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世界のニュース

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ランプキン、SSDTでV12を達成

SSDTが終わった。

4日目まではそこそこふつうに結果表を見て状況をお届けしていたのだけど、最終日は全日本選手権の当日と重なって、すっかり全日本モードになったまま、SSDTの結果報告を放置しておりました。申し訳ないです。

結果は、土壇場の大逆転、ドギー・ランプキンの連勝です。ランプキンはこれでSSDTで12勝目をあげました。ものすごい快挙です。世界選手権でキングと呼ばれたのは10年も前のことですが、いま、あらためてランプキンのキングぶりが浮かび上がってきました。

さて、SSDT最終日は土曜日で、情報が日本に届くのは日曜日の早朝で、こちらはその頃すでに全日本モードだったので、ご報告が遅くなっちゃった。ごめんなさい。
月曜日から土曜日まで走って、日曜日は安息日、ということですが、SSDTのこの日程が、宗教上の理由なのか1週間走ったらみんなへろへろになってしまうからなのか、定かではありません。しかし少なくとも、みんなへろへろはまちがいないと思われます。

5日目、金曜日を迎えて、ジェイムス・ダビルはいまだ絶好調。2点差でトップ争いをするドギー・ランプキンがこの日の30セクションを1点で帰ってくると、ダビルも同じく1点。その差は2点のまま、最終日にもつれこむことになった。ダビルが5点、ランプキンが7点、3位は地元スコットランドのギャリー・マクドナルドの12点。5日間を走って12点というスコアも素晴らしいのだが、ダビルとランプキンのスコアの前にはちょっとかすみがちだ。マクドナルドはこの日を2点にまとめている。

ジェームス・ダビル
写真は、trialscentral.comより。

4位以下には、世界選手権でも名前を見聞きしたライダーが並んでいる。4位はジャック・プライス。トライアルGPでは、イギリス人としてダビルに次ぐポジションを占める。この日3点でトータル16点。ここまでくると、プライスの勝利はほぼ不可能っぽい感じもするが、どっこい、最終日にも30セクションが待っているのだから、ダビルとランプキンが3つくらいの5点を喫すれば、大逆転だってありえる。

5位のジャック・シェパードは、ちょっと前までGPクラスを走っていたし、6位のサム・コナーもトップクラスの中堅ライダーだったし、SSDT優勝経験もある。イギリスに生まれてトライアルをやっていれば、ある程度SSDTには強いライダーになれて、SSDTのトップ10を争うライダーにはなれるのかもしれないけれど、これがイギリスやスコットランドローカルの大会ではなく世界的イベントである背景には、世界のトップライダーがSSDTに殴り込みをかけてきても、そうそうあっさりと勝つことはできないという事実があるからだ。

直近で優勝したイギリス人以外というと、2003年のホアン・ポンス(スペイン)、2002年のアモス・ビルバオ(スペイン)。この頃、イギリスはドギーの独り舞台でドギーをやっつけてやろうという若手が出てこず、そしてドギー本人は世界選手権に一生懸命でSSDTには不参加という時代だった。ただし、SSDTも世界のトップに牛耳られた時代があった。アモス以前は1987年のジョルディ・タレス(スペイン)だが、その頃はその頃でイギリス人の低迷期で、1984〜1986年は3年連続でティエリー・ミショー(フランス)が勝利し、その前1983年はスペイン人のトニー・ゴルゴが勝利、さらに1982年はバーニー・シュライバー(アメリカ/フランス)、1981年ジル・ブルガ(フランス)、1980年ユリオ・ベステリーネン(フィンランド)となっているが、1979年以前はマルコム・ラスメル、マーチン・ランプキン、ミック・アンドリュース、サミー・ミラーとイギリス人ばかりが勝利している。

唯一の日本人、大西さんは、3点4つのみで後はみんな5点という壮絶な成績ながら、タイムオーバーなしでゴールしているのは素晴らしい。ちなみに完走扱いになっているライダーの中では、ブービー賞です。

女子ライダーは、ひとりリタイヤして7人が生き残っています。女子トップのブリストと2位のゴメスとの間には90点差、ゴメスと3位ジェス・ボウンの間には80点差があります。でもブリストとゴメスは、世界選手権ではこれほどの差はないから、トライアルって不思議。そういえば、ボウンから80点差で女子5位につけているケティ・サンターというのがいます。ここもランプキン家やヘミングウェイ家と同じでトライアルの血統の家柄なんだけど、娘はそれほどうまくない。だいたい世界選手権ランキングで10位から15位くらいに入るくらいだった。ところが世界選手権がノーストップルールになるや、一気に5位くらいまでジャンプアップした。これはSSDTを含めてイギリスがノーストップルールを採用しているから、そのルールに慣れていたということでしょう。ただ、その後のケティは以前と同じくらいのポジションに落ち着いていますから、イギリス以外のみんながノーストップに慣れちゃったということなんだと思う。ケティについても、SSDTは彼女の本領という気がします。

そして最終日だ。ここまで、ジェイムス・ダビルが5点、ドギー・ランプキンか7点。2点差なんて、これから30セクションを走ることを思えば、いくらでも逆転が可能な点差だが、この二人に限っては、なかなか大きな点差ということもできる。そして二人はこの日も、現れるセクションを次から次へとクリーンしまくっていった。

異変の前兆は第24セクション。ここでダビルが1点をついた。1点なら、まだチャンスはあった。しかしそれが次のセクションへの不吉な予感につながったとすれば、物語の流れは一気にランプキンに傾いていく。第24セクション、ダビル、5点。これは決定的だった。今まで5日間大事にトップを守ってきたダビルが、それと同じ減点数を、たった1セクションでおかしてしまった。

この第24セクションは難セクションで、クリーンがほとんどいない(クリーンしたのは、今年からGPクラスに昇格したイアン・ロバーツくらいだった)。ランプキンも1点失っているが、それでも逆転には充分だった。これでランプキンが3点差でトップ。その点差は試合中にはライダーには伝わらないはずだが、あるいは、その第24セクションで、ランプキンはオブザーバーやギャラリーからダビルが5点だったぞと聞かされたかもしれない。ダビルはゼッケン150、ランプキンは193。SSDTのスタート順はゼッケン順で、ひとりずつ1分間隔でスタートしていくが、いくつかのグループごとに、毎日順番が入れ替わる。つまりスタート順は、朝早いときもあれば、遅いときもある。すべてのライダーに、だいたいまんべんなく、すべての時間帯のスタート順が割り振られるということだ。

グループ ライダー・ゼッケン
[1] #1〜#48
[2] #49〜#96
[3] #97〜#144
[4] #145〜#192
[5] #193〜#240
[6] #241〜#288
Day スタート順
Day1 [1] [2] [3] [4] [5] [6]
Day2 [2] [3] [4] [5] [6] [1]
Day3 [3] [4] [5] [6] [1] [2]
Day4 [4] [5] [6] [1] [2] [3]
Day5 [5] [6] [1] [2] [3] [4]
Day6 [6] [1] [2] [3] [4] [5]

最終日、二人のスタートは遅い目になっていたが、それでも#150のダビルが先を走って、#197のランプキンが後から来るという順番には変わりがない。しかしダビルの5点を知らされたとしても、その第23セクションでのダビルの1点までは知っていたかどうか、知っていれば、ランプキンは第24セクションを3点以内でまとめれば逆転だし、知らなければ2点以内でまとめなければ逆転のチャンスがないと計算ができる。そしてまったく知らなければ、その日までに2点差をつけられているランプキンとすれば、とにかく最小減点でここを抜けて、ダビルの減点を待つしかないということになる。

そしてランプキンは1点。結果論としては、ここでのダビルの5点、ランプキンの1点が、2018年のSSDTの勝負を決めた。ランプキンの、12回目の勝利が、ここで決まった。

SSDT優勝、ドギー・ランプキン

3位は地元スコットランドのギャリー・マクドナルド。4位に次世代のイギリスのエースとして期待のジャック・プライス、そして5位にジャック・シェパードとなった。

日本でもおなじみのアモス・ビルバオは22位。この日8点、トータル59点だった。毎日一桁減点で回ってこれたら、SSDTを楽しんでコントロールしている実感があるだろうなぁ。

エマ・ブリストは36位。二桁減点にはわずかに及ばず、6日間の減点が108点となったけど、それでもたいへんに素晴らしい結果だった。エマと同点の38位には、ダビルのマインダーをやっているチェコ人のスボボダがいる。この人、世界選手権にエントリーしていた選手だったのだから、ここでもエマの卓越したSSDT走破力がわかる。

ちなみに、アモスに4点差の20位にジェイムス・フライというのがいる。この人もかつてはトライアル2クラスに出場していたけど、どうやらエマ・ブリストとおつきあいをしているという。今回は、かろうじてエマを下して彼氏としての貫録を維持したというところかしら。最終日には15点も献上しているから、あるいはもうちょっと上位も狙えたのに、残念でした。お幸せに。

元世界ランカーといえば元世界ランカーだが、さすがにお歳を召したので同じ土俵に入れたらかわいそうだけど、モンテッサのマネージャーのオスカル・ジロー(たぶんもてぎにもやって来る)は57位154点。

サンドラ・ゴメスは68位、もちろん女子2位。往年の世界チャンピオン、ジル・ブルガは減点191点で93位。ティエリー・ミショーのお兄さんのフレデリック・ミショーは減点356点で143位だった。

そして大西さんは、総減点823点、241位で無事完走した。5日目はブービー賞だったけど、僅差でブービー賞争いしている人を抜いて、ポジションを一つ上げてのゴールとなりました。なにより、連日、タイムオーバーがほとんどなく完走できているところが、素晴らしいです。最終日には、1点が二つ、2点がひとつと、3点が4つと、成績的にもなかなか素晴らしかった。

というわけで、2018年SSDTは無事に、大成功裡で終了した。ドギーの世界タイトルは12以上には増えないと思われるが、SSDTの勝利数はこれからも増える可能性がある。引退してなお、キングぶりを成長させているドギー・ランプキン、すごい。

ドギー・ランプキン

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