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TDN日本チーム、予選1位も決勝は4位
トライアル・デ・ナシオン(TDN)は、9月23日、東ヨーロッパのチェコ共和国で開催された。
日本はこの2年と同じく、藤波貴久、小川友幸、黒山健一の日本ベストメンバーを代表選手としてチェコでの大会に臨んだ。
予選は藤波がタイムを出して1位、決勝は悪天候に苦しみ、しかも1ラップ目後半、時間がなくなって大量のタイムオーバーも献上、フランスに次いで4位、表彰台を逃す結果になった。
負傷、マシントラブルなど、アクシデント、ハプニング続き。そんな中、日本の誇る大ベテランはよく戦った。
予選は、今年から3名中2名が走り、よいほうのタイムをとることになった。日本は藤波と黒山が走る。藤波が出したベストタイムはまずまずで、悪くないスタートポジションが得られるのではないかと期待されたが、その後に走ったライバルチームが遅かったり失敗したり、スペインチームのエース、トニー・ボウも足をついて後退し、日本が予選トップを勝ち取った。これで決勝は最後の最後にスタートして、ライバルチームの動向をうかがいながらトライができるという特権を得た。
決勝、天候は予報通りに雨。もともとセクションが厳しかったのに加え、雨とあってますます厳しいことになっている。日本は、なんと第1セクションから全員5点。TDNでは各セクション、上位2名の減点をチーム減点として記録する。誰かが失点しても、他の二人がクリーンなら、チームとしてはクリーンとなる。3人とも1点なら、チーム減点は2点。3人とも5点なら、チーム減点は10点になってしまう。いきなり大きなハンディを背負った日本だった。
その後はチーム減点のクリーンこそ少なかったが、なんとか点数をまとめて戦ったのだが、1ラップ目後半、今度は時間がなくなってきた。TDNでは、ライダーそれぞれにタイムコントロールがされ、タイムオーバー減点はそのすべてをトータルする。最後の最後にトライして、もともと時間が押しぎみだった日本は、なんと20分ものタイムオーバーを喫してしまった。二人が7分、ひとりが6分のタイムオーバー、という計算だ。イタリアは23分、スペインも19分のタイムオーバーを喫したのだが、日本の表彰台争いのライバルであるイギリスは9分、フランスは5分にとどめている。この場合は、スタート順が早い方が有利に働いたのかもしれない。
減点だけなら、1ラップ目の日本は、スペインの20点、フランスの51点に続く53点。イギリスの56点に勝っていた。しかしこの僅差で、ライバルチームより10点も多いタイムオーバーは痛かった。
2ラップ目、第1は4点で押さえたが、第2で5点、さらに第4で10点、第8で10点と、フルペナルティもちらほら出てきて、苦しい戦いとなっていく。第4はイギリス、フランスもフルペナルティだが、藤波がヒザを切る負傷を負い、黒山もマシンに不調が出て、全員本調子とは言いがたい。しかし試合は進んでいく。スペインも、第13セクションでフルペナルティを叩くなど、どのチームも苦しんでいる。
そしてゴール。日本の減点は127点で、フランスの128点より好スコアだった。しかしタイムオーバーが15点よけいについているから、すべての減点をトータルすると14点差で4位に甘んじることになった。
アダム・ラガさえチーム代表からはずれる世代交代の嵐の中、大ベテラン3人が代表選手として活躍し続ける日本、今回のチェコでの戦いは、不運やアクシデントの影響があったとはいえ、若手の成長をただ待っているだけでは、日本の将来に期待するのはむずかしいと痛感した2018年のTDNだった。
女子クラスはイギリスが勝利して昨年の雪辱を晴らした。2位スペイン、3位ドイツ。インターナショナルクラスは地元チェコが勝利、アメリカが2位、3位はオーストリアだった。
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