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ブストが突然ヴェルティゴへ

ハイメ・ブストがヴェルティゴに移籍した。2015年にトライアルGPにデビューして今年は5年目。愛車はこれが3つ目となる。

ブストとヴェルティゴの契約締結は、5月21日にヴェルティゴより発表された。アウトドア世界選手権開幕のわずか5日前だ。昨年日本GPで初優勝を果たしたブスト、ヴェルティゴのナンバーワンライダーとして、大きな飛躍が期待される。

ブストの世界でビューは2014年。ジュニアクラス(今のT2クラス)にデビューしたかと思うと、いきなりタイトルを獲得した(日本でもパーフェクト勝利した)。この時のマシンはベータだった。

2015年、ブストのトライアルGPデビューは衝撃的。いきなり、レプソル・ホンダ・チームの一員として加わった。レプソル・ホンダ・チームがトライアルGPに3人のライダーを走らせるのは2007年以来(ゼッケン順に、藤波貴久/ドギー・ランプキン/トニー・ボウ)で、ブストに対する前のめりの姿勢が注目だった。

ヴェルティゴのテクニカルアドバイザー、ドギー・ランプキンと。モンテッサ4ストローク経験者の二人

開幕戦ではいきなり6位に入賞。その才能があらためて注目を集めることになった。ブストのモンテッサ入りは、トニー・ボウの熱心な奨めによるものだったということで、ブストのライディングセンスは、ボウのお墨付きということだ。

しかし初年度は、開幕戦で6位になったのと同じランキング6位。最上位は4位で、表彰台獲得もならなかった。ずば抜けた潜在能力は認められながらも、残る成績的にはもう一歩期待にそぐえない。

2年目の2016年、やっぱり表彰台の獲得ならずのランキング6位。3年目の2017年、日本GPを両日ともに6位と平凡な成績で終えた後のアンドラ大会、いきなり2位に入賞して、初表彰台獲得。その年、ブストはランキング3位を獲得して、いよいよ打倒ボウに標的を定めた。

しかしてその翌年2018年(まだ去年のことだが)、突然ガスガスへ移籍。打倒ボウの目標達成のために、同じチームにいては闘争心がにぶるとの判断もあったかもしれないが、ガスガスの提示額がモンテッサのそれを上回った、という話もある。名門モンテッサとしては、世界チャンピオンをふたりかかえている。ランキングはブストより下位になったとはいえ、藤波はやはりチームのキーマンでもあり、ブストの待遇がことさら優遇されなかった事情も理解できる。

しかしこの時、ガスガスにはもうひとり、ジェロニ・ファハルドも移ってきていた。もともとファハルドはガスガスで世界選手権転戦を始めたライダー。先輩としては申し分ないが、ランキング3位とランキング4位のチームメイトであり、ライバルとしてもまた熾烈だった。

ブストの才能は一気に開花したかに思えた。Xトライアルで初勝利。アウトドアが開幕し、ファハルドが日本GPで自身2勝目を挙げると、その翌日にブストが初勝利。これでいよいよ世界チャンピオンへの条件が整ってきた。

ところが2018年のブストのその後は少しずつ勢いを失い、最終的にファハルドに先行され、調子を崩していたアダム・ラガにも逆転を許してランキング4位。ランキングを一つ落としてしまった。

明けて今シーズン。ブストはXトライアルで2回表彰台に上がるも、ランキングは4位。最終戦ではクォリファイ敗退で最下位と屈辱的な結末を迎えてしまった。それから1ヶ月が経たずして、ヴェルティゴへの電撃移籍が発表されたのだった。

コンベンショナルな2ストロークエンジンのベータ、フューエルインジェクション4ストロークのモンテッサ、そしてダイヤフラムクラッチを装備するガスガス。ブストが操ってきたマシンは、それぞれ特徴を持っている。しかしマシンが変わっても、若いブストがライディングに悩んだという兆候は微塵も感じられない。今度は2ストロークのフューエルインジェクションマシンだが、若き才能の前にはそれも大きな障害とはならないにちがいない。

ヴェルティゴは、ブストの獲得で厚いライダー層を確保した。GPクラスにブストとホルヘ・カサレス、女子GPにベルタ・アベラン、T2にロレンツォ・ガンドーラ、パウ・マルチネス。それぞれのライダーが、それぞれのクラスでトップを狙える実力を持つ。

ヴェルティゴのオーナーのジャネーさんと。ジャネーさんもSSDTを走るトライアル愛好家

乗り換えて(移籍発表があってから)1週間弱での開幕戦。さて、どんな結果を見ることになるだろうか。新人類ブストから、目が離せない。

●ヴェルティゴからのニュースリリース

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