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カベスタニー、2ストに
アルベルト・カベスタニーが、2010年に向けて引き続きシェルコと契約。そして同時に、2010年のレース活動は、これまでの4ストロークではなく、2ストロークマシンでのものとなるという発表がなされた。
シェルコはこの秋のミラノショーで、燃料タンクをサイレンサーの反対側に配置した意欲作を発表していて、このモデルのアピールのために、カベスタニーが再び2ストロークに乗ることになったものだ。
写真はシェルコの名エンジニアのジョセップ・パチャウ博士(左)とゼネラルマネージャー、マーク・テシエ(右)と握手を交わすカベスタニー。ST10(シェルコ・トライアル2010年型)と呼ばれるニューマシンで、カベスタニー本来の切れ味が戻ってくるか、目前に迫った2010年に向けての最初の話題となった。
新しい年になると、ライダーの移籍などの情報が一気に明らかになる。彼らの契約は、シーズンいっぱいとなっていることが多いからだが、カベスタニーの場合はメーカーの移籍ではないから翌シーズンの契約については早めに発表ができる。
カベスタニーがシェルコに移籍したのは2005年。これで5年目のシーズンにはいるわけだが、最初の2年間は2ストロークマシンで戦っていた。そして2008年に4ストロークに乗りかえている。
カベスタニーといえば、インドア世界選手権のチャンピオン経験者で、もてぎの日本GPで優勝するなど、世界選手権のトップクラスのライダーの一人。この4ストロークマシンでも、インドアトライアルで1勝をあげるなど、マシンの戦闘力の高さを存分に見せつける活躍を見せた。
しかし重量的なハンディなどは長丁場のアウトドアでは大きいのか、4ストロークに乗った2年間は、結果的にランキングを落として2年ともボウ、ラガ、藤波のトップ3、さらにファハルドにもポジションを奪われてランキング5位に甘んじていた。
今度の2ストロークは、燃料タンクがエンジンの上にないという点で、トライアルマシンでは初めてとなる(と思う。フレディ・スペンサーの乗ったNSR500の初期型は燃料タンクがエンジンの下にあったが、1年間の苦戦の末、ふつうのレイアウトに改められてチャンピオンを獲得した思い出あり)。革新マシンST10とカベスタニーが、どんな走りと活躍を見せるのか、乞うご期待です。