気がする。
写真はカベスタニー本人のSNSから拝借いたしました。カメラマンのチリも、ありがとう。