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Xトライアル2020開幕!

2019年11月にして、早くも2020年のX-TRIALシーズンが始まった。11月16日、インド洋のレユニオン(フランス)での開幕戦は、やっぱりというか予定通りというか、トニー・ボウが勝利したが、2020年シーズンとあって、これまでと異なるマシンに乗って登場していたりもして、新しいシーズンの幕開けにふさわしい一戦となっている。

Xトライアル(FIMインドア世界選手権)は、これまでにも年が明けるのを待たずに開幕したことがあった。ところがライダーの契約はその年の1月1日から12月31日までとなっていることがほとんどで、となると2020年シーズンが始まっているのに、契約は2019年版というちぐはぐが発生することになる。

記憶の限り、シェルコに乗るマルク・フレイシャがXトライアル開幕戦に出場し、年が明けたらマシンがモンテッサになっていた、ということがあった。他にも、何人かこういう参戦をしていたライダーがいた。ちなみにフレイシャは、ここ数年、トニー・ボウのマインダーとして活躍している。マインダーの中では、世界一のテクニシャンだ。

ただ、ライダーを年末いっぱいまで拘束しておくのは、契約とはいえ、チームには得がない。契約が切れて、もうすぐ仲間でなくなるライダーのためにマシンを用意しなければいけない。ライダーにすれば、当然来季のマシンでのトレーニングを(秘密裏に)しているのに、公の舞台では契約のあるマシンで出てこなければいけない。メーカー(チーム)、ライダー、双方にとって、めんどうなだけだ。

それで数年前から、ライダーの移籍話が出ると、元のチームから「このライダーとの契約はまだ残っているけど、サポートは放棄したよ。残りの契約期間に、ライダーがなにをしてもうちは関知しないよ」みたいなリリースを出すようになった。最初は、当のライダーがなにか悪さをして、チームが愛想を尽かして解雇宣言をしたのかとも思ったけど、これは契約が残っている期間に、来季の契約活動をしたり、翌年に乗るマシンで大会に出場したりの活動を認める、それによって裁判などを起こすことがない、という宣言だった。

ということで、今回のX-Trialは、2020年の新しいチームとライダーによる、顔見せ興業ということにもなった。マシンが新しくなったのは、ヴェルティゴのミケル・ジェラベルト、ガスガスのホルヘ・カサレスのふたり。ジェラベルトはシェルコから、カサレスはヴェルティゴからの移籍となる。

ストーブリーグのウワサではハイメ・ブストも動くのでは、という話だったが、こちらはこれまでどおりヴェルティゴでの出場となっている。二大巨頭ともいえるモンテッサのトニー・ボウ、TRRSのアダム・ラガは変わらず。2019年でよい活躍をしたにも関わらず結果を棒に振ってしまったジェロニ・ファハルドはガスガスからシェルコへの移籍を発表したが、Xトライアルはノミネートライダーには選ばれておらず、開幕戦には顔を見せていない。

Xトライアルの参加者は、今年は8名。ボウ、ラガ、ブスト、ブノア・ビンカスの5名がノミネート(4台のマシンとふたつの国籍)で、T2チャンピオンのガブリエル・マルセリ(モンテッサ)、ヴェルティゴに移籍したジェラベルト、ガスガスに移籍したカサレス、そして125チャンピオンのフランス人、キエラン・トーリ(スコルパ)の4人が主催者推薦として参加している。

大会の最初は、まず8人が5セクションを走り、準決勝(ラウンド2と呼ばれている)に進出する6名を選抜する。2名がクォリファイ敗退、ということだ。

1名は、125チャンピオンのトーリ。オール5点の25点で敗退決定。成績よりも、この舞台を走れたということが、大きな収穫になったはずだ。もう1名の脱落者はフランスの雄、ビンカスだった。5点3つ、1点ふたつ。ジェラベルトに1点差だったが、7位にて試合終了となった。トップのボウは6点、6位のジェラベルトは16点。2位はラガの8点だったが、これと同点で、若いマルセリが続いている(順位は5セクショントータルの走行時間によって決まった)。マルセリ、すごい。ブストがマルセリに1点差、カサレスとジェラベルトは辛くも予選通過、というところだ。

2020XトライアルR1のマルセリラウンド1の走りは見事だったガブリエル・マルセリ

昨年までは、ラウンド1の組み分けによって、ばくちのような大会結果になっていたりもしたものだが、今年は減点の少ない順に順位が決められて(これが当然だ)不公平感はずいぶんと減った。

ラウンド2は、ラウンド1の2位、3位、6位の3名がヒート1に、1位、4位、5位がヒート2に出場する。3名で対戦して、トップが決勝に、2位の二人が3位決定戦に進出し、3位同士は、その減点の少ないほうがこの大会の5位に、多いほうが6位となる。セクションはラウンド1と同じ5つのセクションを使う。

2020XトライアルR1のジェラベルトヴェルティゴで初めて公式戦を走るミケル・ジェラベルト

ヒート1では、ラガが12点、ジェラベルトが17点、マルセリがフルマークの25点。マルセリはラウンド1では好調だったが、事実上これで6位が決まった。勝利のチャンスがあるのはラガ、ジェラベルトには3位の可能性がある。

2020XトライアルR1のラガ最強のナンバー2の座は健在。アダム・ラガ

ヒート2ではボウが6点をマーク。ブストとカサレスの二人はともに12点だったが、これもセクション走破タイムが計測されていて、走破タイムが短いブストが2位、カサレスが3位となった。両者のスコアをみると、クリーン数ではカサレスの方が勝っているので、ふつうの大会ならカサレスが2位となりそうなのだが、Xトライアルはいろいろ特殊だ。

2020XトライアルR1のカサレスガスガスに写ったホルヘ・カサレス

決勝戦では、最初に3位決定戦。ジェラベルトとブストの戦いは、たった一つのセクションでおこなわれ、ブストが2点、カサレスが5点で決着した。ブストは3位表彰台獲得、カサレスが4位決定だ。

2020XトライアルR1のブスト3位表彰台獲得のハイメ・ブスト

最後の優勝決定戦は、用意された6つのセクションすべてを使う。ボウもラガも減点をしながらセクションを走破するが、第2、第4、第5でラガが5点。この15点は決定的だった。第5セクションを終えて、ボウはラガに11点差。これで勝利はボウに決まった。ボウは最終セクションで5点となり、ここをラガは1点で抜けたのだが、ときすでに遅し。開幕戦はボウの見事な勝利で幕を閉じた。

2020XトライアルR1のボウ開幕戦勝利を飾った王者トニー・ボウ

ボウは昨年は負傷をひきずってXトライアルの開幕戦に出場することになっていたから、それに比べると今年は気分がいいにちがいない。勝ちっぷりも気分のいいものだった。

この2020年シーズンは、2019年のうちに、あと1戦が行われる予定だ。

2001_Reunion-island

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